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年収やキャリアよりも正義を貫きたい。だから僕は起業する。

僕は本気で日本のITを変えたい。
でも気づいた。

このままだと日本のITが死ぬ。
しかも日本のITを殺すのはIT企業だ。

これに気づいた時、僕はすべての魔法から解けた。

今まで自分が正義だと思っていたことが180度ひっくり返される感覚だ。

僕はこの世に存在価値が無いのではないか。
やっていたことは悪ではないのか。
営業という仕事、ITという仕事に本当に意味があるのか。

自問自答するうちに僕のモヤモヤは日々大きくなり、爆発した。

・日本のIT企業の思考停止
・外資IT企業の本音と建前

彼らが自浄するのを待つには時間がかかりすぎるし、多分出来ない。
なら、使う側の理解を高めよう。

使う側の理解を高めることが出来たら、
日本のIT活用レベルを世界標準に引き上げることができる。

もう僕が変えるしかない。
その思いで創業をした。

日本のIT企業の思考停止

僕は新卒で富士通の子会社であるSIerに入社した。
先に結論を言いたい。SIerは1980年代後半、バブルの時から完全に思考停止をしている。

SIerは大手のゼネコンと構造は全く同じで、多重の下請構造によって支えられている。
お客様がエンジニアの1時間に対して1万円を払っていたとしたら、中抜きするだけの会社が4社、5社も挟まり、最終は1時間1000円程度の海外のプログラマーに発注がされている。

間の会社なにやってるの??

まだこれだけじゃない。
もう彼らに大規模なシステム開発は出来ない。
当時の僕が受注した過去最大のSI案件で、もう僕はSIerに見切りをつけようと思った。

提案コンペでお客様から提示された要求事項(RFP)に対して、
すべて「出来ます!」と回答し、1.2億円で受注した。

しかし、その「出来ます」を紐解くと、
(個別開発をすれば)「出来ます」であった。
つまり、追加でお金を貰えばできるという、詐欺のような回答。

結果、受注後にお客様と細部を詰めていくと、
実際に必要な金額が2.4億円だとわかった。

この時のSEがお客様に説明したフレーズがこれだ。

「この業界では倍半分と言われていて、
受注後に要件を詰めるとだいたい倍額になります。
高すぎるということで減らしていくと、増加分が半分くらいになる。
だから倍半分、最終1.8億円くらいまで持っていきましょう」

何いってんの?
最初に提案した1.2億はどこへ?

どこまで殿様商売なんだよ。。。

SIerの悪行はこれだけじゃない。

例えば、オフコン(1960年代)から使われてきた事務処理のコンピュータを最新の物に置き換えようとするお客様に対して、とにかく移行が大変!と騙し、未だにオフコンを使いつづけるように説得したり、

AWSを使おうとしているお客様に対して、「海外の会社にデータ預けて大丈夫ですか?」と言いがかりを付けて、5倍の値段する富士通製のクラウドを売りつけたり、

そして1番のギャグは社内システムだ。
富士通はデジタルトランスフォーメーションを支援します!!って堂々と声高らかに宣言している。でも本当にデジタルトランスフォーメーションが必要なのは自分たちでしょうよ。

グループ全体で使っている販売管理の仕組み、確かSafaiaって名前だったかな?あのシステム、半角英数が入力できなくて、英数、記号は全角で入力するという奇跡の仕様。

もうこんな会社にいられないと思い、世界で最先端、特にSaaSに携わりたいと思い、SaaSで世界一ならSalesforceだろう!と思い、転職した。

でも、良いこともあった。
同じ思いで一緒に会社をやろう!と意気投合した相棒が、
新人研修のグループが同じだった。

この出会いには感謝している。

外資IT企業の本音と建前

先に言いたいのだが、Salesforceや創業者のマーク・ベニオフが考える理想の社会については、僕も完全に合意である。
そして、僕の営業としてのスキルを高めてくれたのも、尊敬できるビジネスパーソンと出会えたのもこの会社だ。本当に感謝をしている。

でも、その上で本音と建前を語りたい。

まず、Salesforceの営業の予算はとんでもなく高い

Salesforceという会社は1兆円企業になった今も、年率30%の成長を続けている。これは素晴らしいことだと思う。

こんな成長を続ける会社の営業はみんな優秀で、みんなたくさん売っているんだろう。と考えるがそうではない。
基本的に、全体の20〜30%が達成するような予算設定になっている。
つまり、7〜8割の人が予算に届かない設定になっている。

それでも年率30%の成長を続けている。

どういうことか、お分かりだろうか?

