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フックガイとしてTy Dolla $ign、Nate Doggとも比較される、西海岸発のラッパーBlxstとは?!
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Blxst(ブラスト)は、デビューEP「No Love Lost」(2020)で脚光を浴び、Ty Dolla $ignとTygaをフィーチャーしたシングル「Chosen」は彼の曲としては初めて全米チャート入りを果たしました。
またXXLによる「Freshman Class 2021」に選出され、2022年にはFireboy DMLのヒットソング「Peru」のリミックスに抜擢されるなど、今最も注目を集めているラッパーの1人です。
そんなブラストがこの度、ニューアルバム「Before You Go」(2022)をドロップ。
ここでは、あまり知られていない彼のこれまでのキャリアに迫ってみたいと思います。
レーベル : Red Bull Records, Evgle
リリース日 : 2022年4月8日
名前 : Blxst
本名 : Blxst / Matthew Dean Burdette
年齢 : 29歳
出身地 : カリフォルニア州ロサンゼルス
ローカルシーンで名を馳せる
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ロサンゼルスのサウスセントラルで育ったブラストは、物心ついたときからヒップホップに囲まれ、母親はLauryn Hillのレコードを聴き、元ラッパーの叔父からはヒップホップを教わったようです。
叔父は俺が初めて知ったラッパーで、そのおかげで俺はラップというものに出会ったんだ。
叔父はいつも「ラッパーになりたいなら、毎日辞書で単語を探し、その意味を見つけなさい」と言っていて、それがいわば言葉遊びの助けになったね。
あと、母と妹が家にレコードを置いていて、レコードプレーヤーでローリン・ヒルなどを聴いていたのを覚えているよ。
常に俺の周りにあったものだったね。
その後、友人に誘われてラップグループTIU Muzicに加入してキャリアをスタートさせ、2014年にはHitta J3が発表したシングル「Do Yo Gudda Remix」はブラストがプロデュース。
YG、Kendrick Lamar、Problemなどの西海岸の主要人物たちが参加したこともあり、ストリートヒットとなりました。
Hitta J3 feat. Problem, Kendrick Lamar & YG - Do Yo Gudda Remix (2014)
また彼は、Kanye WestやPharrellに大きな影響を受けたようで、Ryan Leslieのようなプロダクションもできるアーティストを目指していることも明かしています。
俺は本当にたくさんのアーティストを聴いて育ったんだけど、主にKanye West、Pharrell、Ryan Leslieかな。
彼らがプロデュースしたアーティストもね。
子供の頃は、そんなことができるなんて思ってもいなかったから、それを聞いてやってみたくなったんだ。
Ryan Leslieのビデオで、彼がゼロからそれをやっているのを見て、「ああ、これこそ俺がやりたいことだ」と思ったんだ。
何でも自分でやってみたいんだ。
その後2015年にレーベルEvgleを立ち上げ、2018年にEric Bellingerとシングル「Can I」をリリース。
またロサンゼルス出身のラッパーKalan.FrFr.のシングル「Right Wit It」(2018)ではプロデュースをするなど、徐々にローカルシーンにその名を広めていきました。
Blxst feat. Eric Bellinger - Can I (2018)
翌年には、ロサンゼルスを拠点に活動しているBino Rideauxとコラボアルバム「Sixtape」(2019)をリリース。
ブラストはこの作品の全曲をプロデュースしており、前述したKalan.FrFr.との共演がきっかけで、彼が2人の橋渡しをしてくれたと明かしています。
Binoとの関係は、実はKalanの曲を通して生まれたんだ。
あの曲は俺がプロデュースしたんだけど、彼(Bino)がKalanに連絡を取って、"誰がプロデュースしたんだ?"っていう感じだったみたい。
彼(Kalan)は俺とBinoを結びつけて、連絡先を交換したんだ。
はじめは彼のテープ(Sorry 4 Tha Waitのテープ)の5曲をプロデュースしただけだったんだ。
その後、彼に「Savage」という曲を送ったんだけど、彼が「Sorry 4 Tha Wait」のテープに入れたら、ストリートですごく盛り上がって「ブラザー、一緒にテープを作ろう」となって、それが実現したんだ。
1週間くらいで完成して、そのままリリースしたんだよ。
ストリートが気に入ってくれたんだ。
Bino Rideaux & Blxst - Savage (2019)
デビューEPで脚光を浴びる
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2020年にRed Bull RecordsからデビューEP「No Love Lost」をリリースし、Heatseekersチャートで3位を獲得。
