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307 ねじれの位置


はじめに

今日の教育コラムは、大学入試に出題されて話題になっている、中学1年生の学習に関わるお話を少ししてみたいと思います。
中学1年生の数学の問題に、「ねじれの位置」を探す問題があります。例えば次のような問題が代表的な物かと思います。
(1)と(2)の問題は、簡単ですね。(3)が問題のねじれの位置を問うているわけですが、この「ねじれ」とは、平行でなく交わらない2つの直線の位置関係であることがわからないとこの問題は解決できません。
平行や交わる2直線は同じ平面上にありますが、ねじれの位置の2直線は同じ平面上にはないことも理解しておきましょう。

ねじれの問題(例題)

大学入試で

今年の京都大学、大阪大学の入試で「ねじれの位置」に関する問題が出されました。大阪大学では、ねじれの位置のそのものの定義やあり方を答える問題が出ました。
中学1年生の内容なだけに、高校の学習を中心に学習を進めていた受験生にとっては、不意を突かれたような問題だったようです。ねじれの関係を大学入試のレベルで、証明するとなるとあいまいな答え方では通用しません。
定義を忘れて、作図などをして証明することができなかったなどという声もあったことからも、よほど予想しにくい出題範囲だったと言えるでしょう。
また、シンプルな問題なだけに難しく感じた受験生が多かったようです。
ねじれの位置の定義は「平行でもなく、交わってもいない2つの直線の位置関係」と大変シンプルなわけですが、この関係性を説明するとなると意外に難しいのも理解できます。

物事を理解し、論理的に説明する力がどれくらいあるかを評価する方法は、難解な問題が解けるかどうかだけではなく、シンプルな問いをいかに分かりやすく論理的に説明できるかを見るような問題で問いかけることも大切なのだということを今回の「ねじれの位置の問題」は物語っているように思います。
それにしても、実際の問題とその解答を見てみると、すっきりと端的に説明するとこんなにもわかりやすい数式になるのかと感心してしまいました。

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