巴里マカロンの謎:米澤穂信:祝、復活、小市民

年間、文庫本で、小説ばかり、約150冊を読み続けているGGが、今年は読んだ本の読書感想文を書いていこうかと

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「巴里マカロンの謎」(015/2020年)

久しぶりの小市民シリーズ。11年ぶりだそうです。シリーズものですが、ここから読んでもOK。小鳩君と小佐内さんのこと、もっと知りたくなったら、「いちごタルト」「トロピカルパフェ」「栗きんとん」と読んでみてください。一見、ラノベ風なタイトルですが、まったく軽く(ライト)ないので、覚悟して読んでください。そして、やられちゃってください。米澤の「冷たさ」、満喫できます。

で、本作、4つの短編連作集です。有名パティシエの娘の中学生というサブキャラが出てきます。小市民を目指す二人とは一線を画す彼女、なかなかです。非常に映像化に向いているかと。小佐内さんとの対比と類似が絵的に美しいと思います。

もちろん、どれも「些末」な小市民的な謎なのですが、いつも通りロジカルにクリアしていく様は、気持ちが良いです。ただ、謎が解けることが全体的に見て「幸せ」なことなのか、、、という問いかけはあります。そのシビアな感じ、大好きです。

4作の中では、一番地味だけど、その地味さ加減が絶妙な新聞部の話がお気に入り。激辛が無い!なんて、どうでも良いけど、どうにもならないミステリ。着眼点で凄いです。それに、小佐内さんの名シーンも、、、ね。



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