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コロナだからこそ働き方改革じゃね?

ニュースもネットもコロナ一色。こんな中では「働き方を変えろだぁ?そんな場合じゃねえぞ!」という方も多いかと思います。

ですが、ごとうは「こんなタイミングだからこそ変えていくべき」と思いますし、既に何らかの対策を取られていた組織は、引き続きそれを継続していくべき、今まで有耶無耶にして何もしてきませんでした!という組織もこれを機に取組を始めるべきと考えています。

だって、今はまさに転換期。教科書でルネサンスとか産業革命とか見てきたでしょ。あれと同レベルの事案が起きていると思っていいです。それくらいに、色々塗り替えられそう。

コロナショック後に、再び事業を継続できるのか。そこを見据えてどのように組織を組み上げていくのか。そして未来の地域をどう作っていくのか。その参考にでもなれば幸いです。

在宅は難しいのか

人との接触を最低7割に削減し、原則在宅で出来ることは在宅で。政府から緊急事態宣言該当箇所の企業組織へのメッセージです。その流れで、これまでも様々働き方改革界隈で言われてきた「在宅勤務」が脚光を浴びています。

一方で在宅では厳しい…という業態も多いです。工場等のライン勤務であったり、医療系のような業界ですね。将来的にはRPAも…という話もありますが、それでも今すぐ!とはいかないでしょう。

また、地方で暮らしていると、「コロナで騒ぐのは首都圏の話だ」なんてセリフを見舞われることも少なくはないです(むしろ多い)。

幸い、僕の住む岩手県は、未だ感染者ゼロ。とはいえ、今後本格的に感染が蔓延するようになったら、知事から様々な要請も出されることでしょう。その時、ここはどうなるんだろう?と思って少し考えてみました。

岩手VSコロナ

まず、岩手県内の事業所。要は働く場をザックリと見てみます。

※【出典】RESASより下記再編
総務省「経済センサス-基礎調査」経産省「経済センサス-活動調査」

小さくて見づらいですが、右下のグリーンは農林業・ゴールドは金融保険・シアンはIT、グレーは採掘等、オレンジはその他に該当します。

では今度は東京を見てみます。

※【出典】RESASより下記再編
総務省「経済センサス-基礎調査」経産省「経済センサス-活動調査」

目立った違いといえば、情報通信業の割合と、岩手には鉱石採掘業等があるということ(全体割合にしておよそ1%程度ではある)、東京は不動産関連の割合が高いということですね。

でも、よく言われる「地方だから第1次産業中心だ!」とか「東京だから何でも在宅できる仕事ばっかり!」と言う訳でもなさそう。全体割合が何かに大きく偏るというような傾向は2県には見られません。

という事は、「うちの業態では在宅できません」という話は、別に首都圏特有の話ではなく、割とどこでも起こりうる話という風に考えられます

結局、「ウチは田舎だから」「ここは岩手だからテレワークなんて無理~」なんてのは、思考停止以外の何物でもないってことなんです。要は「どうしたらできるのか」を考えなきゃいけないよねってこと。

出勤7割減は、感染拡大防止に向けたアクション。それをどう実行に移すのか…を考えてみることが大事です。

とは言え、そうしたアクションを全体で一気に…というのは逆に混乱を招きます。ですので、まずは有志のタスクフォースのみ、とか特定の課を指定して行うのがいいでしょう。これは地域限らず出来ることです。

それを日頃からやってこなかったから、こうした有事にパニックになるんです。

問題は道具より「人」

一方で情報通信業の少なさは、インターネット関連の設備利用率にも影響するように思えます。例えば全国のインターネット利用率を見てみると岩手県は最下位です

※(出典)総務省「通信利用動向調査」

利用率の低差が目立つ地方は他にもありますが、ほぼ全てが「高齢化が進んでいる」という地域ですね。

年代別に見ても、高齢世代の使用率の低さが目立ちます。

※(出典)総務省「通信利用動向調査」

脳機能が衰えると、新しい文化やツールを学ぶ・受け入れることへのエネルギー消費が大きくなります。よく高齢者が「ITなんで面倒だ」「今まで通りでいい」「昔は良かった」と口にするのは、変わらない方が燃費がよく生活できるからです

また、併せて中小企業庁のHPで経営者の年齢推移を見てみましょう。

中小企業の経営者年齢の分布について見てみると1995年の経営者年齢のピークが47歳だったそうですが、2015年のピークは66歳となっており、経営者年齢も高齢化が進んでいると言えます。

そこに先ほどのITの使用率が重なるとどうなるか。

「会議は対面でなければならない!」
「誰よりも長時間出社している奴がエライ(仕事の成果はさておき)!」
「耐え忍ぶ事が美しい(ちゃんと年功賃金や終身雇用で守られてたから)!」
「正しい決裁手順を守ることが一番(緊急時の対策はさておき)!」

