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アルバム「7」で開拓するVEDOの新たなR&B領域

R&BシンガーVEDO(ヴェド)は、Summer WalkerElla Maiなどのヒット曲のカバーをYouTubeに投稿し、その類いまれなる歌唱力によって頭角を現しました。

2020年のシングル「You Got It」はTikTokでバイラルヒットし、彼の名前を広く知らしめました。この曲の成功によって、ヴェドはR&Bシーンでの地位を確立。2022年にはMigosChris Brownのヒット曲を手掛けたプロデューサーOG ParkerとのコラボEP「While You Wait」をリリースし、更なる注目を集めました。

そして、2023年10月、ヴェドは待望のニューアルバム「7」を発表しました。この記事では、彼の最新作に焦点を当て、アルバムの詳細に迫ります。ヴェドの新たな音楽の世界に触れたい方は、ぜひ最後までお読みください。

レーベル  : New Wav Music Group, EMPIRE
リリース日 : 2023年10月6日
名前    : VEDO
年齢    :    30歳
出身地   :    ミシガン州ベントンハーバー


大手レーベルに所属しない理由とは

ヴェドは、2019年に発表したアルバム「VEDO」から現在に至るまで、ほぼ毎年のように新しいアルバムをリリースしており、その精力的な活動が注目を集めています。

特に、「You Got It」は大きな成功を収めました。この曲はTikTokでのバイラルヒットにより、Spotifyでは現在までに3億回以上のストリーミングを達成し、2023年にはRIAAからダブルプラチナの認定を受けました。

ここまでの成功にもかかわらず、彼は大手レコードレーベルとの契約を結ばず、インディペンデントアーティストとしての活動を続けています。
これに関して、ヴェドは以下のように語っています。

レーベルが契約アーティストにどう接するか見てきたよ。結局、利益が出なければアーティストのことなんて二の次だ。メジャーレーベルの友人たちとこれを経験したんだ。彼らが最初に失敗すると、もうおしまい。何もリリースできず、ファンも減り、アーティストとしての熱意も消え去る。そして、レコード会社の利益とアーティストの収入の格差を目の当たりにした。自分の作ったものが他人のものになるなんて、納得できないことだよ。

"インディペンデントアーティスト"とは、大手レコードレーベルとの契約を結ばず、自主制作や自己販売を行うアーティストのことを指します。一般的に、これらのアーティストは大手レーベルと比べてプロモーションが少なく、知名度が低いか、実力があるにも関わらず十分な注目を受けていないと見なされがちです。

しかし、ヴェドのようなアーティストにとっては、レーベルとの契約が自分の創造性を制限すると感じることがあり、そのため独立を選択することがあります。音楽業界では、完成した作品がレーベルの都合でリリースが遅れたり、最悪の場合はリリースされないこともあります。これはアーティストとレーベル間の緊張の原因となることがあります。

ヴェドがインディペンデントとしての道を選んだことで、彼のアートに対する制約がなくなり、ファンと直接的に繋がる機会が増えています。この決断により、彼は自らの音楽的ビジョンを追求し、継続的な成長が可能になっていると言えるでしょう。

アルバムについて

ヴェドは2023年1月に、Chris BrownTinkなどがゲスト参加したアルバム「Mood Swings」をリリースしました。このアルバムでは、35組以上のソングライターが参加し、ライターチームも組まれるなど、彼にとって初の試みとなる作品でした。
それからわずか9ヶ月後、彼は新作のアルバムをリリースし、前作との比較を通じて次のように語っています。

このアルバムには、さまざまな感情や思いが込められている。「Mood Swings」の頃は、とても気分が不安定だった。理由はわからないけど(笑)。誰にでも気分の浮き沈みはあるものだ。このアルバムは、聴く曲ごとに違うムードを作り出している。純粋なR&Bだ。このアルバムを聴いて、愛と充足感を感じないことはない。どのプロジェクトでもやったことのないような曲も入っている。本当にインスピレーションを与えてくれるアルバムだ。ほとんどがゴスペルのような曲で、俺がゴスペルをアレンジしたものなんだ。

収録曲について

そう明かす新作は、全15曲が収録されており、これまでのアルバムで最も多い40組のプロデューサーが参加しています。

一方で、ゲストアーティストはLecraeのみとなっており、これについてヴェドはフィーチャリングに執着せず、自身のスタイルで制作を続けることを重視しているようです。

誤解しないでほしいんだけど、俺たちは実際にみんなに声をかけて、フィーチャリングをしてもらおうとしてるんだけど、フィーチャリングを押し付けているわけではないんだ。もし相手が俺とのコラボに興味を示さないなら、大丈夫なんだ。俺は俺のやり方でやる。もちろん、フィーチャリングはストリーミングとかには向いている。でも、クリエイティブなパートナーには何も求めない。というのも、俺がフィーチャリングを探している場合、最も重要な部分はすでに完成しているからね。その曲のトピックに沿ったヴァースを作るだけでいいんだ。

