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"日本人が深く関わったリル・ウージー・ヴァートのNewアルバム「Pink Tape」:ヒップホップが進化する瞬間"

Lil Uzi Vert(リル・ウージー・ヴァート)は、2015年のミックステープ「Luv Is Rage」をリリースした際に大きな注目を集め、その結果、有名レコード会社であるAtlantic Recordsと契約を結ぶことに成功しました。

彼の2017年の音楽作品は大成功を収め、EP「Luv Is Rage 1.5」および初のアルバム「Luv Is Rage 2」に収録されたシングル「XO Tour Llif3」は全米チャートでトップ10に入りました。このヒット曲はSpotifyで10億回以上再生されており、彼の人気を物語っています。

彼は独特のルックスでも知られており、顔のタトゥーや奇抜な髪型で注目を浴びています。また、彼が約24億円相当のピンクダイヤモンドを額に埋め込んだことは大きな話題となりました。

2023年には彼の待望の3枚目のアルバム「Pink Tape」がリリースされました。この記事では、その新作アルバムについて詳しく見ていきましょう。

レーベル  : Atlantic Records & Generation Now
リリース日 : 2023年6月30日
名前    : Lil Uzi Vert
本名    :    Symere Bysil Woods
年齢    : 27歳


出身地   :    ペンシルベニア州フィラデルフィア

「Just Wanna Rock」のヒット

2022年10月、リル・ウージー・ヴァートはアルバムのリードシングル「Just Wanna Rock」をリリースしました。この曲は事前にTikTokで披露され、その結果、動画は4億回以上の再生を達成しました。

さらに、この曲はJersey clubスタイルの音楽として人気を博し、TikTok上では100万本以上の動画で使われました。特に、TikTokはダンス動画が多いプラットフォームであり、そのダンスフレンドリーな雰囲気と「Just Wanna Rock」の音楽性がよくマッチしていたことが、この曲の大成功を生んだ主な要因とされています。

Lil Uzi Vert - Just Wanna Rock

この大成功はソーシャルメディアだけでなく、音楽チャートにも影響を及ぼしました。「Just Wanna Rock」は全米チャートトップ10入りを果たし、Spotifyでも4億回以上再生されています。

また、リル・ウージー・ヴァートは、この曲が未完成であることを明かし、こう発言しています。

あの曲は確かに未完成だ。ビートの終わりもめちゃくちゃだ。
みんなは俺がラッパーである前にダンサーだったことをみんな忘れている。
俺はこれらをでっち上げたわけじゃない、それがフィラデルフィアとジャージーのクールな子供たちの踊り方なんだ。
俺はただそのカルチャーに光を当てているだけなんだ。

リル・ウージー・ヴァートは以前にも2019年のシングル「Futsal Shuffle 2020」で音楽とダンスをうまく組み合わせ、全米チャートの5位に躍り出ました。そして今回リリースした「Just Wanna Rock」の大成功により、彼の音楽とダンスを組み合わせるアプローチが間違いなく効果的であることを再確認したと言えるでしょう。

アルバム「Pink Tape」について

最新アルバムは、リル・ウージー・ヴァートにとって2020年にリリースしたセカンドアルバム「Eternal Atake」以降初めてのリリースとなります。当初は2021年10月にファンのもとへ届ける予定でしたが、彼の求める音楽のクオリティに達していないと感じたため、リリースは最終的に延期されました。

最近のインタビューで彼は、驚くべきことに今作に向けて約700曲もの曲をレコーディングしたことを明らかにしました。
さらに彼は、このアルバム作成プロジェクトにはアルコールや薬物を一切使わず、完全に素面で取り組んだとも付け加えています。

「最初は難しかった。でも、たぶん1ヵ月もしたら慣れたよ。
もうドラッグをやっていないんだから、クリエイティブなプロセスは変わらないと思った。でも同じだった。もっと良かった。もっとクリアに考えられるようになったし、言葉が不明瞭になることもなくなった。ただ適当に音楽を作っていたわけじゃない。なんて言ったらいいんだろう?ビートに乗って演奏したわけじゃない。今回は実際にトピックを持って曲を作ったんだ」。

彼の新作は、全26曲が収録されており、トラヴィス・スコットニッキー・ミナージュドン・トリヴァーといった豪華なゲストアーティストが参加しています。
そして、驚くことに、日本のアイドルメタルバンド、BABYMETALも参加しています。この意外な共演は、リリース後に多くのリスナーを驚かせました。

