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静岡新聞「時評」寄稿記事

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静岡新聞「時評」欄に著者(静岡大学防災総合センター・牛山素行)に2,3ヶ月に1回程度の間隔で,災害に関係して筆者が考えることなどを寄稿しています.これらの記事を,紙面掲載後にこち… もっと読む
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記事一覧

能登半島地震 多様な現象が全て発生

(2024年1月24日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事)  元日の北陸地方を襲った能登半島地震。…

牛山素行
3か月前
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誤解多い『内水氾濫』 既知の現象 冷静に議論

(2023年10月31日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事)  大雨に伴う現象の一つに「内水氾濫」が…

牛山素行
3か月前
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特別警報運用開始10年 具体的な危険性 例示を

(2023年9月5日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事)  気象庁が発表する防災気象情報の一つに「…

牛山素行
7か月前
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風水害での安全確保 目標は避難不要の生活

(2023年7月12日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事)  風水害に関し「どう避難すれば安全か」…

牛山素行
9か月前
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(静岡)県警の津波避難ポスター 警察官も安全確保第一

(2023年5月17日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事) 画像は静岡県警ホームページより ※2023/06…

牛山素行
11か月前
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自然災害の『教訓』 基礎知識が対応力育む

(2023年3月25日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事)  過去に起こった自然災害の「教訓」を伝…

牛山素行
1年前
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災害情報の要約 『分かりやすく』の難しさ

(2023年1月25日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事) ※画像は気象庁ホームページより 2022年9月24日05時の1時間降水量と「線状降水帯の雨域」  災害情報を「分かりやすく」との声をよく聞く。そうした声に応え「分かりやすく」するために情報を要約することがよく行われるが、「よかれ」と思って行われたであろう工夫がかえって危険なメッセージになってしまっているのでは、と感じることがある。  例えば水害時の行動として「浸水が何センチを上回る時の避難は危険」といった趣旨の「

『緊急安全確保』の意味  避難所より次善の行動

(2022年11月23日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事  災害時に市町村が出す避難情報には、「…

牛山素行
1年前
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台風15号による記録的豪雨 地形の危険性 把握重要

(2022年9月28日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事)  9月23日夜から24日朝にかけ、県内は台風…

牛山素行
1年前
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災害時の避難行動 〝成功例〟より基礎固め

(2022年8月3日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事)  災害時の避難行動などに関する取材や講演…

牛山素行
1年前
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土砂災害警戒区域 住家ない場所注意必要

(2022年6月8日付静岡新聞への寄稿記事)  がけ崩れ、土石流などにより、住民などの生命・身体…

牛山素行
1年前
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民生委員の痛ましい事故 まず自身の安全確保を

(2022年4月6日付静岡新聞への寄稿記事) ※写真は被災箇所付近。2022年12月筆者撮影  昨年8月…

牛山素行
2年前
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災害情報の「空振り」 丁寧な議論を重ねて

(2022年2月9日付静岡新聞への寄稿記事)  災害を警告したり避難を呼びかける情報が出たが結果…

牛山素行
2年前
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災害時の死者・行方不明者名公表 平時に冷静な議論を

(2021年12月2日付静岡新聞への寄稿記事)  自然災害による死者・行方不明者の氏名を、家族等の同意なく行政機関が公表すべきか、という議論がここ数年繰り返されてきた。筆者は法的なことは専門外だが、見聞きする範囲ではこうした公表は法律等で明確に禁じられてはおらず、基本的には自治体の判断に委ねられているようである。  筆者は、災害時の死者・行方不明者の氏名や年齢、およその住所等は原則として公表してよいと考えている。まず行方不明者は、公表により行政だけでは把握できない情報を広