難しくなりすぎな営業界隈の用語を簡単に説明するnote
今回は難しくなりすぎた営業界隈で使われる用語を解説していきます。
僕のスタンスとして、誰もが同じ理解で利用できない言葉は使わない、若しくは解説することがマナーだと思っています。
しかし、世に出る多くの記事が解説も無しにそのような用語を使っていたり、たまに誤用している場合も見受けられるので、もうこの際だから解説をしてしまおうというのが本noteのコンセプトです。
では、さっそく解説していきます。
1.リード
リードとは、見込みのお客様情報のことです。
さらに深く説明をすると、見込みのお客様情報で、個人が判別できるものを表します。
例:
「株式会社XX」
のような会社名だけではリードの情報としては不十分です。
「株式会社XX 代表取締役 ○○さん」
といった、個人まで判断できる情報が付与されていることが必要だと僕は考えています。
この区切り方も会社によって変わるとおもいますが、僕の考えでは、以下の3つの要素があってリードだと考えています。
①会社名
②個人名
③個人に連絡可能な情報(メールや電話番号など)
2.商談
商談とは、案件を意味する言葉です。
これも“商談”という言葉から考えるとおかしい本来の意味と異なるので僕は誤用だとおもっています。
「商談の意味」
商売上の話し合い。取引に関する相談。「商談がまとまる」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
本来、商談自体は商売における打ち合わせに使う言葉なので、案件=商談とするのは誤用だと思います。
これは僕の推測ですが、SalesforceのOpportunityを日本にローカライズする際に商談と訳してしまったがために、日本のSaaS企業を中心に案件=商談と使ってしまっているのでは・・・と考えています。
なので、商談情報などと言われたら、案件情報と捉えてOKだと思います。
3.プロスペクト
プロスペクトは、案件が進行中の見込みのお客様のことを言います。
多くの会社でリードとプロスペクトの区別がついていないケースが多発していると思います。
これは、先程ご説明したリードの要素を分解するとよく分かると思います。
リードの3要素
①会社名
②個人名
③個人に連絡可能な情報(メールや電話番号など)
ですので、リードを分解すると、以下のようになります。
リードから、
①会社情報
②会社に紐づく名刺情報
③会社情報に紐づく案件情報
リードを獲得した後、
具体的にアポイントが取れて進行するお客様と、
そこから進まないお客様に分かれます。
ここで、「案件が進行中=案件(商談)が作られる」
という条件を満たす、有力なリード=プロスペクト
と考えるのがスマートだと思います。
4.マーケティング(特にSaaS企業)
マーケティングとは、リード獲得をメインの業務とする部署を指します。
これも本来のマーケティング自体の意味とは異なります。
僕はマーケティングと初めて聞いた時は、PR、広報のイメージが強かったのですが、(特にSaaS企業)では、リードを獲得するために様々な手段を駆使するチームと考えると一番スッキリすると思います。
5.インサイドセールス
インサイドセールスは、リードをプロスペクトにするために活動するチームです。
(多分、ここまでの流れを読んでもらえたら、理解しやすいかと思います。)
文字通りの意味を取って、外に行かずにZoomなどのWeb会議で商談を行う営業のこと。と理解されている方も多いかと思いますが、一般的にインサイドセールスが意味するのは上記の通りです。
ここで、リードからプロスペクトになるためには、案件が必要と先述しましたが、じゃあ案件ってなんやねん?となるはずです。
これについてはSalesforce社内での案件化の定義が秀逸なのでご紹介します。
案件化とは、
お客様の課題が明確かつ、
その課題を自社の製品(サービス)が解決できること。
重要なのでもう一度書きます。
ここで大切なことは、
・その課題をお客様が自覚しているか否かは関係ない
→お客様に自覚してもらうのが営業の仕事
・自社の製品(サービス)で解決できない場合は案件化しない
→ソリューションが適切でないので押し売りしてはダメ
ということです。
6.インバウンド/アウトバウンド
インバウンドは、お客様主導でリードが入ってくること。
アウトバウンドは、リード獲得がない状態で、売り手側からアプローチすること。
一般的には日本に訪れる観光客=インバウンド
海外に旅行に行く日本人=アウトバウンド
が一般的に使われる用法だと思います。
ただ、営業界隈で使われるインバウンド/アウトバウンドは、
最初の接点がお客様主導か、売り手主導か、という考え方でOKです。
たまに、
「問合せではなく、ホワイトペーパーを閲覧したリードにアウトバウンドしてアポを取りました!」
なんて言う方がいますが、これは完全に誤りです。
リードの獲得方法にも、
・問合せ(具体的な面談希望)
・自社セミナー参加
・展示会での名刺獲得
・資料ダウンロード
など、様々なパターンがありますが、
どの方法にせよ、お客様発信でリードを獲得したならば、それはインバウンドと表現するのが良いと思います。
7.SDR/BDR
SDRは、インバウンドの対応をするインサイドセールスのこと。
Sales Development Representativeの略称。
BDRは、アウトバウンドをするインサイドセールスのこと。
Business Development Representativeの略称。
個人的にはこの用語があまり好きではありませんww
SDRにせよ、BDRにせよ、事業企画、営業推進的な意味に感じてしまうからです。
この言葉は、インサイドセールスが進んでいる欧米から輸入された言葉なのですが、欧米の企業の営業においては、営業の階層があり、
若手=Sales Rep
中堅=Sales Executive
といった感じで昇進をしていきます。
その名残りがインサイドセールスに使われてしまっただけなのでは?と僕は推察しています。
なので、インサイドセールスを作っていこう!と考えていらっしゃる方々は、SDR,BDRと安易に使うのではなく、自社に合った適切な部署名を使われると良いかと思います。
最後に
ここまで書いてきた内容は一般的に正しい理解は何か?ということを軸に用語を解説してきました。
ここで一番重要なことは、自社内で全員が同じ共通認識をもっているか?ということです。
なので、用法が違ったとしても、全員が同じ理解をしているならそれはそれでアリだと僕は思っています。
逆に、営業に関わるサービス、製品を販売している方であれば、間違いなく一般的な正しい理解をすることが必須ですし、
お客様には正しい意味の解説もできて然るべきだと思っています。
僕の個人的な意見としては、
あえて難しい言葉を使わずに、簡単な日本語に置き換えるほうが親切だなぁと思っています。
ぜひ、皆様の社内で全員が同じ言葉の認識をしているか、確認をしてみてください!
※今回はごく一部の言葉の解説なので、依頼があれば第2弾も書きます。
パイプライン、カスタマーサクセス、デマンドジェンなど・・・
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