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エミネムとカルヴィン・ハリスが認める、カナダ出身のJessie Reyezとは?

シングル「Figures」(2016)で一躍注目浴び、デビューEP「Kiddo」(2017)でビルボードから「2018年に注目すべき10人のHIPHOP/R&Bアーティスト」の1人に選出されたJessie Reyez(ジェシー・レイエズ)

その後、Eminemのアルバム「Kamikaze」(2018)に抜擢されたことで、多くのオーディエンスに周知され、EP「Being Human in Public」(2018)はグラミー賞にノミネート。
2020年には待望のデビューアルバム「Before Love Came to Kill Us」をリリースしました。

そんな彼女が、セカンドアルバム「YESSIE」(2022)をドロップ。
ここでは、ニューアルバム以前の彼女のこれまでのキャリアについて解説します。

レーベル  : Island Records
リリース日 : 2022年9月16日
名前    : Jessie Reyez
本名    :    Jessica Reyez
年齢    : 31歳


出身地   :   カナダ、トロント

学校の先生が彼女の才能に気づく?

カナダ、トロントでコロンビア人の両親のもとに生まれたジェシー・レイエズは、サルサやボレロを聴いて育ち、小学生の時から作詞をしていたようです。
その才能にいち早く気付いたのは、学校の先生だったようで、当時の様子を彼女は次のように回想しています。

音楽はいつも私の家の中にあったわ。
父がギターを弾き、私はクンビアやサルサ、ボレロを聴いて育ったの。
6、7歳のときにレゲエに出会って、それ以来、レゲエがすべてだと思うようになったわ。
文章を書くのは、実は幼い頃に詩を書くことから始まったの。
小学校7年生のとき、私が手紙を書いたノートをたまたま先生が見て「これはすごい」と言って、私の両親に「知っているかどうかわからないけど、あなたの娘はペンの才能がある!」とまで言ってくれて、私は「ありがとう!」と思ったわ。
それで先生は、学校教育のシステムの中で「これを磨いたほうがいいんじゃないかしら」と時間を割いてくれた人だったわ。
「これを磨いたらどうだろ?ちょっとだけ刃があるわね!時間をかければ銛にもなるわ」ってね。

また、音楽や歌詞で表現することは、自分の呼吸のようなもので、他人とのコミュニケーションでは表現できないものだと語っています。

私は文章を書いたり、手紙を書いたりするのが好きなんだけど、考えを吐き出そうと思っても吐き出せないことがあるから嫌なんだ。
誰かと会話しているとき... 2人の人間がコミュニケーションを取ろうとしているわけで、自分もそれに従わなければならないようなダンスみたいなのがあって、間が空いたり、止まったりして、思考が途切れてしまうんだ。
でも、書くことは、自分の呼吸のようなもので、私が書き終えるまで口を出されない。
手紙を書くと、誰にも邪魔されないわ。
それで、あなたが(曲を)出すことで、何のフィルターもかけずにコミュニケーションを取ることができる。
私はそういうことにとても感謝しているの。
詩でも音楽でもいいわ。

自分を表現するツールとして音楽に出会った彼女は、2012年、家族とともにアメリカのビザを取得し、マイアミに移住。
ここではバーテンダーとして働きながら、クラブのDJにショットと引き換えに自分の曲をかけてもらったり、休日にはCalvin Harrisなどの大物に会いに行き、知り合いを通じて、デモCDを渡すようお願いしたりしたそうです。
しかし、積極的な行動とは裏腹に、彼女自身の音楽活動はビーチでギターを弾く程度で、この生活も長くは続かなかったようです。

あそこのパーティーの雰囲気はブラックホールよ。
みんな常にパーティーをしていて、この業界で働いている人は、一日中寝ていて、夜はずっとクラブにいるんだ。
私は1年間そうして、完全に自分の音楽をないがしろにしたわ。
唯一音楽的なことをしたのは、ビーチでギターを弾くことだったの。

その後トロントに戻った彼女は、低所得層の若者が音楽、写真、クリエイティブ・ビジネスを学ぶアートプログラム、Remix Projectに合格し、Daniel Daley(OVOデュオdvsnの一人)の指導を受けることになりました。

そこでシカゴのラッパー、キング・ルイが彼女とクラスメートのために開いたワークショップがきっかけで、彼と即興のレコーディングセッションを行い、コラボレーションシングル「Living in the Sky」をリリースすることになりました。

Jessie Reyez & KING LOUIE - Living in The Sky (2014)

女性アーティストの代弁者として注目を集める

それから2年後、シングル「Figures」(2016)をリリースし、カナダのシングルチャートにキャリア初のチャートインを果たします。
YouTubeでは現在までに1億回再生されるなど、彼女の代表曲のひとつとなっています。

Jessie Reyez - Figures (2016)

