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【AI分析で解明】営業成績トップ層の過半数は「プレゼンが苦手」

「トップセールス」と聞くと立て板に水の完璧なプレゼンテーションで鮮やかに受注を重ねる姿を想像する人も多いのではないだろうか。
しかし、営業成績を「トップ5%」と「残り95%」に分けるのは、プレゼンの上手さではないことが明らかになった。
本記事では、シリーズ累計18万部突破の『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』著者の越川慎司氏から、5%セールスとプレゼンスキルの関係について学ぶ。

※記事中の用語説明
5%セールス=3年連続で目標達成し続けて、かつ社内の営業成績がトップ5%に入っているセールスパーソン
95%セールス=5%セールス以外の一般セールスパーソン

「プレゼンが得意=営業成績がいい」は誤り?

トップの営業成績を残す人は華麗なプレゼンテーションをするものだと思っていました。しかし、実際には人前で話すと緊張する人が多く、プレゼンテーションは苦手であると答える5%セールスは全体の 61%もいたのです。 
一方、 95%セールスの中でプレゼンが苦手であると答えたのは 27%しかいませんでした。 単純にこの調査結果からすると、「プレゼンが得意 =営業成績が良い 」という因果関係 はないようです。

 顧客へのヒアリングで分かったのは、5%セールスは話し上手というより聞き上手ということです。 同じ社内で同僚にランダム・ヒアリング(対象者および回答者を無差別にピックアップして調査)をすると、 78%の回答が「あの人は聞き上手」と答えていました。 

話を聞いてくれるセールスは、顧客にとって好印象です。
言いかえれば、聞き方一つで相手に好印象を持たせることができるのです。

相手に「聞き上手」と思ってもらうコツは「うなずき」と「メモ」

では、聞き上手とは、どういうことでしょうか。

そこには、テクニックや相手との関係性といったものもあるでしょう。 
しかし、顧客や同僚から「聞き上手」と評価されるのは、それだけではありません。
相手に好印象を与えるポイントは、「聞いている姿を相手に見せること」にあるのです。

情報のほとんどは目から入ってくるといわれています。5%セールスはその視覚を使って、「(相手の話を)しっかり聞いていますよ」と、相手に見せているのです。
5%セールスは、深くうなずき、あいづちを打ち、相手が話しているのをさえぎって話すことは決してしないようにしているそうです。

拙著『AI分析でわかったトップ5%リーダーの習慣』でも、5%リーダーは一般の管理職の方に比べて、3.5〜4センチ以上うなずきが深いという話を紹介しました。

5%セールスは、うなずきが深いというより、ゆっくりなのだそうです。
うなずきがゆっくりだと、共感を示していることが伝わり、相手が安心するのです。
特にまだ関係性が浅い相手との対話においてゆっくりうなずくことが多いそうです。

さらに、5%セールスはメモをとっている姿を見せます。
パソコンやスマホでメモをとることはできますが、文字入力の動作は相手に冷たく見えてしまうことがあります。また文字入力のキーボードを打つ音がうるさい印象を与える可能性もあります。
そこで5%セールスは、目の前でノートを広げてメモをとる様子を見せていました。

パソコンでメモをとるときは、相手に許可をとっていました。
許可をとらずにメモをとると、違う仕事(=内職)をしているのではないかと疑われてしまうからです。

「今すごく大切なことをおっしゃったので、メモをとらせてもらってよろしいですか?」

このような一言を発するだけで、相手に興味・関心を持っていることを理解させることができます。
うなずきやメモをとるシーンが見えることで、心を傾けて「聞いている」ことが伝わり、相手も心を開いてくれるのです。


さらに詳しく知りたい人は

『AI分析でわかった トップ5%セールスの習慣』では、著者の越川慎司氏が800社、2万1000人の営業職をAI分析で徹底解剖して解明した、"再現性の高い"行動ルールをまとめています。
気になる方は是非読んでみてください。

〈目次〉
第1章 顧客との「すれ違い」はなぜ起こるのか?
第2章 5%セールスの意外な共通点
第3章 95%セールスが良かれと思ってやってしまうこと
第4章 5%セールスのシンプルな思考と行動
第5章 5%セールスは周りを勝たせる
第6章 オンライン商談の成約率をアップさせたアクション
第7章 5%セールスの習慣を実践する方法

著者について

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役CEO
国内外の通信会社勤務を経て、2005年にマイクロソフト米国本社に入社。のちに日本マイクロソフト業務執行役員としてPowerPointやExcelなどの事業責任者。2017年に働き方改革の支援会社であるクロスリバーを設立し、メンバー全員が週休3 日、複業(専業禁止)を実践。800社以上の業務改善、会議改革や事業開発を支援。講演・講座は年間400件以上で平均満足度は94%。
著書に『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(小社刊)、『仕事ができる人のパワポはなぜ2色なのか?』(アスコム)、『17万人をAI分析してわかった いやでも成果が出る考動習慣』(アチーブメント出版)、『29歳の教科書』(プレジデント社)など多数。

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