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マーケティングチームのリーダーをどうやって見極める?-マーケティングイネーブルメント対談Vol.1-

『どんなに良い戦略を描いても、「強いマーケティングチーム」がつくれなければ、マーケティングは機能しない』

どうすればマーケティングは機能するのかに対する見解

さらに、誰がマーケティング組織のリーダーになるか?の人選で成功の90%以上は決まる
のではないか…とも考えています。

なので、社内にNext CMOを育成することが大切だと考えています。

Next CMOを育成する考え方

今回は、強いマーケティングチームづくり」をテーマに、地方で多くのマーケティングプロジェクトを動かされているHONEの桜井さんと、マーケティングイネーブルメント開発者の黒澤が対談した内容を記事化しました。

対談の中で、下記のテーマを掘り下げています。

・マーケティングのリーダーに向いている人はどんな人か?
・強いマーケティングチームをつくるために押さえるべきポイントは?
・どうやってマーケティングのリーダー(Next CMO)を育成すると良いのか?

対談内容

ぜひ、マーケティング組織を強化する際の参考にしていただけましたら幸いです。

マーケティングにおいて組織内で重要な役割を果たす人物とは?

目的・戦略・戦術、それぞれのフェーズで最適な人材を探す

松井さん(モデレーター):マーケティングにおいて、組織内で活躍できる人と活躍できない人の違いはどこにあると考えていますか?

HONE桜井さん

桜井さん:一定の数字目標や戦略があって、やり方が決まっているところを「いかに早く伸ばすか」に重点を置くのであれば、戦術系のマーケターが大きな役割を果たすと思います。一方で「ゴールは決まっているが戦略が決まっていない」というケースだと、戦術系マーケターはあまり活躍できないでしょう。

案件の中には、「目的、目指す場所すら決まっていない」というケースもあります。「なんとなく良いものは作りたいけど、どうすればその目的を設定できるのか分からない」というパターンです。このような場合は、目的を設定できるマーケターに依頼すると良いと思います。

目的・戦略・戦術というそれぞれのフェーズにおいて、どんなマーケターが最適なのか、自社に足りないパーツを把握している人・経営者がいれば、間違いのない選択ができるでしょう。

松井さん(モデレーター):全体の目的・戦略・戦術を整理したうえで「この人なら任せられる」という人材を選べば、活躍できるということでしょうか。

桜井:そうですね。極論ですが、スキルを持っている方なら活躍できるはずなのです。それでもうまくいかなければ、要因は「チームの役割にフィットしていない」ことにあると考えられるので、最初の人材選びは非常に重要です。

また、相性もあると思います。経営者が「何が必要なのか」や自社との相性が分からず、求める役割を鑑みないで依頼してしまうとか。また、経営者のマーケティング理解が足りていないと、「役割が必要ですよね」とか、「役割ごとにリソースを配分しましょう」というのがうまく伝えられないこともあります。

モデレーター:感覚で大丈夫ですが、桜井さんが接している経営者の中で、マーケティング理解度が高い人はどのくらいいますか?

桜井さん:少ないと思いますが、「経営者がマーケター」というパターンでうまくいっているケースも見られます。一方、「ものづくり」系の経営者は担っている役割がそもそも違うので、マーケティング思考を伝えてあげた方がいいことが多いですね。

重要なのは自分の「勝ちパターン」を活用しつつ依存しないこと

マーケティングイネーブルメント責任者:黒澤

黒澤さん:私が一緒に仕事してきたマーケターのうち、成果を出している人とそうでない人は半々です。

マーケターが活躍できる、成果を出せる時は、その人が過去の経験で培ってきた「勝ちパターン」がハマるケースです。例えば、デジタルマーケティング領域の広告運用が得意で、そのスキルや経験が、そのまま組織で必要とされて成果が出るケースがあります。

ただし、いくら勝ちパターンがあっても、その組織にはまるパターンでなければ成功しません。経営者がその勝ちパターンを期待していても、組織に合わなければ失敗しますし、その失敗もたくさん見てきました。

