見出し画像

会社はただの箱でしかない。 愛社精神なんて持たなくていい。『ぜんぶ、すてれば』【無料公開#5】

4月17日発売の『ぜんぶ、すてれば』。隈研吾⽒が「⽇本の経営者のなかでも破格の存在」と称し、寺⽥倉庫の経営改⾰をはじめ、異例の実績を重ねながらも、メディアにほとんど姿を現さず、実在すら疑われていた伝説の経営者が、初の著書を出版します。不安や悩みを抱えるすべての人に向けたメッセージを、1か月間、毎日1項目、無料公開でお届けします。

会社はただの箱でしかない。 愛社精神なんて持たなくていい。


自分はなんのために働くのか。 答えは一つ。

自分のため。


「会社のため」じゃない。 

「家族のため」というのも、ちょっとあやしい。 

自分が好きで、楽しいから、目の前の仕事をやっている。 

会社というのは、人間が仕事を楽しくするための手段であり、

ただの〝箱〞でしかない。 

会社は自然界に最初からあったものではなく、

人間によってつくられたシステムなのだから、 

人間が会社に使われるようでは、逆転現象もいいところ。 

だから、「会社のため」と身を犠牲にして働くのは、

ちょっと変だと僕は思う。 


愛社精神を強いるのもおかしい。 

仕事に対してドライであれ、と言っているわけではなくて、 

「働く主 あるじ は、あくまで自分である」

と握っておくべきだということ。 


仕事に没頭したい時期があれば、どれだけ遅くまで残って働いてもいいと僕は思う。 

僕も若い頃は徹夜で会社に残った時もあったけれど、 

「どうしても今日中にやり遂げたい」「自分がやりたいからやっている」 

という感覚があったから、まったく苦痛ではありませんでした。 

なぜなら、がんばっていたのではなく、夢中だったからです。 

人が中心で、会社が道具。この関係性を間違えないようにしたいですね。

<著者プロフィール>

中野 善壽(なかの・よしひさ)
東方文化支援財団代表理事 元寺田倉庫代表取締役社長兼CEO 1944年生まれ。 幼少期、祖父母の元で「全ては自己責任」という考え方を厳しく叩き込まれ、 その意識は人一倍強く持っていると自負する。好きな言葉は「因果応報」。 その後、弘前高校、千葉商科大学卒業後、伊勢丹に入社。子会社のマミーナにて 社会人としてのスタートを切る。 1973年、鈴屋に転職、海外事業にも深く携わる。 1991年、退社後すぐに台湾に渡る。 台湾では、力覇集団百貨店部門代表、遠東集団董事長特別顧問及び 亜東百貨COOを歴任。 2010年、寺田倉庫に入社、2011年、代表取締役社長兼CEOとなり、 2013年から寺田倉庫が拠点とする天王洲アイルエリアを アートの力で独特の雰囲気、文化を感じる街に変身させた。 2018年、日本の法人格としては初となるモンブラン国際文化賞の受賞を果たす。 2015年12月台湾の文化部国際政策諮問委員となる。 2019年6月寺田倉庫退社、2019年8月、地域や国境を越えた 信頼感の醸成をはかり、東方文化を極めたいという飛躍したビジョンを持つ 東方文化支援財団を設立し、代表理事に。現在に至る。


『ぜんぶ、すてれば』の著者印税は東方地域で支援を必要とする子どもたちへ全額寄付されます。

この記事が参加している募集

推薦図書

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?