見出し画像

人事評価における最大のポイントは?『図解 人材マネジメント入門』【無料公開#11】

電子版5月28日、書籍版6月26日発売の『図解 人材マネジメント入門』では、人材マネジメントの理解と実践に役立つ100のツボが紹介されています。その中でマネジメントする側・される側双方に役立つ30のツボを、毎日1つずつご紹介していきます。

Q:人事評価における最大のポイントは?

A:本人と評価者の信頼関係を構築すること


人を「正確に測る」ことはできない

人事評価のツールに決定打はありません。これで測れば間違いない、というモノサシはないのです。能力や価値貢献の認識は人の「主観」から逃れることはできません。
近年では「ノーレーティング」という言葉が流行しています。これはABCDといった評価の格付け(モノサシ)を手放そうという動きです。その分、一次評価者には日々のフィードバックが求められ、人事評価結果という根拠なしに処遇(賃金や昇格・降格や異動など)を決定する重責が背負わされているということでもあります。

本人の主体的な参画

一次評価者は主観という評価眼をピカピカに磨き続けるべきです。しかし一次評価者が差し出した片手だけでは握手はできません。本人(被評価者)も自分の成長と成果に責任を持ち、人事評価に主体的に参画すべきです。責任はそれぞれに均等にあります(図表020)。

画像1

人事部門の役割

人事部門はなにをすれば良いのでしょうか? 
透明性の担保、丁寧なフィードバックを行う仕掛け、評価者の育成に、都度のフォロー。人事評価制度にできること、人事部門にできることは沢山あります。可能な限り使いやすい道具を一次評価者や本人に渡すことが人事部門の役割です。
信頼関係は「見てくれている」ことから人事評価の公平感は本人と一次評価者や人事部門との信頼関係に左右されます。
私の経験上、自分の働きぶりを「ちゃんと見てくれている」人がいることは働く個人にとって本当に力になります。そしてそれはどんな偉い人、優秀な人であっても同じのようです。

次回からは「働きがい」について、10のツボをご紹介していきます。

<著者プロフィール>

坪谷邦生(つぼたに・くにお)

株式会社壺中天 代表取締役、株式会社アカツキ 人材マネジメントパートナー、株式会社ウィル・シード 人事顧問、中小企業診断士、Certified ScrumMaster認定スクラムマスター。 1999年、立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。2001年、疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。2008年、リクルート社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、急成長中のアカツキ社で人事企画室を立ち上げる。2020年、「人事の意志を形にする」ことを目的として壺中天を設立。 20年間、人事領域を専門分野としてきた実践経験を活かし、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、人材マネジメント講座などによって、企業の人材マネジメントを支援している。 主な著作『人材マネジメントの壺 ARCHITECTURE』(2018)、『人材マネジメントの壺DEVELOPMENT』(2018)など。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?