「The Only Way」

アルバムのオープニングを飾る「The Only Way」は、2000年代のR&Bの雰囲気をまとい、ヴェドの美しい歌声が心に響くスローなナンバーとなりました。ヴェド自身もこの曲を今作でのお気に入りの1曲とし、次のように話しています。

このアルバムの中で「The Only Way」が1番気に入っているんだ。これは、アグレッシブで美しいR&Bとでも言うべき曲で、トップライン、歌詞、ブリッジ、バックグラウンドなど、サウンド的にはR&Bそのものなんだ。フェリーに大きなエールを送りたい。彼は素晴らしいソングライターだ。彼が曲のアイデアを送ってくれたんだ。それを聴いて、すぐ「これが好きだ」って思ったよ。そして、この曲を自分のものにした。この曲をオープニングトラックにしようと決めたのは、誰かの注意を引くには「顔をひっぱたく」のが1番だからね(笑)。

VEDO - The Only Way

「Split」

5曲目の「Split」は、アルバムのリードシングルとして9月に先行リリースされました。この曲は、カップル間の喧嘩や衝突が実際には愛情深い瞬間につながることを描いています。歌詞では、相手の怒りがセクシーに感じられ、喧嘩が結局は愛を深める瞬間へとつながる描写がされています。愛と衝突の間の感情を表現することで、リスナーに共感を呼び起こし、ユニークなアプローチを見せています。ヴェドのこれまでの恋愛観や経験が音楽に込められており、聴く者に深い感動を与えることが期待される作品です。

VEDO - Split

「I’m Really Him」


10曲目「I'm Really Him」では、ヴェドが相手に贅沢でユニークな体験を提供し、一緒に新しい冒険を共有するよう誘っています。
この曲は、特に興味深いことに、The Notorious B.I.G.とR. Kellyの「Fuck You Tonight」(1997年)をサンプリングしており、90年代の雰囲気を呼び起こしています。このサンプリングにより、曲は過去の時代を感じさせると同時に、ヴェドが自身のスタイルとアイデンティティを曲に注ぎ込むことを可能にしています。「I'm Really Him」は、贅沢で特別な瞬間を追求し、相手との関係を深めることに焦点を当てた、感動的なトラックとなっています。

Vedo - I'm Really Him

The Notorious B.I.G. feat. R. Kelly - Fuck You Tonight (1997)

「Grown @ss Woman」

12曲目「Grown @ss Woman」では、ヴェドが彼の周りにいる成熟した魅力的な女性にスポットライトを当てています。彼女の滑らかな肌、自然な様子、そして高級なアイテムを身につけながらも真剣に仕事に取り組む姿勢が称賛されています。

ヴェドはこの曲が好きであり、自身の過去の経験を振り返りながら次のように述べています。

この曲が大好きなんだ。女性はあの曲に惹かれると思うよ。俺はいつもサバサバしていたわけではないんだ。若い頃は、いつも大人の女性を狙っていた。「どうしたんだい、ベイビー?」とか言ってみたり。でも彼女たちは「私は大人の女よ。どこかで座ってなさいよ」って。だから、女性が自分を確立し、こういう感情はクールだと思ったんだ。「私は大人の女よ」って。着飾ってセクシーに見せるだけじゃなくて「ビジネスに関しては、私は大人の女よ。自分を信じることに関しては、私は大人の女よ。品位と意図を持って動くことにおいては私は大人の女性よ」ってね。

Vedo - Grown @ss Woman

おわりに

最新アルバム「7」について、ヴェドはオーディエンスに次のことを感じてほしいと述べています。

これはインディペンデント・アーティストとして7枚目のアルバムだ。
俺はまだ続けている。好きなことをして生計を立てることは可能なんだ。寝室から大衆に触れることもできる。何かを夢見て、それを追いかけ、実現することもできる。必要なのは時間をかけて努力することだけなんだ。「VEDOは決して折れなかった。彼は自分のやりたい音楽に忠実だった」ってね。このアルバムを聴いて、充実感、愛、切迫感を感じてほしい。大切なものとのつながりを取り戻してほしい。それは必ずしも神である必要はない。家族でも、友人でも、自分が必要だと感じるものなら何でもいい。人生の目的は、その大切なものとのつながりを取り戻すことなんだ。なぜなら、俺たちは一度しか生きられないからね。そして、生きなければならない。

いかがでしたでしょうか?
このアルバムを通して、彼の音楽探求への情熱と表現の自由へのこだわりが伝わってきたのではないでしょうか。大手レコード会社の枠にとらわれず、独自の道を選んだことが、彼の作品に独特の深みと魅力をもたらしました。まるで、彼の人生のストーリーが音楽に溶け込んでいるような、リリックとサウンド。その真実味が聴く人の心に響いているようです。
ヴェドの唯一無二の歌声は、これからも聴く者に心に残る感動を提供し続けることでしょう。



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