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130 給食がストップ


はじめに

全国で給食がストップしてしまうという事態が発生しています。これは、委託業者が経営を継続することが困難になり、材料の仕入れや調理する人の人件費を賄えなくなっているからです。
一定の数に対して決まった量を提供していくこのビジネスモデルが崩れた原因は、原材料費の高騰と人件費の上昇にあります。最低賃金の上昇と物価高の影響をもろに受ける形になったのです。
今日の教育コラムは、この全国に広がりを見せている学校や教育現場などで給食の提供が止まるという事態について少しお話をしたいと思います。

原因の本質

この問題の本質は、「給食費」の価格を変動させにくい状況にあります。他の一般的な飲食店と違い、社会情勢に応じて変動させるべき価格が様々な規定の基づいてタイムリーに変更できないのです。
度重なる電気料金、原材料費、原油高、輸送費の高騰、人件費の上昇は給食を支える業界の経営を圧迫しているのです。こうした状況に民間企業が対応するには、一般的には単価を上げるなどの方策をとるわけですが、これがかなわないのです。
だからこそ、地方自治体や国の行政が国民生活に直結するこうした問題に迅速に対応するべきなのです。しかし、予測できる事態に対しても対応が遅いのが我が国の悪い癖です。
物価高はもう数か月前から問題として発生していることです。給食費の全額補助を進めている地方自治体も存在する中で、自己負担を継続している自治体は、特にこうした不測の事態が表面化した時点で臨機応変に対応する必要があるのです。

自助・共助・公助/公助・共助・自助

私たちは、自分に降り注ぐ災難については、主体的に物事を考えることができます。しかしながら、他人の不幸はさほど関心がもてない生き物です。今回の給食の停止の問題は、子どもだけではなく自衛隊や警察などの公の機関にまで影響が出ています。
温かい食事を提供してもらえる環境は何事においても重要です。やる気や安心にもつながりますし、日々の食事の心配がなくなるだけで家族も助かりますし、自己の安定にもつながります。
なぜ、そうした苦労や心配に「まずは公助」という意識が向かないのでしょうか。諸外国への支援や増税を叫ぶことと同様かそれ以上に学びの場で給食の提供を待つ子どもたちに、企業が安心して食事を提供できる補助や支援の体制を一日も早く望みたいと思います。
生きるということは、食から始まります。そのことを私たちは真剣に考えなければいけません。

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