桜井さん:勝ちパターンがハマらなかった時に軌道修正ができないと、成果を出すことは難しいですよね。

黒澤さん:CMO候補やマーケ責任者として入ってきたけど、その方がもっている"過去の勝ちパターン"がハマらずにうまくいかない、ということも多くありますね。

また、一度結果が出たあとには、社内の仕組みづくりを行うなどして、次のステップに進みます。そのときに、「社内で動かすことの大切さを知っている」「自分の勝ちパターンにプラスして、今の組織に何が必要か考えられる」「組織の追加リソースを確保できる」「予算を集められる」といった動きができる人は再現性をもって成果を出せる人だと思います。

特定の手法を活用した勝ちパターンを理解していても、成功したあとの次のフェーズは自分の知らない領域になることが多いです。いろいろな組織の調整をしたり、自分も学習しながら進めたり――。仮に勝ちパターンがあてはまらないときは、どう対応すべきか組織を巻き込みながら考えることが重要になります。

桜井さん:勝ちパターンに固執してしまうと、柔軟な立ち回りが難しくなります。今回はその勝ちパターンでうまくいったとしても、5年後に同じやり方できるかというと、今とは時代も社会背景も違うのでできない可能性もあるでしょうね。

松井さん(モデレーター):勝ちパターンを持っている以外に、そのあと軌道修正できるかどうかもキーポイントとなるのでしょうか。

桜井さん:そうですね。ただ、自分の勝ちパターンやたたみ方はあっても、基本的には「出たとこ勝負」だと思っています。相手から出たパスをいかにきっちり返すのが大事になってくるので、私たちはマーケティングの仕事を「フリースタイル」や「MCバトル」と言うことがあります。

マーケティング成功を生み出すCMOの最重要スキル・素質とは?

マーケティングは実戦学、「分かる」と「できる」のギャップを埋めるべき

松井さん(モデレーター):続いて、マーケティング成功のためにもっとも重要なCMOとしてのスキルや資質について伺います。活躍できる人が身につけているスキルや資質について、もう少し具体的に教えてください。

桜井さん:私は、「マーケティングは実戦学」であると考えています。というのも、実戦しないと身につかない分野だからです。

しかし、これを理解している人は多くはありません。お笑いの本を読んでも、その本を読んだ人が面白くなるわけではありません。大谷翔平さんの本を読んでも、メジャーリーガーにはなれないでしょう。それなのに、マーケティングだと「できた気」になってしまうことが多々あるのです。

このように、「できる」と「分かる」の間のギャップが分かりづらいのも、マーケティングの特徴です。自分が持っているスキルや実力を正確に把握することも、マーケティングにおけるスキルのひとつだと思います。

実際にマーケティングの現場において、分かることを「できる」という人は、少なくありません。しかし、本当にできているのは1割程度。「できる」という言葉を正確にとらえられている人がどのくらいいるのかというと、それほど多くないと思います。

松井さん(モデレーター):実戦でとにかくやってみる。「スキルよりスタンス」「仕事の進め方が大事」ということでしょうか。

桜井さん:そうですね。スキル単体で何かをやるというより、組織を実装させるうえではオーガニゼーションやコミュニケーション力が大事なのではないでしょうか。

松井さん(モデレーター):スキル先行型だと、途中で行き詰まってしまうのでしょうか。

桜井さん:先ほどもマーケティングは「MCバトル」に似ていると例えたように、相手との掛け合いが大事です。相手のことを加味して返す必要があり、戦略以上にコミュニケーションや会話が重要となります。

経営者に自分の意見を言えているかがマーケターの見極めポイント

黒澤さん:私は、「一緒にチームを組むマーケターと仕事をしてプロジェクトがうまくいきそうか…」を判断するときに、その人の社内での振る舞い方(経営者や現場、メンバー、部署内の人とどう話しているか)を確認するようにしています。
とくに、経営者に対して自分の意見をはっきりと伝えられるかどうかは重要だと考えています。

例えば、「メンバーに対して指示だけではなく背景や意図を伝えているか」「うまく回っていない時に現場が困っていることをヒアリングしているか」「ミーティングで『これについて経営者はどうおっしゃっていましたか?』と聞いたときの発言」などに注目しています。経営者やメンバーとあまり話してない様子なら、先ほど触れた調整力やコミュニケーションの面で問題がある可能性があるかも…と思い、一緒に改善をしていくアプローチをとります。

松井さん(モデレーター):調和を大事にする人だと、経営者に対して反対意見を出しにくいのではないでしょうか。

黒澤さん:そこはバランスが大事だと考えています。調和を大切にすることは大切ですが、経営者の意見に全てYESとしか言えない場合は良いコミュニケーションがとれているとは言えないと思っています。

桜井さん:現場の意見をすくいながら、トップの意見も聞くということですね。この2つは、割と対立してしまいがちなので、注意したいところです。

松井さん(モデレーター):マーケティングのプロジェクトメンバーを選定する場合に、相手がどのような人なのか、熱意があるのかなどを確かめる方法はありますか?

