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特別支援学級の担任って①

朝晩とっても涼しくなって
秋なんだなと実感する今日この頃。
そうするとやってくるのが
異動希望などの人事の調査。

教員採用試験やら校長教頭試験やらの
結果が出そろうと、
どの駒をどう動かそうかと
教育事務所が頭を悩ませるのです。

そしてそれに伴い、
学校の中では、
誰が出入りして、
そして来年度誰にどのクラスを持たせるのかを
校長先生が頭を悩ませるのです。



私は普通の公立小学校の
特別支援学級の担任をしております。

ちなみに免許は、
中1種外国語、高1種外国語、小2種の免許をもっています。
特別支援の免許はありません。

特別支援って
専門的な免許がいるんじゃ?
とお思いの方もいるでしょうが、
一般的な公立小学校だとあまり関係ありません。
特別支援の免許をもっている方は、
特別支援学校の方へ配属されていきます。
普通校ではもっている方は少ないです。
なってから、気休め程度の
特別支援学級初任研修をして済ませている状況です。

なので、誰もが特別支援学級の担任になる
可能性があると言えます。

では、もしあなたが教員で
特別支援学級の担任を命じられたら?
毎年、3 月 20 日あたりに
来年度の人事について、校長から話があります。

9月ごろに出した自分の希望通りになることもあれば、
そうでないことももちろんあります。
自分がどう感じようが、
校長の命令には「はい」と言うしかありません。
それが、従業員の、サラリーマンの使命です。


今回は
特別支援学級の担任について
話をしてみたいと思います。


さてまず、特別支援学級を語る上で
外せないのが発達障害に対しての理解です。
そもそも発達障害とは?
と聞かれたらどんなふうに答えますか?

発達障害とは、
「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と発達障害者支援法で定義されています。

よく大まかには3 つに分類されます。

①自閉症スペクトラム(ASD)
 (自閉症・アスペルガー症候群・広汎性発達障害)
自閉症スペクトラムは、自閉症スペクトラム障害や自閉スペクトラム症と表現したりします。
・コミュニケーションが苦手
・こだわりが強い
・思い通りにいかないと気が済まない
・感覚過敏または鈍感
・相手の気持ちを理解することが苦手
・想像力に乏しい
・視覚優位
・聞き取りが苦手
などなどの特徴があります。

②注意欠如多動症(ADHD)
注意欠如多動症は、注意欠如多動性障害や注意欠陥多動性障害と表現したりします。

・忘れ物が多い
・周りの状況が読めない
・思いったったらすぐ発言&行動
・ 聞き取りが苦手
・目に入ったものに気がいくと、
 今しようとしたことを忘れてしまう
・落ち着きがない
・同じ姿勢を保てない
・じっとしていられない
・自分のことばかりしゃべり続ける
などなどの特徴があります。

●学習障害(LD)
基本的には知的発達の遅れはないが、字を読むこと、字を書くこと、文章を構成すること、話すこと、計算すること、推論することなどが他と比べて特に苦手という特徴があります。 近頃ではディスレクシア(読字障害)の方も増えています。

★発達障害者支援法には入っていないですが
「知的障害」もあります。
知能指数(IQ)において同学年の平均を100としたとき、
4つに分けられます。
①50~70 が軽度知的障害
②35~50 が中度知的障害
③20~35 が重度知的障害
④20 未満を最重度知的障害
70~80 はグレーゾーン(境界域)です。



では、特別支援学級の担任を命じられたら・・・
まずは子どものことを理解するように努力すること。
そして保護者と寄り添うこと。
と私は教えてもらいました。

保護者や特別支援教育に携わっている方々が
口々にこう言っています。
「一番子どもにとって迷惑なのは、熱心な無理解者だ」

なんと厳しいお言葉。

もちろん、やる気はないよりもあるほうがいいです。
子どもが嫌いよりは好きなほうがいいです。
でも、
子どもの心情や保護者のことを考えずに、
自己満足になってはいけません。

私個人の意見ですが、残念なことに、
この「自己満足で終わってしまう熱心な無理解者」が
学校の先生の中には少なからずいます。

悪気はないのです。
いつも子どもたちのために
一生懸命に取り組んでくれています。
でも結局は自分の評価のため、
「ここまではやりたい」という
自分の目標達成のために、
児童生徒を自分の言うとおりに動かしたり、
自分の一方的な考えを押し付けていたり…

書いていて耳が痛くなりました。
私もそうでしたから…

通常学級ではそれでも通用したかもしれません。
(実際最近通常学級でも通用しませんね…こういう方は)
障害を持っていない児童生徒は、
空気が読める子が多いです。
先生の言ったとおりにしておくほうが
怒られないこともちゃんと知っています。

先生が「良い」としたことは
「そうなんだ」と素直に受け入れてしまいます。
洗脳することは案外簡単なことだと思います。

それが特別支援学級では通用しません。
経験上ですが特別支援学級に在籍している児童生徒は、
それぞれにカスタムされた「敏感センサー」を
もっている子が多いです。
自閉症の子はコミュニケーションが苦手だ。
気持ちが分かりづらいんじゃ?
たしかに一般的にはそう言われています。
しかしセンサーを見事に使って
「先生が自分のことをどう思っているのか」
「この先生はどんな人なのか」
「先生は自分のことを理解しようとしてくれているのか」 「先生はいつでも自分を助けてくれるのか」
「自分が嫌がっていることを無理矢理やらせないか」
と探ってきます。
彼らはとても純粋です。素直です。建前はないに等しい。
なのでごまかしは通用しません。

子どもが座ってくれなかったら、
もし、子どもが教室から脱走したら、
子どもが叩いたり、噛んだり、引っかいたりしたら、
大声出したり、泣いたりしたら、
子どもが教材に手を伸ばさなかったら、
子どもがコミュニケーションを閉したら、
それは担任の無理解が原因かもしれません。

子どもたちはとてもするどいです。
だからこそ、上のような困ったことが起こったら
その状況を素直に受け入れるんです。

子どもが悪いんだ。障害のせいだ。と片付けないで、
なにがいけなかったのかを
ひとつひとつ取り上げ、改善していくんです。
そしてまたうまくいかなかったら、
再び反省、改善と繰り返していきます。

「特別支援学級の担任はね、
 スペシャリストであれ。特別支援は学校の要なんだ。」
10年前初めて特別支援学級の担任をしたときに
主任にいただいた言葉。
くじけそうになったり、
ムキー!となったときに心を落ち着ける言葉です。

よろしければサポートよろしくお願いします。授業準備に使用し子どもへ還元します♫