刺さる初回の営業資料を考察する その②
前回ご好評頂いた刺さる初回の営業資料を考察するシリーズの第2段でございます。
前提として、
刺さる資料=1回プレゼンをされたら、思わず買いたくなってしまう資料
と定義しております。
前回のnoteをお読みでない方は以下からご覧くださいませ。
前回の内容を簡単におさらいをすると、
・製品の話をするな
・大きなトレンドの話をしろ
・キーメッセージを設定しろ
・導入事例を武器にしろ
です。
今の時代は、モノが売れない時代です。モノに対してお金を払うのではなく、提供される価値に対してお金が払われる時代です。
そんな時代においては、商品の説明をするのではなく、伝えたいコンセプトやビジョンをストーリー仕立てで語るストーリーテリングという手法が必要となってきます。
そんなストーリーテリングにおいては「3つの部屋」という考え方があります。
ストーリーテリングにおける「3つの部屋」
こちらについては、前回のnoteに補足する形でtwitterにも書きましたが、せっかくなので補足します。
この3つの部屋は、
①市場の変化、ソーシャルについて語る部屋
②価値について語る部屋
③製品の部屋
この順序でストーリーを相手に伝えようという考え方です。
また、それぞれの部屋ごとに分割してもしっかりと話すことが出来るようにしておこうというものです。
多くの営業さんは③しか語らず、それこそ産業革命以降、ずっと変わらないプロダクト販売の営業モデルから抜け出していない印象を持ちます。
これではお客様に、
1回プレゼンをされたら、思わず買いたくなってしまうような印象は残せません。
しっかりとキーメッセージから製品まで矛盾なく落とし込んでいく必要があります。
ただ、この3つの部屋的な構成のプレゼンに固執しすぎると、日本人的にムカつくプレゼンになってしまう恐れもあるので、そういった部分は私なりにアレンジしてお伝えしていきます。
その最たる例が、会社概要を武器にするです。
3つの部屋入る前に、玄関で会社概要を語る
これがものすごく日本人的な部分なのですが、初めて会う会社の人が会社紹介をしないと、「失礼なヤツだな」と思われてしまうので、僕は最初に会社概要を紹介することを推奨しております。
具体的にはこんな感じのトーク例になるかと思います。
本日はお時間をいただきありがとうございます。digsasの石井と申します。本日は大きく3つのアジェンダでお話をいたします。
①キーメッセージを交えたトレンド
②具体的な事例を交えたストーリー
③ソリューション
とはいえ、どこの馬の骨か分からないやつのままでは失礼ですので、最初に簡単に会社概要をお話いたします。
こんな感じでスムーズに会社概要を語る流れを作ればOKです。
なぜ最初に会社概要を語るのかというと、前回もnoteに記載した4つの不でいうところの、不信を払拭できていないからです。
基本的に営業は不審者であるという自覚を持ち、最初に不信を払拭しておきましょう。
会社概要を武器にする方法
ここで会社概要を語る際に、ただ本当の会社紹介するだけだったら時間の無駄です。
会社概要の紹介を武器にするには2つの要素を盛り込むと良いです。
①創業者や会社としてのVisionや想いを語る
②数字で語る
え?どういうこと?って感じになってしまうので具体例を見ていただいたほうが良いかと思います。
Zuoraの場合
我々は2007年に創業し、今年で13年目の会社です。
13年前というと、サブスクリプションのサの字も無いような時代から、World Subscribedをキーワードに、すべての企業が従来の「プロダクト販売モ」から「サブスクリプション」へのビジネスモデル変革と収益向上の支援を行っている会社です。
現在では世界で1100社以上の企業のご支援を行っており、Zuora上で請求計算される金額は四半期で10兆円を超えております。
イメージをご理解頂けたでしょうか?
Zuoraの場合は「World Subscribed」でしたが、
Salesforce.comのときは、
「ソフトウェアの民主化」とか
「アマゾンで本を買うかのごとく、企業向けソフトを簡単に使えるようにしたい」
とか、そんな語り方をしていました。
僕が今ご支援をしているSUPER STUDIOさんでは、
「EC をアップデートし、人々に新しい体験を。」
とにかく、何をVisionにしている会社か語り、その他の情報を端的に数字で語ることが重要です。
トラクション発生前やPMF前のスタートアップの場合は
・○○から資金調達
・創業者が○○出身
等を語ると良いかと思います。
こんな感じで会社概要の紹介が終わったら、
「では、我々が考えるVisionである〜〜〜がなぜ必要なのか、世の中の大きなトレンドについてご紹介をいたします。」
といい、お客様を1つ目の部屋である、市場の変化の部屋へご案内しましょう。
ここから、前回のnoteへ繋がります。
市場の変化の部屋、価値の部屋を通り抜ける=見込み顧客
3つの部屋における、市場の変化の部屋、価値の部屋を通り抜けて、初めてそのお客様が優良な見込み顧客であると言えます。
逆に反応が悪い場合は見込み顧客ではありません。細かい商品説明をしてもお互いに時間の無駄になってしまいます。
もっと突っ込んでいうと、
いきなり製品説明をする営業は見込み顧客かどうか分からない相手と、お互い無駄な時間を取り合っているだけなのです。
今すぐやめましょう。
製品の部屋とは・・・
ここから具体的に製品の部屋に入っていきます。
ここでは、細かな機能説明は行わず、製品の概要を体系的に行いましょう。
そして、2つ目の部屋で語った価値を更に高める説明をしましょう。というのが教科書的な答えです。
いや、製品紹介でそんなハイレベルなことできません。
しかし、私はこれを実現する方法が1つだけあると思っております。
それが製品デモです。
この製品デモもまた、ストーリーテリングである必要があります。
で、具体的なデモのテクニックについて語っていこうと思ったのですが・・・
本当にすいません。デモだけで余裕で1つの記事を書けそうなのでもう一度引っ張らせてください。
次回予告:刺さる製品デモとは何ぞ?
続編を書きました!
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