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【「はじめに」公開】所浩史 著『とことん、「一点だけ」で突き抜ける』

最大年間販売数2,700万個の大ヒット商品「パステルなめらかプリン」の生みの親、所浩史氏。現在は岐阜市に住み、全国30か所以上の「ご当地プリン」の開発を指南している。
プリンという「一点」に集中して、いくつかの大ヒット商品を生み出せたわけ、「なめらかプリン」の開発での苦労とその乗り越え方、自分のお店を持つやりがいと幸せ、お客さまや師匠、スタッフ、かかわったすべての人たちから学んだこと。
山あり谷ありの30年間をかけて、愚直に真面目に一つの道を極めてきた著者だから語れる、「仕事と人生で本当に大事なこと」をまとめた1冊です。
このnoteでは、書籍の冒頭部分「はじめに」を公開いたします。

はじめに――30年間、一つの道を極めて学んだこと

 こんにちは。
 突然ですが、あなたはプリンが好きですか?

「好き」
「まあまあ好き」
「大好き!」

 そんな声が聞こえてくるようです。
 アレルギーなどの事情でプリンを食べられない人はいるかもしれませんが、「プリンが嫌い」という人に私は会ったことがありません。

 プリンを食べるとき、人は自然と笑顔になります。
 プリンを食べるとき、怒っている人はいません。

 そう、プリンは幸せと平和の象徴。
 だから、プリンを作る仕事は、笑顔を増やす仕事

 人の笑顔を増やす仕事の根本にあるのは、真面目で、誠実で、愛情を込めた働き方と生き方です。
 私はプリンづくりを通して、どんなときでも楽しく、たくましく、しなやかに成長し続ける術を学ぶことができたのです。

 申し遅れました。
 私は、パティシエの所浩史(ところひろし)です。

 ケーキやクッキーも作りますが、もう長い間、プリンづくりに人生を捧げてきたので「プリン職人」と呼ばれることが増えました。
 代表作は、1993年にパスタ&デザート「パステル 新宿ミロード店」でセットメニューのデザートとして提供した「パステルなめらかプリン」。
 口コミで評判が広がって、テレビや雑誌に紹介されて大ヒット。「最大年間販売数2700万個」という記録には、自分でも驚いてしまいます。

 パステルを離れた後も、「プリンの力で日本を元気にしよう!」と全国を飛び回り、現在30か所以上で「ご当地プリン」の開発支援にかかわっています。
 また、故郷・岐阜に小さな洋菓子店を構え、完全無添加グルテンフリーのおいしいスイーツづくりや、ちょっとユニークな経営にもチャレンジしています。

 振り返ると、人生と仕事に大事なことは、すべてプリンから学びました

 プリンという一点に集中していくつかの大ヒット商品を生み出せたわけ、「なめらかプリン」の開発での苦労とその乗り越え方、自分のお店を持つやりがいと課題、お客さまや師匠、スタッフ、かかわったすべての人たちから学んだこと。
 30年以上をかけて、プリンという一つの道を愚直に、ひたすら歩み続けてきたからこそ見えてきたことを、この本でご紹介したいと思います。

 どこから読んでくださっても結構です。
 パラパラとめくってみて、「あ、今の自分に合っているかも」とピンときたページから読んでみてもいいかもしれません。

 先が見えない、不安を感じがちな今だからこそ、
 プリンの力で、あなたがもっと笑顔で幸せになることを願って。

どうぞゆっくり召し上がれ。

菓子道(プルシック)代表取締役
所 浩史

目次

はじめに―30年間、一つの道を極めて学んだこと
  
第1章 とことん、「一点だけ」に集中する
1-1 「商品づくり」で大事なこと
1-2 「なめらかプリン」誕生秘話。ただのセットメニューが看板商品になった 
1-3 限りなくシンプルであること。それが、ロングセラーの条件
1-4 マーケットインよりプロダクトアウト。どれだけ熱い思いを持って生み出せるか  
1-5 誰が、どんな思いで作るのか。現場に行って、自分の目で見てみる  
1-6 「ワンテーマ」で勝負を続ける。真似されるくらいの技を磨く  
1-7 値引きはしない。それは「本物を適正価格で売る」という覚悟  
1-8 「選ばれる味」にトレードオフはない