Red Bull Recordsは、エナジードリンク "レッドブル" で知られるRed Bull GmbHの子会社で2007年にレーベルが設立されました。
その後、スコットランドのロックバンドTwin AtlanticやメタルコアバンドBeartoothなどと契約し、近年はラップグループWarm Brewを輩出するなど、世界のラップミュージックの需要に合わせて注力しているようです。
そのRed Bull Recordsについてブラストは、「自分のメンタリティーを理解してくれたことが契約につながった」と語っています。
彼らは俺の開拓していくメンタリティーを理解してくれたんだ。
俺はすでに自分自身に自信を持っていて、積極的だから、自分が中心でないメジャーな状況に飛び込みたくなかったんだ。
チームに入ってすぐにスタメンになったようなものだね。
このチームのインフラはとても気に入っているし、俺のチームはまるで昔から一緒に仕事をしてきたかのように、彼らのチームと一緒に仕事をしているよ。
この作品でも全曲をプロデュースしたブラストですが、収録曲「Overrated」ではDonell Jonesの「This Luv」(1999)をサンプリングしています。
この曲について、彼は次のように明かしています。
『Overrated』はDonnell Jones(This Luv)をサンプリングした曲なんだ。
この曲は、回想しているような感じがするから、みんなが共感してくれるような気がしたんだ。
あの曲はもう聞いたことがあるような気がするし、歌詞も良い。
オリジナルのコンセプトの裏返しでもあるんだ。
Blxst - Overrated (2020)
Donell Jones - This Luv (1999)
デビューEPながら、同年にデラックスエディションをリリースし、Ty Dolla $ignとTygaがゲスト参加した「Chosen」(2020)は、TikTokでのバイラルヒットで注目を集め、R&B/Hip Hopチャート11位を記録。
YouTubeでは5000万再生を記録し、全米中から脚光を浴びることになったこの曲について次のように明かしています。
ただ作業していただけなのに。作るのが楽しく感じられた。
何か違う感じがしたんだ。
レコーディングしているときに、違うエネルギーを感じたね。
それからTy Dolla $ignがバースを作って、そこから一気に盛り上がったんだ。
Tyは兄弟だよ。
俺は彼を先生として見てて、俺は生徒なんだ。
そういう風に見るのが好きなんだ。
でも個人的なことは何も言わずに「お前、ちゃんとやれよ」って、ちょっとだけやる気を出してくれるんだ。
でも俺は全部見てる。
何も言わなくてもチャンスをくれるなら、俺はそれに応えるよ。
Blxst feat. Ty Dolla $ign & Tyga - Chosen (2020)
翌年には、ヒップホップメディア誌XXLによる「Freshman Class 2021」に選出。
Morray、Coi Leray、Pooh Shiestyなど若手らしいトラップビートでヒットした彼らとは異なり、プロデューサーとしても魅せるブラストは1人別格の存在であったのは間違いないでしょう。
これにより一躍その名が業界に知れ渡ったブラストは、NasやRick Ross、Snoop Doggの作品に抜擢。
ブラストは過去にこうしたコラボレーションについて、西海岸のスタイルに忠実であるだけでなく、自分のブランドを人々に知ってもらうことが重要であると述べています。
違うジャンル、違うサウンドにアウトソースすることは、自分のブランドにとって良いことだと思うだ。
なぜなら世界は広いし、俺がある場所で知られているからと言って、すべての人が知っている必要はないと理解している。
クロスブランディングは、ブランドにとって非常に重要なことだと感じているよ。
関連するSnoop Doggの記事はこちら。
Nas feat. Blxst - Brunch On Sundays (2021)
西海岸から全米のフックガイへ・・・
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ブラストは、その歌声からNate DoggやTy Dolla $ignとも比較されることが多いと明かしており、フックガイになることにも納得しているようです。
大抵はTy Dolla $ignやNate Doggと比較されることが多いんだ。
俺のフックに惹かれる人が多いからだと思うんだけど。
だから、彼らは俺が※フックガイになると言っているんだと思う。
大賛成だよ。
※フックガイ
他のアーティストの曲のフック(コーラス)に頻繁に登場する音楽アーティストのことを指す。
Akon、T-Pain、Nate Dogg、Jeremihなど。
このように、彼のメロディアスなラップとレイドバックしたサウンドは、G-Funkや西海岸を彷彿とさせ、幅広いオーディエンスから支持されているようです。
今回はニューアルバムをチェックする前に、彼の楽曲と歴史をおさらいしましたが、いかがだったでしょうか。
次回はニューアルバムの解説となります。
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