がけ

SaaSの営業の存在価値が低い理由

前回のnoteで、SaaSの営業は難しい!と言いながらも、SaaSの営業の存在価値が低いと問題提起していたので、続きです。
前回のnoteを読んでない方はそちらをまず先にご覧ください〜。
https://note.mu/dj141/n/ne923b730a39b

このnoteで伝えたいこと

SaaSの営業は難しい。参考になる情報も世の中に少ない。
→SaaSの営業がなぜ難しいのか分析しよう!
→前回のnoteで解説済み

2019年現在の日本ではSaaS営業の存在価値は低い。
しかし、来年以降からは真価が問われるでしょう。
→正しい知識をつけてみんなで頑張ろう!

まずSaaSの市場動向を把握しよう

SaaSの営業の存在価値を考える前に、日本におけるSaaSの立ち位置を把握しておきましょう。
ITの中のクラウドの中のSaaSという感じになると思います。
では、それぞれの年間市場規模ってどれくらいかわかりますか?
日本国内のIT投資額/年
日本国内のクラウド市場規模/年
日本国内のSaaS市場規模/年

実は私がここ3ヶ月以内くらいにお会いした経営者の方、投資家やVCの方、SaaSやIT業界で働く方々などに同じ質問をして、3つすべてをバシっと言い当てた方はいらっしゃいませんでした。

それもそのはずで、上記は1つのレポートにまとまっていません。
今回は、様々なソースから情報を収集し、まとめてみました。

日本国内のIT投資額/年:およそ27兆円
ガートナー,ITデマンド・リサーチ、2018年5月調査
日本国内のクラウド市場規模/年:およそ2兆円
MM総研究,2019年国内クラウドサービス需要動向調査
日本国内のSaaS市場規模/年:およそ5,000億円
富士キメラ総研,ソフトウェアビジネス新市場 2018年版

これらのデータから、

日本のクラウド市場はIT市場の7%程度
日本のSaaS市場はクラウド業界の25%程度

という前提で色々とお話をしようと思います。

SaaSを使っている企業ってどのくらいいるんだろう?

総務省が出している情報通信白書によると、
クラウドを使っている企業の比率は下図の通りで、
おそらく、2018年では60%を超えていると思われます。

情報通信白書

ただし、このデータはクラウド全体なので、AWSやFirebase,Heroku,国産ならニフクラなどのIaaSやPaaS等も含まれております。
ここからSaaSを抽出したいのですが、、、そんなデータが見つからなかったので、
日本のSaaS市場はクラウド業界の25%程度という前提を持ってきて、

・SaaS市場はクラウド業界の25%
・クラウドを使っている企業60%
∴60%×25%=15%
日本でSaaSを使っている企業の割合=15%

と考えて良いかと思います。
大事なことなのでもう一度、
日本でSaaSを使っている企業の割合=15%

この数字は何を表すのか

営業畑の方より、マーケ畑の方のほうがピンと来た方が多いかと思います。
15%という数字は、イノベーター理論でいうところの、キャズムが目前に迫ってきているということです。

キャズム

(イノベーター理論やキャズム理論についてはこのnoteでは解説しませんので、わからない方は以下サイトを読んでみてください。)
キャズム理論をわかりやすくまとめているサイト

言い換えれば、今までの日本国内のSaaSの営業はキャズムを超えておらず、アーリーアダプターなどの情報感度が高い顧客が買っていたとうわけです。
営業が「売っている」のではなく、顧客が「買っている」
といっても過言ではありません。
(多くの顧客に使ってもらって、Productの質を高める・・・というProduct開発の議論はここでは割愛します。)

営業が「売っている」のではなく、顧客が「買っている」
という好循環がいつまで続くのか。
言わずもがなですが、このままキャズムを迎えたタイミングで収束していくと考えられます。

となると、これからは営業が「売る」力をつけていかなくてはなりません。

SaaSの営業に求められていること

さらに、多くのSaaSの営業は、インバウンドの高トランザクションを高い精度で回すスキルを求められることが多いです。

マーケティングチームが獲得してきたリード

インサイドセールスが案件(Pipeline)化して営業にパス

営業は多くの案件を回し、多く受注する

このような状態においては、インバウンドで、豊富なリードがあり、良質なPipelineがある前提です。
更には、SaaSの導入検討をしている顧客はアーリーアダプター等のアンテナの高いパーソナリティーを持ち合わせていることが多いです。
となると、「目の前にいる、買いそうな顧客に売り切る」スキルが求められているわけです。
(ここの細かいスキルについては、2018年にSalesforceの日本法人で1番バズった営業ノウハウ資料の作者が私なので、別の機会で書きます・・・)

とはいえ、買いそうな顧客に売ること自体は難しいことではないので、
今回のnoteのタイトルである「SaaSの営業の存在価値が低い」ということに繋がります。

ただ、これはあくまでも今までの日本国内の市場の話であって、外資系SaaS企業は自国ですでにキャズムを超えながらも、成長を続けているケースがほとんどです。日本でもキャズムは目の前に来ています。
ではどうやってキャズムを超えていくのでしょうか。

キャズムを超える営業

目の前にいる買いそうな顧客本来売りたい顧客なのでしょうか?それでキャズムを超えられるんでしょうか?

答えはシンプルです。
本来売るべき顧客に売る。これがキャズムを超える方法です。
本来売るべき顧客に売る営業とはなにか・・・
これがEnterprise Salesであると考えています。

SaaS Enterprise Salesは大企業担当ではない
→次回、詳しく解説します!

一般的に、Enterprise Salesと言われたときに、なんとなく大企業担当なんだろうな。と印象をもたれる方も多いかと思いますが、その基準も売上なのか、従業員数なのか、上場企業なのか・・・基準が曖昧ですよね。

他にも10年以上も前のIBMやSAPがやってた手法とSaaSの場合ってどう違うんだろう・・・などの疑問も含めて、
次回、SaaSにおけるEnterprise Salesとは何かを徹底解説いたします!!

SaaSの営業×サブスクリプションの本質の正しい情報を書いていこうと思います! サポートいただけたら、リサーチ費用に充てたいと思います。 他にもHIPHOP好きな人と仲良くできると嬉しいです。