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音楽レビュー記事まとめ

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音楽レビュー記事を集めていきます。
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#音楽

広大な自然を目の当たりにし作られた初アルバム Julia Shortreed『Violet Sun』レビュー

広大な自然を目の当たりにし作られた初アルバム Julia Shortreed『Violet Sun』レビュー

小林うてなとermhoiのふたりと共に、Black Boboiのメンバーとしても活動するJulia Shortreedがリリースした、新作アルバム『Violet Sun』をレビュー。
※このレビューはDIGLE MAGAZINEに2021.02.15に掲載されたものです。

Writer:黒田隆太朗
平成元年生まれ、千葉県出身。ライター/編集。MUSICA編集部→DIGLE編集部。

静寂。遠くか

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Monthly Mu & New Caledonia『Prologos』レビュー。明るいフィーリングを投げかける1st EP

Monthly Mu & New Caledonia『Prologos』レビュー。明るいフィーリングを投げかける1st EP

Monthly Mu & New Caledoniaの『Prologos』をレビュー。※このレビューはDIGLE MAGAZINEに2020.12.05掲載されたものです。

Writer:黒田隆太朗
平成元年生まれ、千葉県出身。ライター/編集。MUSICA編集部→DIGLE編集部。

 軽やかなステップで歩き出すようなバースと、閃きを信じて駆け出すようなテンポのブリッジ、そしてパッと視界が開ける

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ハルカトミユキ『最愛の不要品』レビュー。仄かな希望が漂う包容力のある新作

ハルカトミユキ『最愛の不要品』レビュー。仄かな希望が漂う包容力のある新作

ハルカトミユキの4th EP、『最愛の不要品』をレビュー。※2020.06.29にDIGLE MAGAZINEで公開された記事です。

Writer:黒田隆太朗
平成元年生まれ、千葉県出身。ライター/編集。MUSICA編集部→DIGLE編集部

 音楽に「不要不急」というレッテルが貼られたこの時代に、彼女達は『最愛の不要品』という作品で応えた。かつて坂本慎太郎がタワレコのキャンペーンにて、「音楽は

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Rin音『swipe sheep』レビュー。確固たる個性と豊かなサウンドで彩る初作

Rin音『swipe sheep』レビュー。確固たる個性と豊かなサウンドで彩る初作

※この記事は2020.06.18にDIGLE MAGAZINEに掲載されたものです。

トレードマークは「インターネット」と「睡眠」。Rin音の楽曲はSNSや眠りがテーマになることが多いが、『swipe sheep』というタイトルもまた、スマートフォンの操作「スワイプ」と眠る時に羊(Sheep)を数える行為が由来している。

タイトルの通り、Rin音の根幹が強く反映された本作は、緩やかなフロウとネ

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Hinds『The Prettiest Curse』レビュー。自然体のまま飛躍する変化作

Hinds『The Prettiest Curse』レビュー。自然体のまま飛躍する変化作

Hinds『The Prettiest Curse』レビュー。※この記事は2020.06.10にDIGLE MAGAZINEに掲載されたものです。

 今から2年前。ちょうど前作『I don’t run』がリリースされる頃、アメリカで開催されたSXSWから帰国したばかりのTENDOUJIを取材する機会があった。その時の彼らは実に屈託なく、同イベントに出ていたHindsの素晴らしさを語っていた。彼女

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THE NOVEMBERS『At The Beginning』レビュー。混迷の時代に響くはじまりの歌

THE NOVEMBERS『At The Beginning』レビュー。混迷の時代に響くはじまりの歌

 THE NOVEMBERS『At The Beginning』をレビュー。

Writer:黒田隆太朗
平成元年生まれ、千葉県出身。ライター/編集。MUSICA編集部→DIGLE編集部

 リスナーにとってアートワークとは、作品を聴く前に受け取る最初の情報であり、いわば音楽が「鳴る前」に聴く(見る)芸術である。曇天の海は不気味さを、完全な球体は人工物を、極彩色のカラーは混沌と多様性を想起させる。

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【アルバムレビュー】[.que]『Dreaming』。心に寄り添いながら描く未来

【アルバムレビュー】[.que]『Dreaming』。心に寄り添いながら描く未来

エレクトロニカ/フォークトロニカの分野で、国内有数の評価を得るカキモトナオのソロプロジェクト・[.que](キュー)が、1月20日にリリースした12作目のフルアルバム『Dreaming』をレビュー。

 [.que]の音楽は心の深いところに触れる。淡い色味で発光するような柔らかい音色と、抒情的なメロディ。そのあまりに感情的な旋律。泣き腫らしたあとに見る朝焼けのような、そんな言葉にできない美しさがあ

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RADWIMPS『新世界』レビュー。未知なる日常への扉はすぐそこに

RADWIMPS『新世界』レビュー。未知なる日常への扉はすぐそこに

RADWIMPS『新世界』レビュー。※この記事は2020.06.08にDIGLE MAGAZINEに掲載されたものです。

Writer:梶野有希                           97年生まれ。ライブハウスとインディーズロックが大好きです。

“新世界”という言葉から人は何を想像するだろう。希望、救済、不安。様々だと思うが、多くの人に共通して言えることは新世界という言葉は変化の

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