有名楽曲のリメイク動画でのし上がった、今をときめくR&Bシンガー"VEDO"の楽曲を振り返る!
R&Bとは本来、1940年代に都会的なロックとジャズをベースに生まれたアフリカ系アメリカ人の音楽ジャンルであり、主にレコード会社が都市部のアフリカンアメリカン向けに作ったレコードを指す言葉でした。
そして1960年代から1970年代にかけて、The Rolling Stones、The Who、The AnimalsといったイギリスのバンドやグループがR&Bバンドとして呼ばれ、そして1970年代にはソウルやファンクを包含する言葉として使われるようになりました。
1980年代後半には、より新しいR&Bのスタイルが発展し「コンテンポラリーR&B」として知られるようになり、1990年代にはUsher、R. Kelly、Janet Jackson、TLC、Aaliyah、Mary J. Bligeなど、現在のR&Bシーンで活躍するアーティストが生まれました。
そして今回は、現行のR&Bの象徴とも言えるクリス・ブラウンやアッシャーに楽曲提供をしている、シーンで最も注目されているシンガーVEDO(ヴェド)をピックアップ。
ここでは、ヴェドのこれまでのキャリアについて解説します。
レーベル : New Wav Music Group, Island Prolific, EMPIRE
リリース日 : 2023年1月13日
名前 : Vedo
年齢 : 29歳
出身地 : ミシガン州ベントンハーバー
キャリア
ミシガン州ベントンハーバー出身のヴェドは、9歳で歌を始め、高校時代にはアトランタに移り住み、歌と作曲のスキルを磨いてきました。
2011年、アーティストとして初のシングル「Traffic Jam」をリリースし、同年にミックステープ「RnB Monsta」(2011)をリリース。
同時期には自身のYouTubeチャンネルを開設し、ここではカバー曲を中心にアップロードしていました。
Vedo - 1+1 (Beyonce Cover)
2013年にはアメリカのリアリティーTV番組「The Voice」に出演し、ここでアッシャーから直接指導を受け、ベテランから多くの知識を得たようです。
この番組でのパフォーマンスがきっかけで、インディーレーベルのPlatinum Power Movesと契約を結び、キャリアを飛躍させることになりました。
YouTubeで注目を集める
レーベルとの契約後、彼が生まれた年をタイトルにした最初のプロジェクト「93」(2015)をリリース。
この作品から「4 Walls」は、YouTubeで4500万再生を記録するバイラルヒットとなりました。
Vedo feat. Natasha Mosley - 4 Walls (2015)
2016年には、自身のレーベルNew Wav Music Groupからミックステープ「As I Am」をリリースし、収録曲の「My Boo」はYouTubeで290万再生を記録。
Vedo fest. Sydney Renae - My Boo (2016)
この頃から、前述のYouTubeチャンネルが注目され始め、アリーヤの「Come Over」のカバーやエラ・メイの「Boo'd Up」のカバーなどが500万再生を超え、徐々にネット上で認知されるようになりました。
Vedo - Come Over (Aaliyah Remake)
Vedo - Boo'd Up (Ella Mai Remake)
ソングライター、TikTokで才能を開花させる
同時期にLil Dickyとクリス・ブラウンのシングル「Freaky Friday」(2018)にソングライターとして参加し、UKチャート1位を獲得、YouTubeでは7億回再生を記録。
翌年には、アッシャーとエラ・メイのシングル「Don’t Waste My Time」(2019)の作詞、さらにクリス・ブラウンのシングル「WE (Warm Embrace)」(2022)の作詞を担当するなど、R&Bのスターたちからも一目置かれているようです。
Lil Dicky feat. Chris Brown - Freaky Friday (2018)
2019年には、自身の名前を冠したアルバム「VEDO」を、さらにその翌年にアルバム「For You」(2020)をリリース。
収録曲の「You Got It」はTikTokでバイラルヒットとなり、Spotifyでは3億回のストリーミングを記録。
彼の名前をメインストリームに押し上げたこの曲について、ヴェドは女性を意識して書いたこと、そしてこのアルバムの中でも特に思い入れのある曲ようです。
Vedo - You Got It (2020)
2021年、ますます精力的な活動を見せる彼は、Lloyd、Ari Lennox、Eric BellingerなどのR&Bシンガーを中心にフィーチャーしたアルバム「1320」をリリース。
Jacqueesとのスロウナンバー「For Me」や、透明感溢れるビートにErica Banksの緩急自在のラップが惹きつけられる「Daddy Dior」などが収録されています。
Vedo feat. Jacquees - For Me (2021)
2022年、MigosやMegan Thee Stallionのプロデューサーで知られるOG ParkerとコラボEP「While You Wait」をリリース。
8曲入りのこのEPから1曲目「Soon As I Get Home」では、The Isley Brothersの「Between the Sheets」(1983)を大胆にサンプリングしています。
Vedo & OG Parker - Soon As I Get Home (2022)
おわりに
YouTubeでカバー曲を発表して注目を集め、ソングライターとして大物R&Bシンガーたちから支持されているヴェド。
しかし、彼はそれに甘んじることなく、カバー曲を自身のYouTubeチャンネルにアップし続けており、そのチャンネル登録者数は現在100万人に迫っています。
同時に、毎年コンスタントに1枚はアルバムを発表するというこだわりも功を奏し、TikTokでのバイラルヒットやファン層の拡大という形で実を結びつつあるようです。
YouTubeでの活動が、短いスパンでの新作発表やスキルアップにつながっている昨今、Youtubeから世に出たアーティスト達が、今後もR&Bシーンの底上げに活躍してくれそうです。
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