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17 G7 広島サミット(SUMMIT)


(執筆:2023.5.18)
議長国である日本でおこなわれたG7サミット(主要国会議)についてお話ししながら、リーダーシップについて考えてみたいと思います。まずは、G7について少しおさらいしましょう。G7とは「カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカ」の7ヵ国を指します。今、あげた国の順番は、議長国の順番になっているので、この順番で覚えておくと便利です。

G5と呼ばれていた時代には、先進5か国のリーダーが集まり、会議をしていました。そこに、カナダ、イタリアを加えて、1986年から開催されるようになったのがG7です。そこに、EU(欧州連合・European Union)の首脳も参加して国際会議を毎年開いています。7年に1度、日本で開催する順番が回ってくることになります。

今年は、岸田首相の地元、広島で行われるわけですが、世界で唯一の被爆国であり、原爆が投下された地である広島で世界平和や地球の未来について話し合われるということは、とても大切なメッセージとなり世界に発信されることになるはずです。ちなみに、今回のサミットで日本を訪れるG7のリーダーは次のような方々です。

〇日本 岸田文雄 首相

〇アメリカ ジョー・バイデン 大統領

〇イギリス リシ・スナク 首相

〇ドイツ オラル・ショルツ 首相

〇フランス エマニュエル・マクロン 大統領

〇イタリア ジョルジャ・メローニ 首相

〇カナダ ジャスティン・トルドー 首相

〇EU シャルル・ミシェル 大統領 / ウルズラ・フォンデアライエン 欧州委員長

このメンバーがひとつのテーブルを囲んで自由に意見交換をしたり話し合ったりしたことを文書にまとめていきます。EUの代表が加わっていることからもわかるように、できるだけ多くの意見や人々が抱えている問題を解決することを目的に話し合っていく会議なのです。

話し合いを通して、世界共通の問題や課題に対して、それぞれのリーダーが自国で何をどのようにしていくかを具体的に考えて、行動していく意思を示すことにつなげています。

ニュースなどでも取り上げられていますので、皆さんもこの辺のことはご存じの通りです。さらに関心をもった方は、広島サミットの公式ページのリンク先を掲載しておきますのでこの機会にのぞいてみてください。

さて、主要7か国以外に「招待国」として参加している国について次に紹介します。招待国は、議長国が招待する国となります。今回、議長国である日本が招待した国は、インド、韓国、オーストラリア、ブラジル、コモロ(アフリカ東部)、クック諸島(太平洋地域)、インドネシア、ベトナムの8カ国 です。

ブラジルは、日本国内の卵の値段が高くなっている今、海外からの輸入先としても候補になるほど鶏肉の生産などが盛んで、日本の輸入相手として大切な国です。オーストラリアは、日本が輸入する液化天然ガスの最大の輸入先で日本のエネルギーを支えている国の一つですし、韓国は安全保障や文化・観光の交流、経済の共同事業で重要な相手国です。ベトナムは、技能実習生の受け入れが最も多い国であります。このように、日本と深い関わりのある国が招待されています。

ちなみに、コモロは、アフリカの東部でモザンビークとマダガスカルの間にある島で、大阪府より少し広い国です。水族館や図鑑で見たことがある人もおられるかと思いますが、シーラカンスが生息する国です。コモロは、アフリカ連合の今年の議長国ということもあり招待されています。クック諸島も太平洋諸島フォーラムの議長国を現在しています。インドネシアは、東南アジア諸国連合の現在の議長国ですし、インドはG20の一つです。

つまり、主要国と招待国のリーダーたちの所属を考えれば、ほぼ地球全ての地域のリーダーが今まさに日本に集結しようとしているのです。

自らの考えを強く主張する、周囲を従わせて目的を達成する、そうしたリーダー像だけでは、これからの時代には十分だとは言えません。国際的視野にたって、多様性を理解したうえで、様々な地域や文化を背景にした人々とと関わる力が必要になります。さらに、より多くの人たちと力を合わせて「問題を解決していく力」が必要となるのです。

遊びの中で、学校の授業の中で、仲間と問題を解決するような経験をしていますか?社会の中で起きている問題の解決方法を考えてみたことはありますか?そうした営みが、知らず知らずのうちに未来のリーダーに必要な資質を身に付けていくことにつながるはずです。G7広島サミット、明日、開幕です。


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