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「人は病気を治すために生きているわけではない」

※月1〜2回、不定期でコラムを投稿しております。
※こちらのコラムは私の主観です。全医療者や医師の意見として受け取らないようにご注意願います。

こんにちは。
全女性にとっての心の拠り所を目指す産婦人科医。
どうも、さいこうです。

今日はいつも以上に医師らしい内容となっております。

それでは、どうぞ。

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私は、日常的に様々な患者やその家族の診療を行う中で

“どうやって患者をより幸せにできるか”
ということを常に考えながら過ごしているが、

こちらが思う最適な医療を提案した際に

「先生の言いなりになるために病院に来ているわけではない。自分の事は自分で決めさせてくれ!」
「病気を治すためだけに生きているわけではない」
「それは病院側の価値観の押しつけではないのか」

というような怒りや非難の言葉を受けるときがある。

そのような言葉を受けるたびに、
どう関わることが患者の幸せになるのか、と考えさせられる。

今日は医師4年目に突入した筆者が現時点で考える、
「患者の幸福度を高めるためのよりよい関わり方」
について話していきたい

※「十分に時間がある」ことを前提としているため、緊急性が高いときは別である。

➀ 医療者と患者が同じゴールを共有し、確認しながら前に進む
どの業界でも言われることだが、

どんなに最先端で良質なサービスを提供しても
相手が求めていないものに価値はない。

当たり前であるが、
医療の場合は「健康や人の命」といった特殊なものを扱っている影響か、
この「当たり前の事実」がおろそかになることが多い。

ここでのゴールとは
“患者が医療者に何を求めているのか” を指す。

最初の段階で、双方がゴールを共有し、
前へ進みながら逐一確認し直せる(これが重要)と
すれ違いが起きる心配がない。

② 患者の幸せが第一だと考える

日々の診療の中で、いま提供できる最適な医療を行うことが最も重要であり、
多くの場合、それが患者の幸福に繋がる。

しかし、時として
“我々が提供したいと考える最適な医療と患者の幸せが一致しない”
という状況が発生する。

これは完全に私の持論であるが、

「可能な限り最適な医療を提供すること」と
「患者が幸せであること」が相反したときは、

後者をベースにするようにしている。

具体的には、
患者が「幸せだ」と思えることを最大限尊重しようという姿勢をもち、
その上で、よりよい方向に進んでいくために医療のプロが情報提供をする。

そうすることで、
患者が思う“100%の幸せ”を110%、120%に増やしていくという考え方である。
この立ち位置を意識することにより、患者自身が主体となり前に進める医療を提供できるのではないか。

これが現時点での私の考えだ。

「人は病気を治すために生きているわけではない」

以前指導医にも患者本人にも言われた言葉だが、
本当にその通りだなと改めて痛感する毎日である。

今後も様々な経験をしながら常に考えをアップデートして
「患者の幸せ」について引き続き考えていきたい。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

良ければスキやコメントなどお待ちしております✨

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