収録曲について

「Flooded the Face」

アルバムのオープニング曲「Flooded the Face」は、リル・ウージー・ヴァートが自身のレーベル、Generation Nowの共同設立者であり、過去にはDef JamのA&R副社長を務めていたDon Cannonと共同で制作しました。

この曲では、彼が自分のラップスタイルと自信について語り、彼がストレートであることを明確に述べています。彼の大成功とそれによって手に入れた富についても触れられており、ダイヤモンドやラグジュアリーな生活についても言及しています。彼はこの曲で、自分が成功したラップアーティストであることを誇りに思っており、自己表現に自信を持っています。

Lil Uzi Vert - Flooded the Face

「Endless Fashion」

11曲目の「Endless Fashion」は、イントロからEiffel 65のシングル「Blue (Da Ba Dee)」をサンプリングしています。
さらに、この曲ではゲストはニッキー・ミナージュがゲストとして参加しており、彼らは以前のシングル「The Way Life Goes Remix」でも共演しています。ニッキー・ミナージュはこの曲の制作について次のように明かしています。

朝8時に始めて夕方5時に終わったんだ。
終わる頃には疲れ果てていたわ。笑
時間内に終わらせるために急いでたからね。
彼に「30分後」と言っては、2時間後に連絡して「あと15〜20分待って、 Uzi!!」って言ってたよ。
1日中ずっとそんな感じだったんだ。

Lil Uzi Vert feat. Nicki Minaj - Endless Fashion

Eiffel 65 - Blue (Da Ba Dee) (1998)

「Nakamura」

14曲目の「Nakamura」は、アメリカのプロレス団体WWEに所属し、世界的なスーパースターである中邑真輔のテーマ曲「The Rising Sun」をサンプリングしています。このような日本人プロレスラーをサンプリングした異例の曲となりましたが、リル・ウージー・ヴァートは以前から「リングに入りたかった、リングに入る準備ができていたんだ」と語るなど、プロレスに熱中していることを明かしています。

また、中邑真輔は、Twitterでリル・ウージー・ヴァートをメンションして投稿し、この曲に対して賛辞を送っているようです。
彼自身もこの異なるジャンルのアーティストとのコラボレーションに喜びを感じていることが伺えます。

Lil Uzi Vert - Nakamura

Shinsuke Nakamura - The Rising Sun (2016)

「Pluto to Mars」

19曲目の「Pluto to Mars」は、リル・ウージー・ヴァートの特徴的なシンセサイザーが響く楽曲で、彼の前作のアルバム「Eternal Atake」(2020)で多くの楽曲を手掛けたBrandon Finessinがプロデュースを担当しました。この曲は、2020年にSNSで一部が公開され、その後長い時間を経てようやくリリースされました。その間、ファンたちは正式なリリースを心待ちにしており、今回のアルバムでようやくその願いがかなった形となりました。

Lil Uzi Vert - Pluto to Mars

おわりに

今作「Pink Tape」は、リル・ウージー・ヴァートがこれまでに見せてきた音楽性をさらに深化させ、新たな可能性を追求した作品と言えます。単なるヒット曲の集合体ではなく、彼の音楽の幅広さと創造性を強く感じさせる多様な音楽要素が取り入れられています。特に、BABYMETALやイギリスのロックバンドBring Me The Horizonとのコラボレーション曲「Werewolf」は、ロック、ポップス、ダブステップなどの要素を融合した楽曲となっており、ジャンルの垣根を超えた作品となっています。これはリル・ウージー・ヴァートが音楽の新たな可能性を追求し、自身の音楽性をさらに広げようとする姿勢を示しています。

また、彼は2023年初のラップアルバムで全米チャート1位を獲得したにも関わらず、「Pink Tape」のデラックスエディションのリリースは見送り、新たなプロジェクトに取り組むことを示唆しています。彼はライブストリーム中に「デラックス版ではなく、全く新しいアルバムをリリースするつもりだ」と述べ、ファンを驚かせました。これは彼が自身の音楽キャリアにおいて常に新たな挑戦を恐れず、進化し続ける姿勢を示しています。

このアルバムは、リル・ウージー・ヴァートの音楽キャリアにおける重要な一歩であり、彼の音楽性の幅広さと創造性を示す作品となっています。彼の音楽は、リスナーに新鮮な驚きと共に、彼の音楽への深い理解と情熱を感じさせます。彼の次のステップが待ち遠しいですね。


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