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夫婦のあいだで、何もかも言えば良いというわけではないけど。

とりあえず、言わないことで、精神的に追い詰められたり、夫婦の関係が悪化する場合は、「当たって砕けろ」ではないけど、とりあえず、言ってみるのが大事だ。


特に若いころ。新婚時代。


結婚年数が長くなると、それを踏まえて、あきらめの境地に入って会話が減っていくか、言って良い加減が分かってくるか、どうしても分かってもらう必要があることは、言い方が分かってくるかになってくる。

私は、出会って半年ほどのスピード結婚だった。

だから、主人とは、喧嘩を一度もしないうちに結婚した。

唯一、身内で私の結婚を反対した、母方の祖母は、


kakiemonは、燃え上がっているだけで、何も見えてない。


と言ったのは本当だった。

結婚後のことは、覚悟できているようで覚悟できていなかった。

いざ、結婚生活がはじまって、それが「日常」となると、想像もしないことが次々とおきて、耐えられなかった。

最初は、自分で決めた、「農家&義両親との同居」だからと、我慢で通そうと思った。

それまで、そうしてきた通りに。

だけど、それまでは、何事も我慢してきたようで、最終的には逃げ道があった。

今度はそうもいかなかった。

それでも、2年余り、誰にも何も言わないまま、我慢で通した。

もともと、弱音を吐くのが苦手だったり、人に本音を話すのが苦手だったり、生真面目だったりと理由は、いろいろだが、イチバンは、主人に嫌われたくなかったから。

だけど、とうとう窮地まで追い詰められて、やっと気づいた。


夫婦といえども、言わなければ分からないこともあるんだ。


「察してちゃん」では、いけないんだってこと。

ドキドキしながら、遠慮がちに言ったことを覚えている。

結果、砕けた。

それでも、分かってもらおうとして、幾度となしに言った。

2年あまりの思いが積み重なっていたから、まくしたてるように言った。

99パーセント、義母のこと。

そして、幾度となしに喧嘩した。

喧嘩して、喧嘩して、喧嘩しまくって・・・。

(主人のことだけが、原因ではないけれど)鬱にまでなった。

結婚生活に、埒が明かないとまで思った数年間だった。

とてもしんどい思いをしたけれど・・・。

言って分かったことがあった。


主人に言うことで、解決できないこともあるということ。

主人に言っても、仕方がないということ。


分かったころには、夫婦の関係は最悪だった。

それを踏まえてどうするか。


主人をATMと割り切り、生活を通すのもあり。

それとも、それでも、よりよい夫婦関係を目指していくのか。


その当時、迷った。

あの頃、結婚生活の中で、いちばん主人を嫌いになった時期だったかもしれない。

喧嘩をしないのが本当は、いちばん良いとは分かっていても、価値観や考えのちがいで、大抵の夫婦は、長い結婚生活の通過点で、何かしらぶつかることを経験されていると思う。

ぶつかることによって、その後の夫婦の関係の基盤ができていく。

「雨降って地固まる」のように、夫婦関係がよりよい方向へいく場合もあるだろうし、「蟻の穴から堤(つつみ)も崩れる」というように、夫婦関係がどんどん悪くなる場合もあるだろう。

いろんな選択肢があって、その後の結婚生活をどう続けていこうと、人の価値観はそれぞれで、どれが正しいとはいえないけれど、どんな形であれ、最後まで「夫婦」でいられるということは、「縁があった」と言えるのではないでしょうか。

例えば、私から見れば、「仮面夫婦」に見える、義両親も、実両親も、「縁があった」から、ずっと一緒。

それぞれを見ていて、どっちもどっち(人のことを言えないけど)だけど、そのパートナーだから、別れずにいる気がする。

それはそれで、相性がよい。

私の結婚生活は、ぶつかることで、その後の基盤ができた。

愚痴はできるだけ、主人には言わない。

自分で根回しできるのならば、それで解決する。

そのことに関して、主人を責めない。(よりよい夫婦関係を築くために。)

あとは、どうしても分かってほしいときには、言うタイミング、言い方を考えて伝えるようにしている。

そうこうしているうちに、大抵のことは、言うほどのことではなくなった。

すべては、「当たって砕けろ」からはじまり、奈落の底へ突き落された気持ちさえ感じたけど、言って喧嘩をしなかったら、夫婦の関係はもっと違ったものになっていたと思う。

しんどかったあの時期も、必要なことであって、「雨降って地固まる」の方へ向かっている。

今、夕方に見ているドラマは、独身の頃、リアルタイムで見ていたドラマの二十数年ぶりの再放送。

ドラマに登場する夫婦には、お互い秘密があって、どちらも明かせずにいる。

隠し通すことで、誤解が誤解を生み、夫婦の関係はこじれていく。


早く、言っちゃいなよ。


と、私はじれったい思いをしながら、ドラマを見ている。

独身の頃とは、違った観点から、ドラマを見ている気がする。

私自身は、主人に言えない秘密を、抱えているわけではないから、また立場が違っているのかもしれないけど、言いたいことを言えないがために、夫婦の関係がこじれるのならば、「言っちゃいなよ」・・・である。

もちろん、言えない「秘密」だなんて、夫婦のあいだと言えども、誰にでもあるかもしれないが、「墓場」へ持っていくまでに、そのことが原因で、夫婦関係がこじれるのならば、元も子もない。

伝えることで、こじれて別れることになれば、それは「縁」がなかっただけのこと。

言いたいことを言えない理由が、「より良い夫婦関係を築くため」ではなく、「パートナーに嫌われるから」が、いちばんやっかいなのかもしれない。

ドラマにでてくる夫婦は、どちらかというと後者寄りなので、どうしても「言っちゃいなよ」と思ってしまう。

私自身は、今となっては、「主人に嫌われるかもしれないから」が理由で、言えないことはない。

それでも、一年に一回(いや数か月に一回かな・・・)は、喧嘩しているかな。

その代わり、それ以上に会話も多い。

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