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子供たちへ贈る、さいごのアルバム

パソコンのなかの写真を、断捨離することにした。

子供たちが中学を卒業した頃に、ために溜め込んだ写真を整理し、BOX型のポケットアルバム数セット分にして、息子と娘にそれぞれ渡した。

それ以上は写真を撮ることはないだろうと踏んだのだ。

その時、実両親、義両親と、当時まだ生きていた母方の祖母にも写真を整理したポケットアルバムを渡した。

特に祖母と実両親は、めったに会わないひ孫、孫の姿に喜んでくれた。

あれから七年ほどたつが、意外にもそれからも写真は増えていった。

スマホではなく、デジカメで撮ったもので、ずっとパソコンに保存。

どんどんと溜まっていく写真が気にはなるけれど、なかなか手つかずでいた写真。

フォトアルバムにしようとは決めていたけど、なかなか重い腰があがらなかった。

先日、不意に仕事が休日になって思い立ち、フォトアルバムを作ってくれるサイトを見つけ出し、作成に取り掛かった。


作成に至るまでには、「アップロード」だとか「ドラッグ&ドロップ」だとか「レイアウト」だとか、カタカナがいっぱい並んで不安だったが、思ったより簡単だった。

作成に至るまでに、パソコンを扱う上で勉強になったことが、またひとつ増えたのは嬉しかった。


息子のものは24枚ものの、娘のものは48枚もののフォトアルバムに仕上がったが、選んでいく過程も又幸せで、これが子供たちへの愛情に直結するのかなとも思った。


結局、作成にかかった時間は、わずか1時間あまりのことで、もっと早くにすればよかったと思ったくらいに簡潔に終わり、1週間ほどで無事に私たちの分も合わせて4冊届いた。


特に娘が、義父母と成人式の時に撮った写真は感慨深い。

「じっちゃん、こんな格好やのに・・・」

「ええねん。ええねん。義父さん。孫と一緒に写るってことが大事なんよ。
娘に、じっちゃんばあちゃんと撮った写真が残るってことが大事なんよ」

「そうかそうか」と言いながら、庭に出てきてくれたのが、つい最近のように思えるが、今となっては懐かしい。


娘をはさんで義父母と撮った4年前の最後の写真


撮っておいて良かった。

残念ながら、今回に限っては、息子と撮った写真はなかったが、息子は幼い頃にたくさん義父母と写った写真がたくさんある。

娘は、義父母と写った写真がそうなかった。

今回さいごになるかもと、意を決して、義父母に誘いをかけたのは私。

18年生活を共にした義父母との写真がないのは、寂しい。


娘の心内は分からないが、私はそう思った。


私は今まで撮ってきた写真を整理するとき、「スマホ(デジタル)写真」ではなく「アルバム写真」にしてきた。

最初は、写真屋さんで現像してもらい、その後はネットのサイトでデジカメで撮ったものを写真にしてもらった。

私自身、写真を見ることはそうないが、年老いてゆっくり写真を見る時がきたら「アルバム写真」かなと思ってのことだ。

スマホの画面は、私にとって見にくい。

三人兄弟の長女であるわたしの写真は、弟、妹と比べものにならない位に、数多くあったが、実家をでる時、乱雑に仕舞われたなかから、数十枚だけ抜き取って自分でアルバムに整理した。

子供たちへは、それぞれの写真を整理して渡したいと思って、幼い頃から兄妹別々にアルバムにしてきて、それぞれ中学を卒業するころに渡した。


もちろん私たち夫婦の、アルバムも作ってきた。

私たちが、写っているものは少ないが、子供たちが写っている写真を焼き増ししたものも加え、今となっては、BOX型のポケットアルバム6冊分(6ボックス分)になった。

独身の頃の写真は、 BOX型のポケットアルバム1冊分(1ボックス分)だ。

あとは、息子と娘それぞれ誕生当時の写真が、大容量の貼るタイプのアルバムに、1冊ずつ収められているが、「かさ」をとるので子供たちには渡していないが、最終的には子供たちに渡そうかな。


BOX型のポケットアルバムに整理したものと、今回のフォトアルバムと合わせ、いつか伴侶となる人と一緒に見てくれたらいいなと思う。


ちなみに、今回のフォトアルバムのさいごは、あえて私たち夫婦ふたりの写真にした。


アルバムを渡すことにしても、フォトアルバムのさいごを、私たちの写真にしたことも、親のエゴかもしれないが、何かしらを感じてくれるといいな。


私の祖母や、実両親へ、子供たちの写真が載ったポケットアルバム数冊分と同じものを、「年をとったら、いつか見てね」と、義母に渡したにもかかわらず、趣旨が理解できなかったのか、それをそのまま娘伝いに返ってきたときにはショックだった。

義両親と一緒に写った写真を、たくさんピックアップしてアルバムにしたのに。


「私たちが持っているアルバムにも同じ写真があるし、こんなん燃やして捨ててしまおうか」と、憤りを抑えられず、当時夫にあたったのを覚えているけど、その写真を、いま、認知症の義母に見せたらどんな反応を示すのだろうか。


大学の時の下宿を始まりに、就職と同時に一人暮らしをすることになった娘は、家をでて5年以上たつが、滅多に帰ってこないこともあって、他の孫とおなじで、義母の娘に対する記憶もあやふやだ。

あの時何を思ったのか、「オレが貰う」と夫が言ったので、結局捨てられなかったポケットアルバム。

きっと、まだ押し入れにあると思うけれど。


今回は、心置きなくパソコンの写真は断捨離できた。
パソコンがちょっと軽くなった気がする。

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