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【著者執筆】どうしても許せない人がいる?あなたを不幸にした人への一番の仕返しは、あなたが幸せになることです。

5月26日に『「誰かのため」に生きすぎない』が発売になりました。

おかげさまで予約好調とのことで発売前に重版がかかりました。本を予約してくださったり、TwitterやVoicyでの活動を見てくださったり、こうしてnoteを読んでくださったりする方のおかげです。いつも本当にありがとうございます。

ただ、たくさんの人が「『誰かのため』に生きすぎちゃってるのかな」と思うと、少し心配になったりもしますが…。

このnoteでは、刊行を記念して、僕のほうで本の中から「ぜひ読んでみてほしいな」と思う部分を抜粋して紹介します。今回は第3回です(全3回)。

藤野智哉(精神科医)

どうしても許せない人がいる?
あなたを不幸にした人への一番の仕返しは、あなたが幸せになることです。


「あの人がどうしても許せない」
「私を不幸にした人に復讐したい」
「元彼への怒りがおさまらない」
そんなふうに「許せない誰か」にとらわれて苦しんでいる人もいます。

その人のことは忘れたほうがいいとわかっていても、ずっとその思いにとらわれて、むしろそれを言い訳にしていつまでも幸せにならなかったり。そんな人に伝えたい言葉があります。

あなたを不幸にした人への一番の仕返しは、あなたが幸せになることです。

相手をうらみ、苦しんでいる間は、あなたは不幸なままです。もしも相手があなたの不幸を願っているとしたら、それでは相手の思うつぼじゃないですか。

相手のことはすっぱり忘れて、自分がハッピーでいることで相手の思惑をぶち壊せるなら、それが一番いいですよね。

どうせなら、自分が幸せになることで「許せない人」に復讐しちゃいましょう。

そもそも相手をうらんでる時間なんてもったいないです。

「時間」は、すなわち「命」です。
許せない人のためにあなたの大切な命をムダにしないでください。

ただ、もしも「許したい」と思うのなら、「まあ世の中にはいろんな人がいるよなー」とちょっと俯瞰してみるといいと思います。

世界には80億人もの人がいて、みんな違う文化や価値観、経験や性質をもっている、目の前にいる人は自分と同じ人間ではなくて、 80億人の中の一人なんだ......そんな感覚です。

あなたの「許せない人」はあなたの予想を裏切ったからこそ、よりいっそう怒りが湧いてくるのかもしれません。
人間は予想外のことを急にされると、イラッとしたり、動揺したりする生き物です。

だとしたら、あらゆることを予想しておいたほうが心は穏やかです。
「かもしれない運転」ってあるじゃないですか。起こりうる危険を、あらかじめ予測しながら運転することで、事故を防ぐ方法です。

それと同じように、「相手は自分とは全然違っていて、驚くようなことをする『かもしれない』」と想像してみると、ちょっと気持ちが落ち着いてきませんか?

「裏切るかもしれない」「嘘つくかもしれない」「浮気するかもしれない」「遅刻するかもしれない」......そんなふうに、人間関係においても「かもしれない運転」をすることで、傷ついたり、悲しんだりすることが減るかもしれませんね

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著者について

藤野智哉(ふじの・ともや)
1991年生まれ。精神科医。産業医。公認心理師。
秋田大学医学部卒業。幼少期に罹患した川崎病が原因で、心臓に冠動脈瘤という障害が残り、現在も治療を続ける。
学生時代から激しい運動を制限されるなどの葛藤と闘うなかで、医者の道を志す。
精神鑑定などの司法精神医学分野にも興味を持ち、現在は精神神経科勤務のかたわら、医療刑務所の医師としても勤務。 障害とともに生きることで学んできた考え方と、精神科医としての知見を発信しており、メディアへの出演も多数。
著書に『「自分に生まれてよかった」と思えるようになる本』(幻冬舎)『自分を幸せにする「いい加減」の処方せん』(ワニブックス)、『精神科医が教える 生きるのがラクになる脱力レッスン』(三笠書房)などがある。

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