見出し画像

捨てるセンスを磨く。 好き嫌いを意識することから。『ぜんぶ、すてれば』【無料公開#8】

4月17日発売の『ぜんぶ、すてれば』。隈研吾⽒が「⽇本の経営者のなかでも破格の存在」と称し、寺⽥倉庫の経営改⾰をはじめ、異例の実績を重ねながらも、メディアにほとんど姿を現さず、実在すら疑われていた伝説の経営者が、初の著書を出版します。不安や悩みを抱えるすべての人に向けたメッセージを、1か月間、毎日1項目、無料公開でお届けします。

捨てるセンスを磨く。 好き嫌いを意識することから。


「何を捨てて、何を残すのか。その選択のセンスはどうやって磨くんですか?」 

僕があまりに思い切りよくなんでも捨てると思ったのか、 

インタビュアーからそんな質問を受けました。 

自分にセンスがあるかどうかは、正直、よくわかりません。 

ただ、一つ言えるのは、 

そのときどきで僕は「好き・嫌い」をハッキリ意識するようにしてきたということ。

しかしながら、その場で口にする必要はない。 

これは好きだな。

こっちのやり方は好きじゃないな。 

理由は後付けでもいいから、直感で主観を示していく。 

最初は勇気がいるかもしれないけれど、 

それをなんとかつくりあげていかないと、

自分の中に主たる軸というものができない。

じゃあ、自分の「好き・嫌い」を身につける練習はどこでやってきたのか? 

僕の経験を遡ると、その原点は幼い頃に祖母から手ほどきを受けた 

「生け花」の稽古だったように思います。 

どの花が好き。

どの長さに切るのが好き。 

どの角度で挿すのが好き。

どの組み合わせが好き。 

無限のパターンから、どう生けるかを決めるレッスンは、 

大人になってからの〝直感を信じる決断力〞の基礎になったかもしれない。

今になって、そう感じます。

<著者プロフィール>

中野 善壽(なかの・よしひさ)
東方文化支援財団代表理事 元寺田倉庫代表取締役社長兼CEO 1944年生まれ。 幼少期、祖父母の元で「全ては自己責任」という考え方を厳しく叩き込まれ、 その意識は人一倍強く持っていると自負する。好きな言葉は「因果応報」。 その後、弘前高校、千葉商科大学卒業後、伊勢丹に入社。子会社のマミーナにて 社会人としてのスタートを切る。 1973年、鈴屋に転職、海外事業にも深く携わる。 1991年、退社後すぐに台湾に渡る。 台湾では、力覇集団百貨店部門代表、遠東集団董事長特別顧問及び 亜東百貨COOを歴任。 2010年、寺田倉庫に入社、2011年、代表取締役社長兼CEOとなり、 2013年から寺田倉庫が拠点とする天王洲アイルエリアを アートの力で独特の雰囲気、文化を感じる街に変身させた。 2018年、日本の法人格としては初となるモンブラン国際文化賞の受賞を果たす。 2015年12月台湾の文化部国際政策諮問委員となる。 2019年6月寺田倉庫退社、2019年8月、地域や国境を越えた 信頼感の醸成をはかり、東方文化を極めたいという飛躍したビジョンを持つ 東方文化支援財団を設立し、代表理事に。現在に至る。


『ぜんぶ、すてれば』の著者印税は東方地域で支援を必要とする子どもたちへ全額寄付されます。

この記事が参加している募集

推薦図書

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?