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音楽と映像の力を感じた2作品

本当にたまたまだったのだが、2つのアニメの視聴をちょうど同じタイミングで完了した。
『プリンセスコネクト!Re:Dive』

dアニメストアより

それと、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』

dアニメストアより

全然毛色の異なる作品だ。かたや、美少女スマホアプリゲームのアニメ。かたや、泥臭い地上戦を行うロボットアニメ。異質な2つのアニメ。
でも、1つ共通点がある。作られた年代もジャンルも全然異なるこの作品の1つの共通点。

それは、音楽が田中公平が担当していることだ。


音楽と映像の力

この2作品の音楽を担当しているのは、田中公平。アニメ業界において数々の名BGM・名OPを作成してきた。
『サクラ大戦』や『機動武闘伝Gガンダム』、『トップをねらえ!』などの音楽を担当しており、数々の名BGMを作成している。

今回の2作品も、素晴らしいクオリティの音楽だった。
08小隊の『震える山』(通称ノリスのテーマ)なんかは、地上戦を主体とした作品にピッタリな重厚感たっぷりな曲だったし

プリコネはOPが良すぎる。
各シーンでかかるこのOPアレンジも、最高だった。


そして、この2作品のどちらも見終わった時、同じ感想になった。
それは、「音楽と映像の力ってすげぇ…」という一言だった。


シンプルなストーリー、もうちょい重さを…

奇しくも、作品を完了した後、08小隊とプリコネで評価がほぼ同じだった。
シンプルだが、若干の詰めの甘さが目立つストーリー。それを作画(映像)と音楽の演出力で、「良いもの見た」レベルまで持っていく。
そんな評価に両作品ともなった。

奇しくもストーリーもよく似ている。
08小隊は、戦争で敵同士になったアイナとシローという2人のパイロットの恋物語。プリコネも、スパイとして敵対するキャルとペコリーヌの友情物語。両作品とも、敵同士という立場の違いがあるけども惹かれ合うという点では共通だ。

古典的な表現だと、『ロミオとジュリエット』的なストーリーラインである。めちゃくちゃシンプル。


話の構成も似ている。
主軸はロミジュリ展開でありながらも、そこまでの話で周りのサブキャラを掘り下げていく。

そして、残念ながらそれに対する評価も全く同じになってしまった。
特に良いエピソードがなかったというのが結論。

プリコネは正直ソシャゲのイベストのような感じで、毒にも薬にもならないゆるふわギャグ展開だった。かな~り視聴するのがきつかった。

08小隊も、まぁ悪くはない、といった感じで、前述した通り、作画や音楽がなければ結構見るのしんどかったと思う。特に、全員青臭かったり、とても軍人とは思えぬ思想・問題児ばかりで、かなりイライラするところが多かった。


そして、肝心のメインストーリー。主人公とヒロインの2人の話。
対立する2人の関係性がどのように進むのか、というところである。
これも全く同じ評価になってしまった。
「重さ」が足りない。

物理的な話ではなく。暗い雰囲気にしろ、と言っているわけでもない。
キャラたちが繰り広げるドラマに、「重さ」が感じられないのだ。真剣さや覚悟、葛藤が生まれる理由、そういったものが。
これを視聴者に感じさせるには、キャラたちの行動原理になるようなエピソード、設定なんかを上手く描写しなきゃならんのだが…


プリコネに関しては、もうちょいキャルがどうしてあんなに敵ボスに心酔しているのか、そうした補足描写があれば、もう少しストーリーに重みが出てきた気がする。ハッピーエンド縛りであるなら、死者を出したりとか、そうした重い描写は難しかったんだろう。であるなら、そういった補足でドラマをより盛り上げるしかないと思う。ゲームではあったかもだけど、アニメではその描写は一切記憶がない。

08小隊に関しては、本当にお前ら軍人かい、といった軽さがある。
流石に、あのシローとアイナをカッコいいとは思えない。最終話のアイナとか、自分が情けをかけたから病院船を撃墜させてるしね…
プリコネと違い、こっちは職業軍人が戦争をしているんだから、そうした戦争の重さをしっかりと描写してほしかった。

サブキャラのエピソードも含めて、なんか全員「軽い」んだよなぁ…
まぁでも、プリコネは作品のコンセプト的に、そんな重たいものを描く話でもないだろうし、及第点ではある。ペコリーヌがキチンと主人公してるしね。
ただし、08小隊は作品の雰囲気と真逆の方向性だったのは良くないと思う。


この1シーンのために

結構ボロクソ言ってしまったが、見てよかった作品ではあった。
この1シーンのために見てよかったと思えるシーンが両作品ともに存在していたからだ。

08小隊は10話、『震える山(前編)』。言わずと知れた、ノリス・パッカードが操るグフ・カスタムが大活躍する超名戦闘シーンである。
ノリスのかっこよさ、重厚さを感じるMSの描写。遅い戦闘シーンなのにも関わらず見ごたえを作るコンテ。最高の1話だった。


プリコネは単体で記事を書くほど超絶神作画だった、第4話。これは本当に好きな戦闘シーンだ。

4話以外にも、実はOPのアレンジがかかるたびに泣きそうになっていた。
話というよりは、演出力に泣かされかけていた気がする。
ストーリー的に一番好きなのは、2期の第一話。冒険の楽しさ、憧れ、キラキラ感。そんなものを感じられて、思わず涙ぐむ。素敵な1シーンだった。


とにかく、両作品ともに、この1シーンのために見るべき、と言えるようなパワーがある作品だった。そういった力強さ、クオリティを持っている作品に出会えたことは非常に嬉しい。

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