機巧のイヴ 新世界覚醒編:乾緑郎:ねじまきアンドロイド

「機巧のイヴ 新世界覚醒編」(042/2020年)

あれから約100年。イヴは当然「生きています」。1892年、架空の世界ですが、シカゴ万博がモデルとのこと。スチームパンク。不思議な世界観。古いのに新しい。そもそも、イヴは「ねじまき」で動くAIアンドロイドだし。

今回は、暗い過去をもつ私立探偵・日向が主人公。この暗さ、実は半端ない。命の向こう側、死にながら生きている人の地獄を見てきた男。裏切り、陰謀の片棒を担ぎつつ、様々なしがらみに揉まれながら流れ着いた万博会場。そこで万博開催という利権に群がるパワーゲームの小さなコマとして、翻弄されていく。

その中で、からくりイヴに心惹かれていく様々な登場人物。成り上がり実業家、天才発明家、武闘派とび職人。万博のメイン展示物だったイヴが消えたことにより、各々の欲望が衝突する。

タイトルにもあるように、本作はイヴの覚醒を描いている。中繋ぎ的要素が濃い。日向は結果的には、イヴのために命を落とす。ま、死によって、地獄から解放されたので、それを良しするしかないだろう。

そして、覚醒したイヴは生まれ故郷に戻る。次作が楽しみだ。

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