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アルコール依存症者の生存率

画像1※ 上図は、厚労省(https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_alcohol.html)
および、特定非営利活動法人アスク(https://www.ask.or.jp/)の
公表データを引用し、当ブログ管理人が作成。

断酒8年3か月の自分の現在地を確認してみた。

日本の成人人口約1億人。
そのうち飲酒人口が7500万人。
さらにそのうちハイリスク飲酒者(依存症予備軍)1000万人。
アルコール依存症者100万人(WHOの基準による推計値)。
そして、有病者(専門治療の継続的受診者)4.9万人。

私はその4.9万人の中の1人。
確率5%の幸運に恵まれている。

この4.9万人のうち、生存(≒断酒)に成功する者は、

治療後2~3年で28~32%、
5年前後で22~23%、
8~10年で19~30%。

つまり、10年後に生存(≒断酒)しているのは、
4.9万人×0.3×0.225×0.25≒827人
49000人のうち827人(約1.7%)。

私の場合、これに双極性障害という精神疾患がクロスするので、
自死のリスクが大きくなり、その分だけ、生存率はグッと下がる。

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話はそれるが、依存症者100万人のうち、4.9万人に入っていない
95.1万人は、専門治療を受けず自力解決しようとする
(自分に酒の問題があると認めない)人が大部分を占める。

余命には個人差があるが、依存症者が断酒しなければ、
まず体を壊して働けなくなり、
脳のダメージから人格が崩壊し、
家族や友人からの支えを失い、
最終的には孤独に死ぬことになる。

あまりにも救いようのない死に様なのと、
「酒は所詮自業自得だ」という、
根強い社会通念によって、全くニュースにもならず、
社会問題として顕在化もしない。
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話をもとに戻す。

自分が問題飲酒者だと認め、専門的な医療ケアを受けても、
10年後に生き残るのは1.7%。
100人中、98〜99人が再発するのだ。

またやり直せばいいのだと、周りは言うかもしれない。

しかし、この病気の最大の特徴は、
断酒に失敗し、もとの「アル中」に戻った者に対する
視線の冷たさだ。

「人間失格」のレッテルを貼られるとも言える。

そしてそのレッテルは、
最初から断酒しなかった人にも、
9年半断酒した人にも、同じように貼られる。
見かけに差はないのだから当然である。

しかし、
もしもこれがガンなら?心臓病なら?
人々は再発した人に人間失格のレッテルを張るだろうか?

同じ病気でも、古くからの偏見には、世間も患者自身も、
とても無力だ。

多くの断酒中アルコール依存症者は、
これまでの人生で、自分が傷つけてきた人たちへの
申し訳なさに押し潰されそうになりながら生きている。

再発(再飲酒)した時点で、これ以上、
自分に生きるチャンスを与える気持ちは、残らなくても
仕方がないと思う。

依存症者100万人の5%に残っても、
来月の予定も組むことができない。
または、約束を破るかもという前提で、予定を立てている。

もうすぐ51になる大人がこんなことでいいのかと、
泣きたくなる。

時々、ものすごく疲れを感じる。

ああ。もう本当に疲れた。

こんなことを、いつまで続けていけるのか?
もう、生きるのが、しんどいなーと思う。


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