「好き」なネイルと「美人」なネイル

特に人より上手にできることもなく
特に人より才能があるわけでもない私でも

「私にはこれができます。」

と言えることが人生にいくつかあるとしたら、
その中の一つは間違いなくネイルだと思います。

今日は美容とというかその「ネイル」について書きたいと思います。

10年以上ネイリストをさせてもらったので
流石に一通りのアートは体験して来ました。
アクリルスカルプ全盛期だったので、フォーム2枚3枚のハイパーロングネイルから
キャラも、実写人間も、スイーツも、ロックもポップも。

ネイルに関わり初めて正味14年目に突入する私には、私なりのネイル論が一個あります。

こっからは完全に持論なので
ふーん程度にみてもらえれば。

「好き」なネイルと「美人」なネイルは別物

これ、すごく当たり前に聞こえることだと思うのですが、ちゃんと意識するとネイルで得られる満足度が違ってくると思います。
あるタイミングから、お客様とのカウンセリングの間にお客さまの求めている「なりたい気分、目指すライフデザイン」を聞くようにして
(そんなダイレクトには聞なかなかったけど)
そこから「装飾」と「美容」に分けて施術をしました。

ネイルは「美容」なんですけど、「アクセサリー」の役割も担うことのできる不思議な立ち位置です。
お客様がネイルにどの役割を求めているかをふんわりでいいので把握すると、アドバイスしやすくなります。

好きなものを眺めていて幸せな気持ちになるお客様の爪には「好き」を詰め込みました。「好き」なネイルです。
もう、それこそ爪だけをみて作ります。お客様の好きを表現するのでアートの要素が強いです。
このお客様にはネイルはアクセサリー的な、装飾の役割になります。
目で見て幸せなくらい、ネイルが主役なくらいのもので思い切る必要があります。
もちろんあまりに生活に危険なものなんかは引き止めますが、それでも可能な限り詰め込みました。
キャラネイルのこと?と思うかもしれませんががっつりジュエリーっぽいネイルもこれかな。

私のお客様は比較的好きなネイルをする方が多かったので、
おかげさまで何個も記憶に残るネイルが爆誕していきました。

ジャック・スパロウの顔を3Dパーツで作ったり
両手にピンセットを持って爪の上にブラックパール号を組み立てたりしたこともありました。。。

こういう「好き」を詰め込んだネイルがお客様にプレゼントできる気持ちは
大好きなものをみたときや、すごく綺麗な美術品をみたときのような、高揚感。
人間の体の中で、ここまで自由に色々できるのは爪くらいなのでは?と思うのでネイルの大きな魅力だなと感じてます。

そしてもう片方、「美人」なネイルはいうまでもなく美容の要素が強いです。
「手が綺麗に見える」「品がよく見える」「メイクの邪魔をしない」「ファッションが普段こういうものなので浮かないように」など
生活の中の一部に溶け込み、その人が作りたい雰囲気へ近づけるものです。
こちらのネイルはネイルだけみることは絶対にしません。
髪の色も肌の色も全体の雰囲気も手の骨の感じもみます。
生活スタイルもお聞きします。爪の形や長さが所作に関わるからです。

この場合はネイルは主役ではありません。
それでもネイルをしている時の方が美人度が上がることが重要なので、なりたい像やその方の持つ雰囲気をしっかり把握するとお客様と息が合います。

もちろん、手が綺麗に見えることや使いやすい形であることなど、「好き」も「美人」のどちらのネイルにも共通して重要なものもあります。
ただ仕上がりの方向性を決めておくと、ちゃんと世界観を持ったものになります。

上二つのどちらの要素も持った場合もとても多いのですが、それでも掘り下げると比較的どちらかの要素を意識すればいいのかがわかったりします。

どっちが正解というわけでもないのですが、私は結構、美人なネイルの要素が強い方が好きだったりします。
マツコさんのネイルとかIKKOさん、叶恭子さんのネイルはさすがだな、って思うようなご本人の魅力を引き出す「美人」ネイルだなっていつも思うので、ぜひそんな目線でネイルを見て欲しいです。
綺麗なんです。女っぷり(?)が上がってるんです。

好きとか楽しいとか嬉しいとか、感情にもいろんな種類があるように
美容やアートにも本当に絶妙なニュアンスがあるのでそういう目線を持った美容マニアでありたいな。

今はもうメインでネイリストはやっていないけど
ネイリストって「こんな感じの目的をゲットしたいのー」っていう漠然としたイメージを具現化するだと思っています。

次のネイルに悩んでる方、お客様への提案で悩んでる方、もしちょっとでもご参考になれば嬉しいです!



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