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群馬一人旅日記 山と優しさ

5月1日・2日と群馬県沼田市に旅行に行ってきた。旅行中に思ったことをつらつらと書いていこうと思う。完全に日記。

GW、なんかみんな有給取る流れになり、自分も取得。そしたら、驚異の9連休になってしまった。絶対混雑しているし、宿泊地も高いだろうと思い、どこにも行く予定はなかったのだが、9連休をさすがにどこにも行かないで過ごしてしまうのは、なにか人間として危機感を感じた。

ということで、一人旅に行くことに。GWなので、ビジホも含めてどこも高いだろうと思っていたので、ネカフェに宿泊することも前提で検討したかったので、誰も誘わず。

行き先の候補としては、色々あったが、あまりお金をかけたくなかったので関東近郊に絞る。その中でも、昨年夏から色々と真田丸(というか真田)の聖地巡礼をしていたので、その一環として群馬県の沼田市に行くことにした。


真田と言えば、日ノ本一の侍と言われる真田幸村が有名だが、彼には実兄がおり、名前を真田信幸(信行)と言う。その兄が、関ヶ原の戦い以降、徳川から領地をもらい、収めたのがこの沼田。

真田丸での大泉洋の熱演で、信行のことは大好きだったし、ラストも、この沼田で新たな時代の中で人々を治める信行の背中で終わる。そんな信行が統治した沼田の景色を見たく、行ってみた。
派手な天守閣やら、観光地があるわけでもない。恐らく誘っても誰も来てくれなかっただろうから、一人旅にはぴったりだ。


群馬のアクセス

以前、一人旅でフラッと大洗に行ったことがあったのだが、その時は思いつきで行っても、あまりスケジュール的に問題なかった。大洗まで到着するまでに水戸という観光地もあったし、それなりに電車の本数も出ていた。

が、今回の群馬(沼田)行きは全然違った。そもそも上越新幹線がかなり本数が少ない。おまけに、沼田までは1時間に1本の、JR線かバスしかない。1本逃すと到着時間が1時間変わった。

「未開の地グンマー」なんてネタにするが、本当にギリ関東、といった感じで、アクセスの違いに驚いた…


1時間ちょいの新幹線と、上毛高原駅という謎の駅からのバスで30分かけて、沼田に到着した。

新幹線がある駅とは思えない「上毛高原駅」

バスの道中、はじめてバスの方向転換のための回転式テーブルを目撃した。
バスが乗っかると、自動で床が回り始め、バスの方向転換が行われるのである。無駄にハイテク。世の中には自分の知らないインフラがまだまだある。

ちなみに、そうして1分くらいかけて回転した後、その駅のバス停で乗ってきた人は一人だけだった。


沼田の何もなさ

沼田駅に到着。素晴らしい「何もなさ」。
早速、本日のメイン観光地、沼田城跡地に作られた沼田公園に向かうことにする。グーグル先生に従って駅から公園までの最短ルートで向かったのだが、この道中が素晴らしかった。


写真が下手すぎて伝わらないが、めちゃくちゃ良い坂。
急勾配の坂に、くねくねした階段。畑が併設された家がポツポツと並ぶ感じ。すごい「おばあちゃんの家」って感じがする。
庭先に、各家庭で育てられていた花がきれいに咲いていて、これも良い感じの風情を感じられた。

道中いきなり国有地があったり、申し訳程度のソーラーパネルが置かれていたり。そのソーラーパネルの中途半端さもすごく愛おしい。

突如現れた国有地。なんでこんなところにポツンと。


この急勾配の坂を登りきると、突如として謎のトンネルが。恐らく、反対側の道路に出るためのものなんだろうけども、雰囲気が怖すぎる。日中だったから良かったものの、絶対に夜だと入ろうとは思わない。


坂を登りきると、素晴らしい沼田の風景が。本当に山の中の生活、って感じがして、素敵な光景だった。信行もこのような光景を城から見ていたと思うと少し感動。


沼田公園は、城跡、というだけあって、本当に何もないただの公園だった。保育園の散歩が行わてたり、すごい平和な空間。これはこれでイイんですよねぇ…

途中、散歩中のおばあちゃんに話かけられた。けども、自分がコミュ力がなさすぎて、上手く話を続けることができず…申し訳なかった…
保育園の先生たちにも話かけていたし、毎日この公園を散歩しているとも言っていたので、散歩中の会話が貴重な娯楽なんだろうなと。確かに、ネットもない環境だと、自分も公園を毎日徘徊して喋りまくる老人になってしまうかもしれない。


すごく気になったのが、公園内の沼田城に関する掲示板で、何度もある時代の領主がヘマをしたせいで、取り壊されたと書かれていた。何をしでかしたんだ…そこを記載してくれよ…


商店街の必要性

沼田市観光協会で、六文銭食べ歩きチケットなるものを購入し、遅めの昼食を兼ねて食べ歩き。枝豆メンチというのが地元高校生考案の名物料理らしいのだが、何件か肉屋を行っても品切れだった。ガーン、だな…

