機巧のイヴ 帝都浪漫篇:乾緑郎:死を乗り越えていく

「機巧のイヴ 帝都浪漫篇」(047/2020年)

あれから約25年。現実の日本に置き換えるならば、大正時代か。女学校、満州、そして関東大震災を背景に描かれるストーリー。イヴは100年以上、変わらぬままですが。

スチームパンクの第3弾。機械仕掛けのオートマタ、イヴが大活躍、ってことじゃないのが本シリーズのポイントです。イブは脇役というか、物語の中心に位置しているのですが、事件は周囲で起こります。もちろん、その事件にイブは深く関与しているのですが、主役ではありません。時に可愛く、特に凛々しく、時にコメディエンヌとして活躍します。そして、今回は、なんと、あの「李香蘭」になってしまうのですから。

女学校の友達のナオミも可愛いです。前作で大暴れした社主と大工もパワーアップしてます。そして、あの男の息子も登場。実に豪華な大正浪漫が繰り広げられます。

ただ、テーマは深く、重いです。あの甘粕事件も出てきます。人間の暗くて弱くて悲しい部分を描く位ほど、イヴの異常性が際立ってくる。イブは心はあるものの、多分、人間の良い部分のみを採用されているオートマタのかもしれません。

周囲の人の死の乗り越えて、ひとり生き続けるイヴ。次回作はあるのでしょうか?あるならば、時代はいつだろう。個人的にはバブル期希望(笑)

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