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「朧」- DIR EN GREY

 いや~、我らがDIR EN GREYの5/6の東京ガーデンシアターですが延期になりましたね。私、チケット取ってたんですよ、友人の分まで2枚。

今回は去年中止になった「The Insulated World」に伴うツアーファイナルとも言うべきライブの振替。

実に1年3か月ぶりの有観客ライブとなるはずだったのですが、GWに際した緊急事態宣言で大規模会場は軒並み封鎖。案の定、延期となってしまいました…。

仕方のないこととはいえ、こんなことをいつまで続けなければいけないのでしょうね。私たちの自由な日常が戻るのはいつになるのでしょうか…。ぶつけどころのない感情ばかり生まれます。

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↑完全にこれ



そんな最中、4/28に新譜「朧」が発売されました。

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稀にみる美しいジャケですね…ペーパードール作家の日野まき氏の作品らしいです。楽曲を聞いたイメージを形にしたとか。

3月の爆音上映会のトークショーで京さんが

「新曲は爽やかです。」

「太陽の碧ばりにPVも爽やか」

と言っていたときは半信半疑でしたが、このジャケを見て

「今回は本当に爽やかなのかも!!」

と私は胸を躍らせていました。







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ええ…(困惑)


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いやまあ分かってましたけどね(震え声)

そもそも京さん何処おるん?真ん中の髪長い人?誰?
いつから6人になったん?爽やかとは?

最近、アー写の奇抜さが凄すぎて大喜利染みてきましたね。
ここまでハードルを上げられると逆に次回が心配になりますね。


はい。


もうすんごいですね、規制が入らないのが不思議でならない。

どこまで行ってしまうの?DIR EN GREYさん?


楽曲としては音数を抑えたシンプルなバラードといった感じですが、イントロのシンセサイザーから深くドロリとした世界観に引き込まれます。

各所でのインタビューで、薫さんがこのイントロの部分に一番こだわったと書いてありましたね。彼らのライブよろしく薄い紗幕が降りていくような不穏な雰囲気を感じます。

DIRのバラードは京さんが終盤にかけて打点の高いハイトーンを連発するような曲が多いのですが、今回はバースは切々と語りかけるように歌われ、サビでも人並み外れたような音域を披露するようなことはなく、しっとりと歌い上げられている印象です。

それがまた良いですね…

彼の声質の美味しい部分を余すとこなく詰めているようなメロディが素晴らしいです。歌を際立たせる為のシンプルなアレンジも功を奏していて…。

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新城直衛中尉ばりのマジキチスマイルを浮かべてしまいますね。


加えて中盤に入ってくるストリングスのオケとギターソロが交錯していくパートがあるのですが、もう素晴らしすぎる。
終盤、ラスサビ終わりでもストリングスが入っているのですがそこも涙を誘います。


歌詞に関しては堕胎、連れ子、ネグレクト…など今までにDIR EN GREYがテーマとして幾度も扱ってきたような単語が浮かんできますが、今回特に想起させられるのはこの曲。

この曲の歌詞も我が子を自ら手にかけてしまうような恐ろしい内容なのですが、ラストの「あの子は無口に今も畳の下」という歌詞を初めて読んだときは背筋が凍りそうになったのを覚えています。

そして、「朧」の中にもこの重要な「畳」というキーワードが入っています。

そういえば映画「万引き家族」でも樹木希林さん演じるお婆ちゃんが亡くなったことを隠す為に遺体を畳の下に穴を掘って埋めるシーンがありましたね。(畳じゃなかったけ?)

貧しさや過酷な環境が愛情を歪めて人を不幸にする。
正に「人間の弱さ、あさはかさ、エゴが原因で引き起こす現象により、人々が受ける様々な心の《痛み》を世に伝える」という結成当初から24年経った今でもブレることを知らない、彼らの不変のテーマが結実した楽曲といえる「朧」。是非YOUTUBEのカットされたバージョンではなくフル尺で聞いてもらいたいと思います。


P.S

昨日、名古屋のDIR好きバンドマンa Soulless Painヨネさんと久々にこのテーマで盛り上がったのですが、「いよいよアルバム(の方向性)が見えん」と言っていました。むちゃ分かる。アルバム今年出ないかな~。
ライブも再開!FxxKコロナ!!

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