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「売ってるよ」って言わないよね。

雑貨屋でふらふらいろんなものを見ていたら、
小さい女の子がお母さんに

「ねえ見て!!これ300円で売ってるよ」

と。
お母さんは、へー、とかなんとか言ってやり過ごしていたけど
私の中には何か引っかかるものがあった。

しばらく考えて、やっと違和感の原因がわかった。
「売ってるよ」だわ。

私たち大人は、「これ〇〇円だって」としか言わない。
「売っている」のは当たり前だから。
でも、小さい子ってけっこう、「〇〇円で売ってる」って言い方をする。
私もよく言ってた。

なんでだろう。
たぶん、「売っている」ことに対しての感覚の麻痺を、
小さい子供はまだ体験していないから。
お店に並んでいるんだからそりゃ売り物でしょう、という
固定概念に囚われていないんだと思う。

幼稚園の頃、よくお店屋さんごっことかレジごっことかしていたけど、
(私はレジの「ピッ」てなる機械が大好きだった)
そんな世界では、大人のような
「来店→陳列を見る→手に取る→会計」の常識が通じない。
「これください」「あのね、これ売り物じゃないんですうう」
「えっ、じゃあ、えっと、これちょうだい」「これね、いちまんえん」
「えーーーーーー」

みたいな世界なわけで。
(一万円もする「これ」は枯れ草とかそんなものだけど。)
売ってくれる、ちゃんと買えた、っていうことに新鮮味と喜びがある。
だから大人とことばの使い方が違う。

そんなことを考えながら、ポストカードを探しました。
200円くらいで「売ってる」、良い柄のがあれば買おうと思います。

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