翌年、「Figures」を収録したデビューEP「Kiddo」(2017)をリリースし、2018年のカナダのオーディエンスの投票によって与えられるJuno Awardsで4部門にノミネートされ、ビルボードは「2018年に注目すべき10人のヒップホップ/R&Bアーティスト」の1人に選出しました。

こうして一躍注目を集めた彼女ですが、このEPに収録されている「Gatekeeper」では自身が経験した、業界に横行するセクハラや性差別について歌い、12分の短編映画も公開しています。

私はマイクを持ち、(セクハラについて)オープンに話すことができ、誰に対しても前例を作ることができたわ。
でも、それが特権的な立場であることは理解しているわ。
なぜなら、その曲を世に出したことのない女の子にとって、それはまだ非常に難しいかもしれないからね。

この問題は、女性に課され、男性には課されない、平等と社会的圧力の概念から生じていると思うわ。
例えば、男は化粧をせず、ドレスシャツとパンツで出勤しても問題ありませんが、女の子が毎日そんなことをしたら批判されるでしょう。
それが変われば、もっと良くなるはずだわ。

Jessie Reyez - Gatekeeper (2017)

また、「すべてを吐き出したかった」と短編映画制作の理由を明かしつつ、自分が追い求めているものと自分の限界との葛藤に揺さぶられたようです。

ストーリーを薄めたくなかったの。
そしてすべてを吐き出したかったの。
何が起こったのか、誤解されたくなかったし、やり通したかったの。
自分が追い求めているものが本当に必要なのか?
もしこれが唯一の障害だとしたら、折れてもいいのか?
与える気があるのか?
自分の道徳心を疑い、自分の限界を疑わなければならない事実でだいぶ揺らいだわ。

エミネムに見出され、自身のアルバムでもコラボ曲をリリース!

女性アーティストの代弁者とてして瞬く間に業界の注目を集め、2018年に最も売れたヒップホップアルバムとなったEminem「Kamikaze」(2018)に2曲抜擢された彼女。
このコラボレーションについて、彼女は「子供の頃に尊敬していた人物に認められ、コラボレーションを依頼されるのは特別なことだわ」と、自分のこれまでのキャリアが間違っていなかったと明かしています。

子供の頃に尊敬していた人物に認められ、コラボレーションを依頼されるのは特別なことだわ。
自分が正しい道を歩んでいるって肯定してくれるんだ。
「8 Mile」を聴いて、彼が中指を立てているのを見て「これはヤバい!」と思ったのを覚えているわ。
「Superman」もね。
とても光栄なことだわ。

Eminem feat. Jessie Reyez - Good Guy (2018)

また、以前デモCDを渡したCalvin Harrisも、彼女を気に入ったようで、Kehlani、Lil Yachtyをゲストに迎えたシングル「Faking It」(2017)Dua Lipaとの「One Kiss」(2018)で作詞、バックコーラスを任されています。

こうして着実に実績を積んだ彼女は、2018年にIsland Recordsとレコードおよび出版契約を締結し、2枚目のEP「Being Human in Public」(2018)をリリース。
グラミー賞の「最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム」にノミネートされ、彼女の才能に多くのオーディエンスが気づくことになりました。

Jessie Reyez - Apple Juice (2018)

2020年には待望のデビューアルバム「Before Love Came to Kill Us」をリリース。
ゲストにEminem6LACKを迎え、6LACKとの「Imported」はSpotifyで1億回のストリーミングを獲得。
リリース翌月にはA Boogie wit da HoodieRico NastyJIDなどをフィーチャーしたデラックス盤を発表しています。

Jessie Reyez, 6LACK - Imported (2019)

今後の目標について

唯一無二の歌声と、ソングライティングで多くのオーディエンスを魅了してきた彼女ですが、世界的に人気を集めているFrank Oceanと共演したいと、今後の目標について語っています。

Frank Ocean。彼をとても尊敬しているわ。
すごいことだと思うの。
プロデュースできて、デリバリーできて、一緒のテーブルにつけるといいんだけど、ちょっと畏縮しちゃうかもしれないね。
でも「Channel Orange」は私にとって信じられないような作品だったし「Pink Matter」はこれまでで一番好きな曲の1つだわ。
生きているか死んでいるかは別として、Bob Marley、Amy Winehouse
は素晴らしいわ。
私、Bob、Amy、Frankの4人が部屋にいたら?
それはいいことに違いないわ。

女性アーティストの代弁者として音楽シーンに一石を投じ、EminemCalvin Harrisなど業界の大物たちも魅了したジェシー・レイエズ

今回のセカンドアルバム「YESSIE」(2022)をきっかけに、彼女の過去作を掘り下げてみると何か発見があるかもしれません。

今回紹介した楽曲のDJプロモーション音源はこちら⬇️⬇️⬇️

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