なんてセリフが横行し、結局組織の未来のための戦略だったはずが、いつの間にか上司のご機嫌取りや、本質とは離れた目的達成にすり替わってしまうかもしれません。

※ノルマノルマで、売りたくもない商品を売るとか典型ですよね

そんな感じで、会社組織を率いる側が「俺の時代はな!」「この仕事はこうしなければならない!」等とのたまうような環境であれば、テレワークも「手抜きの手段」「権利の主張」と捉えられることもあるでしょう。

まぁ、いつまでもその戦略で戦えるのなら楽でしょうけど、今Windows98で仕事しろと言われたら出来ます?無理ですよね。

人手もますます少なくなる中で、多くの企業が「対コロナ」も意識しながら、それぞれが社会的なミッションを果たそうと懸命になっています。

ですがその一方で、これまで通りの「満員電車に揺られ」「決裁のためにハンコを付き」「会社の命例ならば地獄の果てまで出張する」ような働き方を変えることが出来ないうちは、防げるものも防げないのではないでしょうか。

東京での爆発的な感染拡大には、メディアが若者がどうこう言う以前に、こうした日本の商習慣・労働習慣が最大の要因です。それを変革できないうちは、いつまでも感染・遅延・両立不可等、様々なリスクの温床となると考えていいでしょう。

コロナショック@岩手に備えて

ここで、改めて、自粛要請後の様子を見てみます。まずは東京。

塗りつぶされた箇所が、自粛要請・時短要請を受けた業種です。
※小売については、スーパー等も含むと鑑み、ザックリとではあるが半分にしてみました

色が残っている所が、「ニンゲン」の出社が必要・生活維持のために稼働が必要とされた業界。医療現場や、生活サービスが主なところ。

岩手もこれに準じた内容で宣言が出されたとすれば、こんな感じになります。

まだ緊急事態宣言や出社自粛のようなお触れは出ていませんが、仮に首都圏と同程度の要請が出されるとなれば、およそ半数以上の事業所が影響を受けることになります。

そうした状況に順応できるか。それともただ状況に飲まれ、資金繰りも従業員定着も出来ずに消えていくか。今多くの組織がその分かれ道に立っていると思います。

さらに。これは岩手限定ですが、仮にこのまま思考停止が続けば、首都圏以上の深刻な問題が発生します。

医療崩壊@岩手

岩手県は、医師偏在において「全国1位」です

※出所 厚労省資料

看護師不足も相まって、圧倒的に医療崩壊のリスクが高いですね。加えて、コロナの発症者の中で重症化すると言われているのは、圧倒的に高齢者が多いです。

※出所 福島中央テレビ特設サイト

まずはこれを「共通の地域課題」として、共有する必要があります

サイコパスならまだしも(いや、ダメだけど)、普通の組織人であれば、このヤバさが分かるかと思います。だって、そもそもビジネスする土壌がグッチャグチャになるんだから。

こうしたリスクに備え、自社では何が出来るのか…と考え、行動に移していかなければなりません。でも、それだけ言っておきながらも思考停止に打ち勝つのは難しいでしょう。

だからこそ、原点回帰をお勧めしたいです

よく講演や研修の場でもお話する内容ですが、そもそも仕事には「本質的な目的」があります。全てのプロセスはその達成のためにあると言ってもいいですね。

そのため、より本質的な成果に直結する仕事に重きを置いて、優先度の吟味や負担の大きなプロセスの簡易化が求められます。極端に言えば、成果に繋がらない仕事は無駄という事です。

今回のコロナを機に在宅してみたら「あれ、あの仕事って実は無駄だったんじゃないか?…」という声が聞かれたり、仕事の進捗のさせ方や管理のあり方、コミュニケーションといった様々な面で「これまでのやり方って…」と疑問が持ち上がっています。

ハンコとか、起案”書の作成作業”はいい例ですね。

この際だから、世の中全ての事業所で「何のためにこの仕事をしているのか」を再確認し、そのために変えること・残すことを吟味してみるといいのではないかなと思います。

そして、それをけん引するのが、僕がこれまでもあちこちでお話してきた「イクボス」の大きな役割の一つだと思います。

現にインターネットニュースなどで今回のコロナ対策を評価されている知事さんとか、共通項はないのかな…と思ってみてみると、ほぼ全員が「イクボス宣言」され、履行されているメンバーでした。

こうした有事に、違いって出るんだなぁ…と感じてます。

さいごに

出勤しなければならない業態であっても、工夫次第で業務は改善させられます。コロナでいつも以上に様々な制約を抱えることを余儀なくされた人が多い今だからこそ、みんながハッピーになるために何をするのか。

それを考えられる視座を持っていたいですね。






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