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窃盗症(クレプトマニア)の苦しさとは

今日もD・M・Wの記事をご覧になっていただき
本当にありがとうございます♪

数多くの記事の中から、我々の投稿をチョイスしてくれている、あなた👍
気が合いますね😁 これからもよろしくお願いします。
さて、今日は我々D・M・Wの得意分野のひとつ「依存症」の中から
窃盗症(クレプトマニア)について取り上げようと思いますので
最後まで読んでいただけると嬉しいです♪


窃盗を繰り返す方が心療内科(通院)を勧められる

さて、今回の記事は、臨床心理士のつねちゃんが中心に述べます。
私は、15年以上前から、依存症の患者さんと接しています。
窃盗症の患者さんともお会いしてお話ししていますが、
ここ数年、そうだな、5、6年前から、増えてきたような気がします。
というのも、最近の傾向として、
警察と弁護士の方々が通院を勧めてくれるということが増えてきました。

警察や弁護士の方々が

「繰り返さないために、通院してみたらどうか。
 もしかしたら依存症という病気が絡んでいるかもしれないから」

と紹介してくれるようです。
ありがたい話です。
依存症が絡んで再犯をしている場合は、
刑罰だけではうまくいかず、治療が必要な場合が多いです。

そして、
紹介していただいた患者さんが、再発・再犯を繰り返さずに
無事に生活しているということを弁護士の先生に伝えると
喜んでくれる先生もいらっしゃいます。

このように警察や弁護士の方々をはじめとする、
周囲の方が「犯罪者」という目だけで見るのではなく、
治療が必要な「患者」という目で見ることも大事だと思います。


窃盗症(クレプトマニア)ってどんな病気?

窃盗症。これは簡単に述べると、
「窃盗(モノを盗む)」という行為が止められない、という症状です。

間違えないで欲しいのは、
窃盗を繰り返す人の全てが窃盗症ではありません。

病を患っている人は、「止めたいのに止められない」が強い感じです。

お金に困っているわけでもない、その「物」が欲しいわけでもない。
でも「盗む行為」がやめられないのです。

例えば、スーパー、コンビニ、ドラッグストア、本屋、百円ショップ・・・そういったお店にて「商品を盗む」という行為が止められないのです。

「まさか、そんなことがあるかいな?」
そう思う方はいっぱいいると思います。
いるんです、その症状で苦しんでいる人が。

私の経験上、女性が若干多いかな?
年齢は、高校生から70代の高齢者までいます。

盗みたいわけじゃないのに、盗んでしまう・・・
盗む前に独特な緊張感があり、
盗んだまま店を出ると独特な満足感や解放感があり、
その後、とてつもない強烈な罪悪感がやってくる・・・

盗んだ数分後に公園のゴミ箱に盗んだものを捨ててしまう人もいます。
「モノ」が欲しいというよりは「盗る行為」がやめられない、
という感じです。

症状が長い人は、感情の動きが大きくないタイプもいます。
緊張感、高揚感、罪悪感、それらが次第に波が小さくなるタイプもいます。また、盗む前後の記憶がない人もいます(解離と呼ぶ人もいます)。

これは「依存症」あるいは「嗜癖」と呼ばれる状態です。
摂食障害や、強迫性障害の苦しさとも近いです。

依存症は、「心の病気」と言われますが、
私は「自律神経失調症」だと捉えています。

そう捉えたようが回復する人が多いから、そう捉えているのです。
プラグマティズム(道具主義)の発想です。

つまり、交感神経の優位な生活が長時間続くと、
充電が必要な時に動く神経(副交感神経)に
急激にシフトする必要があります。
そのシフトの方法のひとつに「嗜癖行為」が出るという風に、
考えています(その方が役立つから)。

臨床上、大切にしていることの一つに

「病気」と「本人」を分けるということ

が挙げられます。

そして、本人も「症状」と「本人」を分けて捉えられるように支援する、
ということが大切だと思います。

そして、
「症状」がありながらも何とか日常生活を取り戻そうとしている「本人」
何とか日常生活を維持している「本人」
その本人さんをねぎらい、エンパワメントできるといいなと思います。