桜井さん:熱中しているものやスタンス、ポリシー、価値観を聞きますね。

松井さん:熱量は後天的に養えるのでしょうか。

黒澤さん:できるけど難しいですね。経験数が大事です。

桜井さん:修羅場体験があれば、養えると思います。

黒澤さん:新規事業に1回失敗して、再チャレンジさせるというのはどうでしょうか。

桜井さん:リスクのない範囲で、入社3年目くらいで新規事業を任せるなどして一度経験させるのも良いかもしれません。私も新規授業を入社5年目くらいでやって失敗して、レジリエンス力を養いました。

松井さん(モデレーター):そこでなぜ潰れなかったのですか?

桜井さん:上司が私のことを見捨てず、潰れない程度の負荷を与えてくれたからだと思っています。あとは、一緒にがんばる仲間がいたからでしょうか。

外部支援した組織でマーケティング活動が効果的に機能していたケース

全員が同じ方向・目的意識を持てば「壁」を取り払って話し合える

松井さん:外部支援者として参加したプロジェクトで、マーケティング活動が効果的に機能していた例を教えてください。

桜井さん:静岡の最北地にバレルサウナを作り、サウナ事業を運営していときですね。当時はマーケティングのサポートをしていたのですが、「サウナを通して事業を成功させる」と、全員が同じ方向・目的意識を持っていたため、スタートからうまくいきました。SNS運用者や広告制作者、企画担当者全員が事業にコミットしてお互いの壁がなくなり、共有言語で話せるようになったのです。「サウナ施設をもっとこうしたい」「Webページのここを変えたい」など、各々が自分の領域外の業務についての会話をできるようになりました。

松井さん(モデレーター):全員の目線を同じところに集めるのは難しくありませんでしたか?

桜井さん:プロジェクトの初期フェーズに目線あわせをすることが重要だと思っています。要職に「絶対に裏切らない人」をつけて、下の動きが多少ずれてもその人がマネジメントしてくれる体制を整えました。

結果として、オペレーション担当、Webマーケ担当、マーケ戦略それぞれが「くさび」になってくれたのです。私は、理解のあるマーケターが3人集まれば組織がうまくいくと考えています。CMOも信頼できる方が何人かいると、後方支援的な役割を期待できますね。

黒澤さん:「チーム桜井」みたいに後方支援がいて、皆が助けてくれる感じでしょうか。

桜井さん:そうですね。私自身は、戦略へのコンセプトとモチベーターくらいしかできません。なので、任せられる人がいると助かります。

目的を経営者に伝えて、一緒に動くこと

黒澤さん:マーケティング責任者が経営者をうまく動かせると成功しているケースが多いです。

私の支援しているクライアントでマーケティングが成功している組織では、CMOの方が経営者を動かしています。
例えば「認知を獲得するために、経営者にこのようなカンファレンスに出て行ってもらいたい」「このテレビCMは何としてでも予算を確保する意思決定をしてもらい」など経営者と話し合い、その都度必要な打ち手を実現させています。

松井さん(モデレーター):経営者側もその方の意見を受け入れる柔軟性を持ち合わせていた、ということでしょうか。

黒澤さん:持っていたと思います。役割をすり合わせ、二人三脚でやっていますね。経営者とNo.2を担う人の相性も重要だと思います。

桜井さん:風呂敷広げるような経営者だと、No.2が「たたみ人」であることが多いですね。一方で、No.2が「引っ張っていくタイプ」「モチベーター」で、経営者が「たたみ人」というケースもあります。

桜井さん:地方だと引っ張っていく感じの人や、風呂敷広げる系の経営者が多い印象ですが、「たたみ人」がいないケースも見受けられます。No.1がすごいスピードで走って、No.2が追いつけないこともあります。そのような場合は私たちがNo.2になって、経営者の意図を翻訳して現場に伝えていく役割を担います。

