FBI, CIA, DEA...知ると映画がもっと面白くなる!アメリカ警察・機関の概要まとめ①
「FBIのやつらが来てやがる…!ここはおれたちのシマだぞ!」
なんて、アメリカの刑事モノのドラマや映画を観ているとよく目にするシーンですが…サラッと出てくる”FBI”や”CIA”って一体どんな機関なのか、みなさんその概要ってご存知ですか?
知っていなくとも楽しめる!しかし知っているともっと楽しめる!映画に出てくる警察や組織の概要について、取り扱った映画を例に出しつつご紹介したいと思います。
FBI(連邦捜査局)
FBIとはアメリカの警察機関の1つで、複数の州に渡って発生した犯罪や、国家全体の問題となり得る事件について担当します。
なぜFBIが必要なのかというと、そもそもアメリカっていう国がめちゃくちゃ広いからです。(日本の国土の20倍以上)なので、アメリカ合衆国は50もの州から成っており、州ごとに法律も異なります。犯罪が発生するとそれぞれの州の警察と州法に基づいて裁かれる訳ですが、それが州境を超えてしまうと各州では対応できなくなってしまうので、FBIが必要になるのです。
映画に出てくるFBIキャラクターは『ワイルド・スピード』のブライアン・オコナ―の例が分かりやすいかもしれません。1の時にはブライアンはLAPD(ロサンゼルス市警察)で、2では前科を消すためにFBIに協力。4(MAX)ではその時の成果が買われてFBIの一員となっています。そして5(MEGA MAX)の時にはお尋ね者になってんだもの…波乱万丈だな。
FBIの時には米国内で広く暗躍していた麻薬密輸組織のブラガの捜査を担当していました。あとは映画でみなさんがご存知の通りです。
ちなみに日本の警察は各都道府県警察にそれぞれの管轄権があるため、基本的には犯罪の発生地点の警察が捜査を担当しますが、犯人が県境を越えて移動した場合は、移動先の警察も協力して捜査を行うことが多いです。
コナン君によくみられる現象ですね。
写真は静岡県警と神奈川県警の横溝兄弟が捜査協力する場面です。CVはどちらも大塚明夫さんだから渋い。
CIA(中央情報局)
「結局、裏で糸を引いていたのはCIAだった…」みたいな、何かと映画だと悪役に回ってしまうイメージもあるCIAですが、もちろん国家の安全保障のために存在している機関です。
世界中から、国家安全保障政策の決定に必要な情報を収集・処理・分析することが公式任務で、もちろん映画の様な「スパイ活動」も行っています。
映画の例には、『アルゴ』でベン・アフレックが演じたCIAの秘密工作本部に所属していたトニー・メンデスが挙げられます。彼は、イラン革命によって起こった反米デモ隊が、アメリカ大使館を占拠した際の大使館員救出作戦でテヘランに潜入しました。映画では彼1人ですが、実際にはもう1人CIA職員が一緒に密入国したそうです。
もう1例、CIAが悪者っぽく描かれている映画としては「ボーン・シリーズ」が非常に有名です。
主人公のジェイソン・ボーンは、CIAが発案した、拷問等によって洗脳と人格改造を行う秘密裏の工作員育成計画(トレッドストーン計画)によって生まれた第一号の暗殺要員。
失くした記憶を取り戻そうとするボーンと、工作員育成計画の露呈を恐れボーンを抹殺しようとするCIAとの対立構造が映画にはあるため、同シリーズでのCIAは主人公に敵対する「悪」として描かれているのが特徴です。
ちなみに今回挙げる中で、CIAは唯一警察ではありません。逮捕権がないので直接手を下す時にはFBIなどの警察組織と手を組みます。
『ボーダー・ライン』を観た方は覚えていらっしゃるかもしれません。エミリー・ブラント演じるFBIが、ジョシュ・ブローリン演じる自称:国防総省の顧問にキレていたのは、彼がCIAとして動いていたため国内での単独活動ができない上に逮捕権を持たず、自分が逮捕権を得るためだけの道具として利用されていたことに気付いたからです。
DEA(アメリカ麻薬取締局)
続いては麻薬取締局です。海外からの麻薬密輸取り締まりや国内での流通阻止などにあたる、薬物専門の警察機関です。
FBIと同じくアメリカ全土に対して管轄する権利を持っていますが、FBIが連邦法を執行するのに対し、DEAは連邦麻薬法の国内施行に関する主導機関ということになっています。
映画に出てくるDEAの刑事と言えばこちら。
『レオン』に出てくる、ゲイリー・オールドマン演じるノーマン・スタンスフィールドです。麻薬取締局の刑事でありながら、麻薬密売組織を裏で操り、自身も麻薬に手を染める男。ゲイリー・オールドマンのおかげで、ほかの映画に出てくる麻薬取締局員の人まで大体良いイメージ無いです…俳優さんって凄い。
クリント・イーストウッド監督の『運び屋』に出てくるブラッドリー・クーパーもDEAの刑事でした。
USSS(シークレットサービス)
シークレットサービスはシンプルに大統領の警護を行う執行機関です。映画ではよく身を挺して大統領を守っているシークレットサービスですが、実際に大統領警護勤務中に亡くなったエージェントは過去に1人だけです。(それでも1人はいるのか…)
大統領の他にもファーストレディや大臣などのアメリカの要人、アメリカを訪れた各国首脳もその警護対象になります。警護担当、制服部門、技術・管理部門など6,000人以上の職員を抱えています。
さて『エンド・オブ・ホワイトハウス』に出てくるシークレットサービスのジェラルド・バトラーは、大統領の警護担当から財務省のデスクワークに異動になった職員です。
財務省でどんな仕事をしていたかまでは劇中で言及されていませんが、財務省はホワイトハウスの敷地内にあるということと、元々シークレットサービスが財務省傘下に置かれていたこともあり、その関係性は深いようです。
アーロン・エッカート演じる大統領との関係性は、所謂「エンタメシークレットサービス」って感じですよね。好きだけど。
『ホワイトハウス・ダウン』では、まさかのシークレットサービスのリーダーが裏切るという場面もあるので、その描かれ方も様々なようです。
アメリカの警察組織
最初に書いた通り、アメリカは国土面積が広いので法の執行機関の体制が日本とは大きく異なります。アメリカには、
連邦政府の法執行機関があり、
その下に州の法執行機関があり、
その下に自治体の法執行機関があり、
その下に群の法執行機関があります。
自治体の機関は「ニューヨーク市警察(NYPD)」や「ロサンゼルス市警察(LAPD)」で、群に法執行官の長として配されるのが「保安官」です。このあたりも映画でよく聞く名前ですね。
写真は『ノーカントリー』で保安官役を務めたトミー・リー・ジョーンズ。本当は今回の記事でこの辺りまで書きたかったんですが…想像以上に長くなってしまったので、また次回にしたいと思います。
その他にもアメリカの枠を超えてMI6やKGB、インターポールなどについて触れたいと思っていますので、これに懲りずまた駄文にお付き合いいただけるととても嬉しいです。
では、また次回!
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