真田と言えばそばということで、そば屋に入ったら、老夫婦が絶賛くつろぎ中。凄まじい速さで身を起こすおばあちゃんが少しシュールだった。
ちょっと申し訳ないと思いつつ、きのこそばを食す。めちゃくちゃ優しい味だった。

こういうレトロな外観が残ってるのもヨイ

途中、古物屋?か何かのお店で、商品のスピーカーのPRのためなのか、爆音で演歌を流しているお店があった。
ほとんど人通りがない商店街で、爆音で街宣車のように流れる演歌。もはやテロ。面白さと寂しさが混じった何ともいえない奇妙な感情になった。


途中で、群馬名物、焼きまんじゅうを食べた。『孤独のグルメ』でゴローちゃんが食べていたやつ。あっちは高崎で、だったけど。

まんじゅうにこれでもかと塗られまくった味噌に、中身にあんこが入っているという変わりもの。
あんこの甘さと、味噌の控えめ塩分が合わさって何とも言えない味になる。美味しさよりもデカさにびっくりした。一串でこれって…

この焼きまんじゅうを買った和菓子屋で、しばらくおまんじゅうを食いながら地元の人たちの会話を聞いていた。
今まで、こういう小さなお菓子屋が生き残っていた理由がわからなかったが、この日の会話で少しわかった気がする。

1つは、和菓子の存在が大事なコミュニケーションツールというか、1つの儀式的な存在になっているということ。親戚が集まったり、誰かが来るときには、和菓子を提供するという、そういう文化が前提にあるということ。だから需要が一定数ある。

そして、もう1つは、めちゃくちゃフレキシブルなこと。基本手作りだから、事前に注文を受ければだいたいのお菓子は対応して作っていた。つぶあんをこしあんにしたり、パックの個数を柔軟に対応したり。
大きな集まりなどに合わせて、個別に良い感じの注文を受けて対応することで、スーパーにはない利便性で需要があるのかなと。

こういうフレキシブルな感じや、コミュニケーション取りながら商品を決めていく感じは、商店街ならではだよなぁ。


老神温泉へ

適当に前橋あたりにでも行ってネカフェに泊まるつもりだったのだが、そこそこ沼田から遠いし、ネカフェ自体の場所も駅近くにないし…
ということで、安い宿を見つけたので、老神温泉に行ってみた。

いい感じに寂れていた。箱根だのなんだのの、賑やかな温泉地もいいけども、これくらい寂れた温泉旅館もイイものだ。

「ル」の片方が落ちてる

これもまた、老夫婦が経営しているいい感じの老舗な旅館に宿泊。部屋の古さとかは目立つけど、掃除は行き届いているし、何より源泉かけ流しなのがアツい。これで朝食付きで8,000円しないのは非常にお得だと思う。

夕食は付いていなかったので、コンビニやら商店街で買ったもので読書パーティー。ゆる言語学ラジオで聞いたインプット奴隷合宿っぽくて、楽しくなってきた。

酒とご飯とお供の本

やっぱ旅館って、雰囲気が良い。途中、メンチカツを温めてたら、味噌まんじゅうを女将さんがくれた。あったけぇなぁ。


さっさと帰れるのが一人旅のいいところ

翌朝、うぐいすの鳴き声で目が覚める。
めっちゃ旅館っぽい目覚めだ…

食堂で女将さんが作ったと思われる朝ご飯を食べる。自分だけの貸し切り状態。玉ねぎが入った、懐かしい味噌汁と、野草が美味しかった。

こーいうのでいいんです、こーいうので。

旅館の雰囲気も含めて、家庭的で、すごくリラックスできた。
今度は大量に食材を買い込んで2泊3日でインプット奴隷合宿したい。


どっか観光したほうがコスパは良いんだろうけど、なんか疲れたなと思ったらサクッと帰れるのが一人旅のよいところ。
乗り継ぎの電車待ったりするのがめんどうくさいので、朝食を食べて二度寝したら、そのまま東京に帰ることに。
帰る前に旅館周辺を散歩して川のせせらぎと、うぐいすの鳴き声を聞いてバスに乗って老神温泉を離脱。

最後、行きにも利用した上毛高原駅でハヤシライスを食べて、今回の一人旅は終了!


田舎だけどもいい場所

観光資源も少ない、本当の田舎だなって感じがした。
それでも鉄道やバスもあるし、本当のど田舎、ではないんだろうけど、だからこそ、特にスポットが当たることなく、人口減少でゆっくりと衰退していくような田舎だ。

でも、いい場所だったと思う。
人も優しいし、ゆったりとした雰囲気があって…
雄大な山に囲まれて、俗世界の忙しい雰囲気からは外れた感じを感じられた。

自分の故郷も、(ここまで田舎じゃないけども)山に囲まれた土地にあることもあり、少し懐かしい感じがした。すごく落ち着く。大洗も良かったけども、海よりも山のほうが自分は好きなのかもしれない(見るだけなら)。

また来たいなと思えた、良い土地でした。
以上!

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