松井さん(モデレーター):経営者のタイプによって必要なNo.2が違い、さらに地方だと「たたみ人」系のNo.2が重要視されているのでしょうか。

桜井さん:そうですね、「ブレーキ踏み役」という感じです。地方・中小企業だと、アクセルばかりでブレーキがないところもあります。

黒澤さん:私と桜井さんの共通するクライアントにいる若い女性の方も、「たたむ」のがうまいです。すごい調整力だと思いますね。

桜井さん:その方は、1年で許容範囲が広がっていった印象です。大きなイベントを成し遂げたなど、ターニングポイントがあったのかもしれません。

黒澤さん:先ほど桜井さんが言っていたような新規事業の挑戦と同じで、失敗を乗り越えると強くなるのでしょうね。

松井さん(モデレーター):成功体験を積むという意味では、業務外での体験でも良いかもしれませんね。

桜井さん:メンバーでキャンプをしたり、ワークショップをしたりするのも良さそうです。私も以前、住民が十数名の深島という島にインターン生を2人連れて行ったことがありますが、実際に現場を見ると気持ちが変わりますね。

松井さん(モデレーター):共通の体験を経験させることが大事なのでしょうか。

桜井さん:そうですね。「同じ釜の飯を食う」なら、なんでも良いと思います。サウナ事業を実施する際も、最初は皆でサウナに入りました。現地を見れば自信にも繋がると思います。

黒澤さん:テンションや熱量を上げるのは大事ですよね。マーケティングとはロイヤルカスタマー、つまり一番大切なお客様を本当に喜ばせられるかどうかがカギとなります。ユーザーインタビューが一番大事ですね。

失敗したマーケティング戦略の原因と背景を知る

「ブランドを私物化する経営者」「組織を乱す人物」がいると失敗する

松井さん(モデレーター):では、マーケティング戦略において失敗した経験はありますか?

桜井さん:失敗例は2つあります。ひとつは、経営者が「自分のやりたいこと」を優先したケースです。「自分はこうありたい」という承認を求めた結果、うまくいきませんでした。

もうひとつは、私が人材コンサルティングのサポートをした仕事でした。一人の組織コンサルタントが組織を乱しており、大量の退職者を生んでしまったのです。元々組織の全員が良いポテンシャルを持っていたのに、チーム関係なくばらばらになってしまいました。

松井さん(モデレーター):具体的に、良いコンサルと悪いコンサルの見極め方はありますか?

桜井さん:「自分が絶対正しい」といった振る舞いをする人は注意してください。依頼元の会社から「〇〇先生」と呼ばれている人も、自分の権威を絶対的なものだと思い込んでいる可能性があるので、危険です。私も行政や商工会で講演をする際「桜井先生」と呼ばれることがありますが……。謎の先生文化はもう終わりにすべきです。また、「自分の理論は合っているんだ」と成功事例を押し付けるような人も避けるようにしましょう。

競争力の見直しなど、ビジネスの前提を変えられない状態は危険

黒澤さん:私も過去に、企業のデジタルマーケティングで失敗したことがあります。プロダクトを変えるとろこまでいけませんでした。

松井さん(モデレーター):プロダクトが握れないときついですよね。

黒澤さん:ビジネスの前提として競争力がないケースだと、競争力自体を定義し直す必要があります。こうした問題が今後もあったら、マーケティングトレースの考えを普及させて、前提から考えていくのが当たり前になったらいいな、と思います。

今でも、そういう案件を自分が受けたら90%以上は失敗すると感じています。なので、仕事を受ける前にハッキリと必要なことを伝えることが大切だと考えています。

桜井さん:成功しないものをお金をもらってやる――。これは、どちらも損しているということで、そこに気づけるかどうかは重要ですよね。

松井さん:案件の強化やマーケティング以前に、プロダクトの見極めが大事ということでしょうか。

桜井:そこを一緒に楽しめる人と一緒に事業をやれると良いですね。

マーケティングでは、人間性とスキルどちらが大事?