営業には普通にやっていたら絶対に行かないレベルのとんでもなく高い予算が割り振られているということ。

これがどうしても歪みを生んでしまう。

実際に僕が体験した歪みをご紹介したい。

僕がある時、大型のご発注を頂いたときのこと。
ただ、僕はお客様が無駄にお金を支払うことがないように、

・開発期間は必要最低限の数だけ販売
・開発が終わる予定のタイミングで、必要数を追加

という売り方をしていた。

しかし、当時の僕のマネージャに、
「なんでそんな勝手な売り方するんだよ。認めてない。今すぐ後ろの分も前倒して発注もらってこい!」
と言われた。

「いや、前倒ししたら、お客様が使いもしないライセンス、ざっと1000万円くらい根拠なく支払うんだけど・・・」

当然僕は拒否をした。筋が通ってない。
ただ、なぜこんなことが起きるのかというと、高すぎる予算が原因である。

僕のマネージャもまた高い予算を持ち、自身の予算達成のために僕のこの1000万円が喉から手が出るほど欲しかったのだろう。

でも、それは誰のため?
どう考えてもお客様のためではない。

お客様のためではないなら、きっと正義ではない。

他にも、多くの営業が本当は100万円でいいところ100万円以上の提案に膨らませたり、
優秀だと言われる営業の解約率がとんでもなく高かったり、いろんな歪みが起きている。

もちろん、僕自身もこの会社で生き抜くために、正義ではない売り方をしたこともある。でもそれは良心の呵責を生み出し、心の中のモヤモヤはずっと消えない。

でも僕がモヤモヤしているだけで売り手側はきっと変わらない。
じゃあ、どうするか。買い手側が変わるしかないんだ。

そう思い、僕はとにかく買い手のことを考えるようになった。
使う側の理解を高める必要がある!そう強く思った。

使う側の理解

日本において、ITを使う側の人材が圧倒的に不足をしている。
IT人材の配置だが、
アメリカは72%が使う側に所属し、
日本は75%が売る側に所属している。

つまり、アメリカの多くの企業はITの正しい使い方や投資の判断ができるのである。

それこそ、Salesforceを始めとした外資系の洗練された営業が売りにきても、正しいモノサシを持っており、
買った後もそれを自分たちで使っていくことができる。

逆に言えば、日本はそれができない

ITを投資する正しいモノサシを持っていないのだ。

ペットボトルのコーラが150円の高い安いの判断は出来ても、
システム月額10万円の高い安いの判断ができない。

現に、日本のIT導入プロジェクトは47.2%が失敗しているというデータが出ていたりもする。

これは健全な状態だろうか?

僕は使う側にモノサシを配りたい。だから営業のノウハウを公開する。

売り手側の情報に偏重していいのか

僕が過去に公開した営業ノウハウの記事は、びっくりするくらいの大好評を得た。
他にも、多くの営業ノウハウ系の情報が日々流れている。

インサイドセールスだとか、ヒアリング方法だとか、
フレーズ集だとか、マインドセットだとか。
もう良いよ。

結局、落とし所は自社サービスをどうやって売るかなんだ。

こんなことを言う人もいた。

「路上ですれ違いざまに相手を殴る。この感覚だ。
俺が訪問した先は、なんとしてでも売る。」

理解できるだろうか?
本当にお客様のことを考えている営業もいるが、
多くの営業は自分のコミッションが1番大切なんだ。

他にも、

「顧客を教育する」
「顧客に理解させる」
「顧客に気づかせる」

この言葉に多くの人は違和感を感じないの?

相手の多くは経営者だよ。
どの目線からの言葉だよ。
この時点で使う側より売る側が上にいる前提

絶対に違う。
使う側が上とも言わない。
平等であるべき。

売り手と使う側は対等の関係であるべき。

逆に、「買ってやってんだから」とかいうヤツや、
実際の契約数を誤魔化して使うヤツ、これは違う。
買い手が特別えらい訳でもない。

対等で平等であるべき。

そうじゃないと相手のことを信頼して一緒にビジネスを伸ばしていけない。

だから僕は自分の営業ノウハウを公開した。

僕の意図は、
「売る側はここまで洗練された手法を使いますが、
買い手の皆さんはちゃんとモノサシを持っていますか?」
というメッセージだったのだ。

これが売り手と買い手を平等に近づける第一歩として。

僕が思うモノサシ

僕はSaaSにおいて、インサイド、中小企業担当、大企業担当、管理職と一通りを経験してきた。

その中で本当に多くの経験をした。
失敗しないIT導入プロジェクトには、チャンピオンアドミニストレータが必要と気づいた。

本来は売り手側の概念だったチャンピオンを、
買い手側にも広めることで、
日本のIT活用レベルを世界標準に引き上げることができるのでは?
と考えている。

次回以降、僕の会社がどんなサービスで何をしていくのか、具体的にご紹介したいと思う。

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