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437 2025年度大学入試「英語に注意」


はじめに

2025年度大学共通テストの問題作成の方向性、試作問題を確認している受験生も多いかと思いますが、どのように読み取っているでしょうか。

例えば、英語ですがこれは翻訳機能や生成AIなどが広がっている現代において、書くことは様々なかたちで補うことができます。そこで、作り出した文章を読む力が必要になるのです。そのため読み解く力を重要視した問題の構成になっていくことが考えられるのです。
実際に分量の増加も見られています。読む力を問う問題の難化の傾向は今後も続くのではないかと予想できます。つける力としては、長文を早く読む力が必要になります。速読ですが、そのためにはもちろん語彙力も必要になります。この流れは、今年度入試でも見られるのではないかと思います。

大学ごとの動向

芝浦工大:英語の個別試験廃止

芝浦工大のホームページを見ると次のように書かれています。
<一般入試>
一般入試前期日程等において、英語の個別試験を廃止し、代わりに外部試験 (実用英語技能検定のCSEスコアまたは大学入学共通テストの英語科目の点数)を活用します。
下に紹介しているのが英検協会のホームページに記載されているCSEスコアの早見表ですが、1級の3400点が満点で、それを各大学がどの程度のスコアを何点として換算するなどといった形で受験時の英語の点数とします。

英検協会のホームページ

一橋大学:英語リスニングがなくなる

一橋大学ホームページより

一橋大学では、二次試験での英語のリスニングテストが無くなります。代わりに英作文が増えるのか、長文が出るのかわかりませんが、何かしらの変化があることは確定していますので、対策が必要です。
英語の試験に難しさにおいても作りにおいても定評がある名門ですので、いずれにしても受験生は一苦労することでしょう。

東京都立大:評価可能な外部英語検定試験を利用

東京都立大学のホームページを見てみると次のように書かれています。
「2025年度一般選抜の個別学力検査において、国際的に活躍できる人材を育てるため、一部の学部・学科・試験日程の個別学力検査において、高校時における4技能の習得状況を評価可能な外部英語検定試験を利用します。」

対象の学部・学科・試験日程

この説明を見ていくと、出願時に外部英語検定試験のスコアを提出したとしても、大学入学共通テストの外国語の得点が良ければ、高い方を優先して合否判定に利用できるので、一発限りの結果に左右されがちの共通テストだけを想定して受験することを考えると生徒にとっては、事前に英語のスコアを準備できる点は大きい変化です。
どのように外部評価を利用するかを英検を例に少しお話してみたいと思います。例えば、英検準1級以上を取得したときにそのスコアを東京都立大の定めた換算表に基づいて200点満点に換算します。
外部英語検定試験のスコアを未提出の生徒は「大学入学共通テストの外国語の得点」を利用するわけですが、外部英語検定試験を提出した人は次のような換算表で得点化します。

東京都立大学のホームページより
※1 英検・ケンブリッジ英検について換算はスコアのみに準拠して行い合否及び級は考慮しません
※2 TOEIC L&R/ TOEIC S&Wは、TOEIC S&Wのスコアを、2.5倍にして合算したスコアで判定します ※3 必ずしも、記載の数値通り換算するものではなく、調整が生じる場合があります

英検準1級の合格ラインである2300点付近ですと共通テスト200点満点の内170点に該当します。例えば英検1級であれば無条件で200点満点となります。これは、合格に向けた大きな力となります。

共通テスト:英語の重要性

大学入学共通テストでは、英語の4つの技能、「聞く」「話す」「読む」「書く」について対応できるようにしていくことが重要なわけです。
そう考えると今までよりも英語学習を手厚くしていく必要があるのかもしれません。「話す」「書く」については、現在の学校教育では十分にカバーできていない部分が多いようにも見えます。

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