「逃げない」「やめない」マインドを持つ人材が成功のカギ

松井さん(モデレーター):NextCMOを見極めるときのポイントを教えてください。

桜井さん:20代くらいの若い人と話していると思うのが、「承認欲求が強いと厳しい」ということです。目的志向と承認欲求は対極にあるので、自分軸になってしまいます。一方で、「諦めない」「逃げない」ことを普段から意識している人なら、安心して任せられると考えています。

松井さん(モデレーター):関係性が長いと「この人は大丈夫そう」と判断しやすいですが、これから採用する場合は見極めが難しいのではないでしょうか。

桜井さん:これから採用する人に対しては、「失敗経験」と「どうやって立ち直ったか」を聞くようにしています。その回答次第で、見極めていきますね。

松井さん(モデレーター):成功経験しかない人はどうでしょうか。

桜井さん:失敗経験がない人は、いないのではないでしょうか。失敗を笑い話として語れるような人が良いですね。

松井さん(モデレーター):失敗経験を語れるのは、承認欲求より目的志向が強いということでしょうか。

桜井さん:強いですね。

松井さん(モデレーター):面接や対話などで語ってもらうのは、直近のエピソードのほうが良いですか?

桜井さん:直近のほうがいいですね。相手が成功と失敗、どちらを語るかも見極めが必要になるでしょうね。
選んでもらうのもいいかもしれませんね。あえて失敗を持ってくるほうが信頼できます。

最初の2~3ヶ月でどうミッションを回すかでCMO人材を見極める

黒澤さん:面接だけでは見極められない部分もあります。私は、入社後3ヶ月の動き方を見るようにしています。採用でも異動でも、最初の2~3ヶ月でどうミッションを決めていくかが重要だからです。3ヶ月で「目的を決める」「方向性を決める」「具体的な方法を見出していく」「ミッションを回して次のアクションを決める」といった行動をできるかがポイントとなるでしょう。

松井さん(モデレーター):一度回しながら、人間的なところを重視して見ていくイメージでしょうか。

黒澤さん:そうですね。チームビルディングの仕方や、ファシリテーションの仕方から、人間的なところは見えてくることが多いと思います。

CMO人材を見極めるには?

組織全体を「動かす」環境があれば資質を見抜ける

松井さん(モデレーター):最後に、総務やデザイナー・エンジニアなどマーケティング職以外で「この人、意外とマーケに向いているかも」という人材を見極める基準を教えてください。

黒澤さん:「組織を動かしてみる」機会をつくってみるのが良いのではないでしょうか。いま思いついたのですが…

  1. 「経営者と一対一で話して戦略の方向性を考える」

  2. 「部署で何かの共通目的を達成するための場をつくりファシリテーションをする」

  3. 「チームメンバー同士が関係性を築くための飲み会幹事をする」

この3つをやってみてもらい合格点(上手に回せる)の人は、CMOの素質があるのではと思います。

松井さん(モデレーター):CMO候補の見極め方をもっておけると、逸材を発掘できるかもしれませんね。

黒澤さん:CMOの素質は日々の小さなコミュニケーションに出てくると思っています。例えば、経営者と話すときに「承知しました」としか言わない人や、複数部署の人が集まる場でファシリテーションをしたときに全然引き出せない人は、CMOには向いていないかもしれません。
また、実務を経験させる最中に分からないことが出てきた際に、不明点や疑問点を聞くことができるかどうかも重要なポイントです。

松井さん(モデレーター):スキル・経験というよりも、資質に近いでしょうか。

黒澤さん:まずは「組織や市場を動かしたい」という気持ちがあることが大事ですね。意志があれば、後からスキルや経験は補うことができると思います。

マーケター(とくにCMO)にとって大切にしたい仕事

編集後記

桜井さんとの対談から、マーケティングのリーダー選定ポイントは下記の3つだと捉えています。

  1. 過去の経験より、今・未来に必要なことを見極められる人

  2. 特定領域のスキルよりも、組織を動かす力をもった人

  3. 経営者との対話、メンバーとの対話をバランスよく行える人

また、CMO人材を見極めるためには、下記の3つを実施してみることが推奨ポイントとなります。

  1. 「経営者と一対一で話して戦略の方向性を考える」

  2. 「部署で何かの共通目的を達成するためのを作る場をつくりファシリテーションをする」

  3. 「チームメンバー同士が関係性を築くための飲み会幹事をする」

Next CMOの見極め、マーケティングチームづくりのヒントにしていただけたら嬉しいです!

今後も、Next CMOを日本に増やし、マーケティングの力で事業を持続的に成長させられる組織を増やしていきます!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!


具体的なCMO育成のストーリーを知りたい方は、下記の記事にプロジェクト事例をまとめています。

マーケティングイネーブルメントの概要はこちらです。


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