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【詩】彗星

一瞬だった。

周回軌道上でほんの一瞬、
手が届くほどに近づいた。

目が眩むような輝きの中で、
視線を交わした。

そのあとはただただ離れていくばかりで、
目で掬いとるように影を集めた。

もう出会うことはないだろうと思った。

お互いにあさっての方向を向いていた。

あのときの光景は目に焼き付けたまま

永遠に走っていける気がした。







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