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441 ハーフパンツとポロシャツの制服

はじめに

昨年から各地の進学校などを中心に、制服の夏服がさらに進化してハーフパンツとポロシャツの組み合わせが広がってきています。
千葉県の名門新学校の一つ、市川中学校・高等学校でも昨年から下にような制服が導入されています。熊本の学校でも導入が進んでいるとのことです。
今日は、夏の厳しい暑さの中で少しでも涼しくという考えからこうした新しい取り組みに挑戦していることについて少しお話してみたいと思います。

市川中学校 夏服 市川学園ホームページより

市川中学校・高等学校の取り組みから

みなさんもよくご存じの千葉県を代表する新学校の一つです。渋谷教育学園幕張中学校、市川中学校といった具合に中学受験で見れば、千葉県の双璧であります。
市川中学校・高等学校は千葉県市川市にある中高一貫の私立中学校・高等学校ですが、都内近郊からも多くの生徒が通学しています。進学実績は、ざっとあげただけでも次のように高い実績があります。

市川中高の進学実績(2023)

こうした実績からもわかるように、生徒たちの主体性や学習意欲の高さを学校全体が見守る、支える、応援するという体制がしっかりと構築されています。伝統を重んじながらも革新的な挑戦も多く取り組まれている姿勢も生徒に良い影響を与えています。
制服などどんなものでも同じと考える人もいるかもしれませんが、夏服をより軽装で、制服らしさも保ちながらという考え方から、学びやすさを重視したハーフパンツとポロシャツを導入しています。
また、このハーフパンツの導入は、毎年、厳しくなっていく夏の暑さへの対応だけではなく、もう一つ大きな課題への挑戦だと考えることもできます。

ジェンダーレス

「ジェンダーレス制服」という言葉がありますが、スカート、ズボン、スラックスなどを男女問わず選べるという方法を最近取り始めている学校が増えてきました。女子もズボンを選べるというようなこうした方法もある種のジェンダーレスの考え方かもしれませんが、実は、問題はそれほど単純ではありません。
私服でしたら、パンツスタイルは、「男性」に限られないものです。しかし、制服の「パンツ」は、今の時点では多くの人が男子のものだと感じている気がします。しかし、夏服の制服が性別に関係なくハーフパンツであれば、性別を気にする必要もないですし、性別に応じて制服の本質的な形状が変わることもないわけです。2色から好きな方を選んでもいいですし、夏場ですから洗濯用に2色用意して気分で履き替えてもいいわけです。
制服よりも安価で、汗のかきやすい時期だからこそ洗濯などもこまめにできる、ポロシャツとハーフパンツは、そうした機能性とジェンダーレス制服という観点からも支持を集めているのです。

学校というものは、どのような意味を持って何を子どもたちに強いるのかが問われます。価値観というものはそうした服装という文化からも構築されていくものなのです。


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