見出し画像

518 斎藤元彦知事 明言「知事をやめるほどの問題ではない」

はじめに

86対0という異常な状況の中、斎藤元彦兵庫県知事への不信任決議案が可決されて1週間が過ぎ、期限である10日以内まで残す平日は、今日か明日となった今、斎藤元彦知事の決断は固まったようです。
今日の教育コラムは、9月26日の15時からの記者会見での知事の決断について少しお話してみたいと思います。

残された手はメディアジャック

斎藤知事はここ数日、テレビや新聞の取材に対して注文を出し、出演を重ねています。大きくは2つのこだわりがあります。「1対1」「極力ありのままを伝えるために生出演をする」というものです。
番組の中身は酷いもので、コメンテーターが居ませんのでインタビューをする人間の力加減でいかようにも斎藤知事の独断場になります。やはりフェアな放送とはならないようです。印象を向上させたい知事のこうした思惑を見透かして、斎藤知事からの申し出を拒否しているメディアもあるとのことですが、事の真相はわかりません。
いずれにしても、20日からのNHKと民放2局に相次いで出演したことについては、県庁の秘書課も把握していなかったということですから、彼自身の決断と思惑に沿った形でのスタンドプレーだったのでしょう。
孤独な知事が、出直し選挙に向けて打った手は、話題性を逆手にとった弁明と持論の展開、そして実績のアピールの場の創造だったのかもしれません。内容は、これまでの記者会見で繰り返し語ってきた「私としては正しいと判断している」「私としては頑張ってきた」という「私としては話」以上のものはありいませんでした。こうした内容になったことはテレビ局側にも大いに問題があると考えている人も多いようです。
また、事前の選挙運動ではないかという指摘も少なくありません。知事が9月26日を決断の日に選択した理由は、こうしたメディア出演のプランにも大いに関係しているのでしょう。

斎藤元彦の決断

今日の記者会見ではっきりしたことは、出直し選挙をするという決意でした。斎藤元彦知事は辞職はしないことを改めて示し、自身の正当性を徹底的に貫きました。そして、人事課の調査については私は知らない、人事課が行っている内容であるので関知しないという立場を明確にしました。
また、その上でこれまでの百条委員会の調査などで分かってきたことについても「知事がやめるほどの問題ではない」という考えを明言されました。ついに、これまで辞めるべきだと指摘してきた県民と議会に正直な気持ちを訴えることが今日の記者会見では出来たようです。
はたして、今回の問題を軽視している知事のこの発言は、今後の出直し選挙にどのような影響がでるのでしょうか。

失職後に出直し選挙を表明する斎藤元彦兵庫県知事

出直し選挙

兵庫県民ではない私のような人間が、斎藤県政が継続することに是非を判断する必要はありませんし、できません。
それは、知事選挙が県民と候補者の間における直接民主主義だからです。そこに住み暮らしている一人一人の有権者が未来をどのようなリーダーとつくっていくかを問うものだからです。
斎藤元彦兵庫県知事以上の候補者を立てることが出来なければ、いかに疑惑があろうとも彼の県政を前に進めるという意欲を評価する有権者にとってこれ以上の候補者はいないわけです。そして彼は、最強の知事として議会と向き合います。議会は、疑惑の追及を進める一方で県民の負託を再度背負った知事の政策には賛成していくことになるのです。
県政の混乱は続くでしょうし、批判の対応も続くでしょうし、何より故人への謝罪や知事の発した言葉の撤回もままならないでしょう。
何も出直せない結果を生み出す可能性ですらある、自分だけが出直せる選挙になる可能性があるのが今の斎藤知事の目指す出直し選挙なのかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?