珠玉の短編:山田詠美:まぢでしゅぎょくの11さくひん。

「珠玉の短編」(126/2020年)

サヴァラン夫人

珠玉の短編

箱入り娘

自分教

生鮮てるてる坊主

骨まで愛して・・みた

命の洗濯、屋

蛍雪時代

虫やしない

鍵と鍵穴

100万回殺したいハニー、スウィート ダーリン

以上、珠玉の11作品、もう嬉しくてうれしくて。タイトルだけでもドキドキしてしまいます。更に島田雅彦の解説まで付いてくる、完璧です。山田詠美なので、エログロ要素大目は当然なのですが、11作品もあるので、濃いのから薄いのまで、様々なテイストを、読者の気分によって堪能できるのがお得ですよね。

占い師、露悪的、お嬢様、自分大好き、男女の友情、純愛、性行為、SM、セフレ、マザコン、ダメンズ。

さあ、どれを選びますか?僕のお気に入りは「自分教」です。自分教は無敵です。どんなことでも耐えられます、自分が一番だから、他人が何しようが、他人から何をされようが、悟りを開けばOK!この作品の主人公は遂に「呪い殺す」ことが出来るまで成長します。ただ、この宗教、簡単に改宗することが出来るんです。その感覚が、実に良い。素敵でした。

この中のどれが好きによって、性格診断とか相性占いとか出来ると思います。ま、その前に山田のことを好きか嫌いかで、おおまかなフィルタリングは出来ているのがポイントですが。

山田のペースに巻き込まれて、けっこうハードな内容に慣れてしまって、それなりの内容を抵抗なく読んでいる自分に気が付いて、思わず焦ってしまう自分を第三者的な位置から眺めてみるものの、結局、山田が好きな自分が愛おしい。そんな感じです(笑)


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