第2章 お客さまもスタッフも笑顔になる「お店の経営」で大事なこと
2-1「何でもできる」より「これしかできない」。オンリーワンの一点集中型〞が強い
2-2 自分以外の人はみな、お客さま。誠意をもって丁寧につき合う  
2-3 協力を得る努力をしなければ、人は動かない
2-4 味は人柄。技術は心の上に成り立つもの
2-5「拡大しない」という成長。週3日営業の生産性改革  
2-6 技術を「教える」ことによって「学べる」。インプットの循環が未来の利益になる  
2-7 ヒントは他業界の成功例にある。「価値づくり」が働き方を変える
2-8 プリンが業界を救う!生産性改革はすぐ始められる  
2-9 効率を追求する先に「本物のサービス」は生まれない  
2-10 品質に妥協はしたくない。だから、あえて「やめる」選択もする

第3章 人は人でしか幸せになれない 「人間関係」で大事なこと
3-1 雨のひとしずくが大海になり、また雨となる。人との関係もすべて、自分に返ってくる    
3-2 地元・岐阜に店を出したのは恩返しのため。 同級生のあったかさに感謝
3-3 人情と青春と、若き日々を過ごした友にプリンを贈る喜び
3-4 プリンが誰かの人生を変えるかもしれない。だから、私は作り続ける
3-5「人生で最後のプリン」。その笑顔にかかわれた幸せ  
3-6 出会った人から何を吸収するか。学び多き「師の教え」
3-7 長年の確執が解け、涙の再会。会社を去った部下へ送り続けたプリン  
3-8 今年もあの子たちに届けよう。約束のクリスマスケーキに希望を託す

第4章 人に喜ばれたら、自分もうれしい「仕事と人生」で大事なこと
4-1 打たれて感謝せよ。剣道が教えてくれたこと  
4-2 お菓子づくりの基礎は、華やかな世界を支える地下の厨房で学んだ  4-3 人に喜ばれる仕事がしたい。その原点は「カエル」の成功体験  
4-4 人に喜ばれたら、自分もうれしい。幸せを膨らませる仕事に没頭してきた
4-5 実家の店が突然の倒産……。ゼロからのリセットで原点回帰  
4-6 近くの先に遠くがある。胸を張って、自信と誇りを持てる仕事を  
4-7 大ヒットでスピード出世も、現場に戻ろうと決意した理由  
4-8 地位や報酬よりも大切なもの。
4-9 50歳を前に会社を辞めて独立の道へ  
4-10 シンプルに、ベーシックを極めたい。  
4-11 だから店名は「プルシック」

著者について

所 浩史 ところ・ひろし
22歳のときに東京・南青山ヨックモックに入社。
その後、都内数店の洋菓子店で研鑽を積む。27歳のとき、実家の洋菓子店が閉店。店を継ぐ道が閉ざされ、一時期は北軽井沢のペンションで働いていた経験も。
1991年にチタカ・インターナショナル・フーズ株式会社入社
「パステルなめらかプリン」開発・商品化
1998年、テレビの情報番組で紹介されると人気に火がつき、さまざまなメディアで紹介されることに。最大時は年間約2700万個、年商約80億円の販売量を誇る超人気商品へと成長した。
著者個人も「なめらかプリン生みの親」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌で多数取り上げられ、全国レベルのパティシエとして知名度を獲得した。
2010年 9月7日「 プルシック」オープン。念願であった岐阜の小さなお菓子屋さん「プルシック」を岐阜市琴塚にオープン。菓子職人として新たなスタートラインに立ち、今までにない新境地のお菓子屋さんに挑戦中!

***

ゲラを読んだとき、「なんてまっすぐで誠実な人なんだ…」とすぐに著者である所さんが好きになりました。
読んでいると、お会いしたこともないのに、所さんの立ち振る舞いや笑顔が頭の中に浮かんできます。
所さんのプリン作りへのこだわりと、にじみ出る優しさから生まれる、一つひとつの言葉を味わってください。
(営業部 T)

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