ペルソナ05

andGIRL 雨の日ヘア×ファッション に学ぶ、定番アイテムを自店で買ってもらうペルソナ

2019年の梅雨は、東京では日照時間がほとんどない曇天のオンパレードでした。消費者的には思い切りインドアになるシーズンですが、実はお店的にはそれほど悪い時期ではありません。傘やブーツなどの「レイングッズ」を展開できる時期だからです。

レイングッズはどんな人にとっても定番かつ鉄板アイテムなので、一定の需要を見込むことができます。でも難しいのは、チャンスなのは他店も同様なので、品揃えか売り出し方(あるいは価格)にインパクトが無いと、埋もれていってしまうこと。

こんな時こそペルソナの出番です!お客様は同じ時期に同じ商品をどうしたら自店で購入してくれるのか?それを定義するには、代表的なお客様イメージであるペルソナを立てることが有効な対策になります。ペルソナが決まれば、仕入れ・売場展開も決まります。

…とはいっても、このために詳細なお客様プロフィールを用意する必要はありません。ペルソナに必要なのは、細かい人物設定よりも消費につながるわずかな情報なのです。そのことを知るために、今回は女性ファッション誌『andGIRL』を取り上げます。

『andGIRL』は、20代後半~アラサーOLを主な対象として、アクティブな通勤ファッションを紹介する女性ファッション誌で、華のある雰囲気のスタイル提案を得意としています。2019年7月号は梅雨時のコーディネートを紹介する記事が巻頭特集になっています。

『andGIRL』2019年7月号
特集:可愛いを諦めない!シーン別「雨の日ヘア×ファッション」今年の戦略

SCENE01 外回りが多い日
濃い色ボトム(雨飛びが目立たない色選びが基本)×ひとつ結び(キリっと感も出て一石二鳥!)
→うねり・広がりを防いで1日中好印象をキープ
SCENE04 どしゃ降りの日
モノトーンコーデ(あえて黒コーデでカッコ可愛く)×レインブーツ(雨を気にせずガシガシ歩ける)×シニヨン(低め位置なら会社でもOK)
→雨を楽しんじゃうくらいの余裕を見せて!

上記で取り上げているのは「雨通勤」のシーンで、記事ではほかに、「雨デート」「雨女子会」と続いていきます。

ポイントは2つあります。

①ペルソナが雨の日に気にしていることがわかる

この特集自体が、梅雨シーズンは「服が汚れやすくなる、髪が乱れやすくなる」といった読者OLの悩みに答えるものになっています。ひとつひとつの悩みは言わずとしれたものですが、対策でヘアとファッションをつなげていることがポイント。

商品・サービスの分類上、ヘアとファッションは通常別物です。しかし、お客様の中では「雨の日もどうにか可愛くしたいもの」としてつながっています。ペルソナの志向を軸に考えることでお客様本位のクロスセル提案が考えやすくなります。

②ペルソナの心情から必要なアイテムがわかる

梅雨シーズンに「レインコート」「レインブーツ」を売り出すことは、販売員経験者には既知の情報かもしれません。ただ、こうした定番アイテムを「自店で」買ってもらうという課題に対してどんな工夫が必要か考えるのはけっこう難しいところです。

そこで雑誌からペルソナ情報を参照します。すると、「濡れても目立たない」「季節感を感じられる」という理由で、濃い色・モノトーン・水玉などのデザインが好まれているのがわかります。お客様の気持ちを通じて必要な商品の種類が見えてくるのです。


今回のエントリーでは、「○○タイプ」のような直接的に人物像を示すペルソナは登場していません。しかし、ペルソナの「雨の日」に対するスタンスがわかっていれば、難なく商品展開まで落とし込めことができます。

ペルソナといっても詳細な人物プロフィールが毎回必要なわけではなく、あくまで「消費につながる情報」がひとつあれば事態を打開できる、ということがわかる好例です。定番品目の売り方に困ったら、ペルソナから入りましょう。

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リサーチャー|【マーケットをつくるリサーチ】をライフテーマに活動中|上智大学新聞学科→学研→マクロミル→大手総合ECサイト|著書『売れるしくみをつくる マーケットリサーチ大全』(明日香出版社)|マーケティング/アンケート調査/ブランド/小売・サービス/雑誌研究/広報PR
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