つまり「モノをとってしまう行動や衝動性」は症状です。

そして「本人」は「窃盗行動や衝動性」という症状を抱えて、
その症状と戦っている、という構図なのです。

そのため「好きで盗っている」「意志が弱いだけ」という評価は、
めちゃくちゃ苦しいんです。

誤解を恐れず表現すると
「モノを盗ってしまう自分」は「自分じゃない感じ」なのです。

リストカットをしてしまう方もいます。
「この手さえなければ、窃盗しないのに」
という気持ちから切ったようです。

盗ってしまった罪悪感から自殺未遂をした方もいました。
窃盗症で来院される方の多くは、
警察沙汰になり、お店にも家族にも迷惑をかけた、
と罪悪感でいっぱいです。

うつ病、うつ状態を併発している人も多いです。
というか、併発している人が「窃盗症」としてもいいくらいです。
(あくまで私見)
多くの人が、窃盗症を発症する前後に、
相当なプレッシャーになる環境にいます。
仕事のプレッシャー、家庭内のプレッシャー、など。

窃盗症だけじゃないな。
いろんな依存症が発症するときは、
かなりのプレッシャーやストレス環境がありますね。
「窃盗行動」の「衝動性」と戦っている状態。
その「衝動性」がいつ爆発するかわからない不安と戦っている状態。
その症状や衝動性がわかりにく、
わかってもらえない症状を抱えて孤独と戦っている状態。

そういう状態にいる方達なのです。

ロボカーポリーから窃盗症の症状と辛さを学ぼう

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この窃盗症(クレプトマニア)の症状の理解に
少し役立つアニメを見つけました。

「ロボカーポリー」というアニメです。
パトカー、消防車、救急車といった「働く車」たちが、
色々な事件を解決する、というアニメです。

そのアニメの連載中の中に「友達を信じて」という回があります。
簡単なあらすじを紹介すると

『タイヤ屋さんに泥棒が入り、タイヤが盗まれた。パトカーを扮するポリーたちが、泥棒を探し出す。すると容疑者(容疑車)が現れるが、なんとその容疑者(スプーキー)、ある日から「タイヤを吸い付けて体にくっついてしまう」という特徴(症状)が生じてしまう。
つまりタイヤを盗みたくて盗んでいるのではなくて 「タイヤ吸着」という「症状」で 苦しんでいる人(車)だったのだ。
 しかもその「タイヤ吸着」は アノ影響だった!』

というあらすじです。

この最後の「アノ」というのが気になる人は
以下↓の動画で確認してみてくださいね😄

ロボカーポリーの動画(友だちを信じて)

この回のロボカーポリーの物語と、
「窃盗症」という病を患っている人の物語と
かなり近い悩みの体験を表現しているように思います。

つまり本人が一番悩んでいるんです。

「なんで僕の体はタイヤを引きつけてしまうんだろう」
「なんで私の体はモノを盗る衝動が治らないんだろう」


この「ロボカーポリー」のアニメでは、登場人物の仲間たちが、
盗んでしまったスプーキーを「信じる」ということで、
支えていく話に展開していきます。

ぜひこの回のロボカーポリー(友達を信じて)を
ご覧になっていただきたいです😀

窃盗症で苦しんでいる人も「盗りたくて盗っているわけではない」。

この気持ちが理解されにくいところでありますし、
理解して欲しいところです。

ロボカーポリーの登場人物たちのように
「この病をなんとかみんなで乗り越えよう」と言ってくれる
『仲間』の存在がいると相当相当助かります。

周囲に窃盗症で悩まれている方がいる方は、
ぜひ、この投稿をお伝えください。

周囲に窃盗症で悩まれている方がいない人でも
この投稿にご興味がある方がいたらシェアして欲しいです。

そクレプトマニアを抱えながら社会貢献を頑張っていらっしゃる一人に
元マラソンランナーの原裕美子さんがいます。

その方の体験記も参考になると思います(以下のリンクを参照)。

原裕美子さんの特集(NHK)

最後に、一応、診断基準も紹介しましょう。
A:個人的に用いるのでもなく、またはその金銭的価値のためでもなく、物を盗もうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される。
B:窃盗におよぶ直前の緊張の高まり。
C:窃盗を犯すときの快感、満足、または解放感。
D:盗みは怒りまたは報復を表現するためのものでもなく、妄想または幻覚に反応したものでもない。
E:盗みは、行為障害、躁病エピソード、または反社会性人格障害ではうまく説明されない。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

重ねて、今回の投稿が参考になった方は
ぜひ必要な方にシェアをして欲しいです。

窃盗症で悩む人が少しでも楽になることを願っています。


我々D・M・Wの対談動画があります。
動画はこちら
ぜひ、ご覧ください😄

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