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遠隔空間共有システムを活用したデザインシンキングワークショップ

デジテック for YAMAGUCHI運営事務局 兼 Y-BASEスタッフのハラマルです。8週間前と比べて体重が2kgも落ちていることが分かり、安心して食べ過ぎた結果、むしろ前よりもお腹が出ているのでは?と噂されている今日この頃です。ダイエットあるあるですよね。

今回は、11月20日(土曜日)に開催した「Y-BASEの遠隔空間共有システムを活用したデザインシンキングワークショップ」についてご報告します。こちらも、「やまぐちデジタルマンスリー」と称して、やまぐちDX推進拠点「Y-BASE」の開設に合わせ、施設の認知向上や来所機会を設けるとともに、DXへの興味喚起や理解促進を図るために重点的に実施しているイベントの一環です。

遠隔空間共有システムとは、Y-BASEに整備している、リアルとオンラインを融合した作業スペースです。リアルの場(Y-BASE)では、テーブルと壁面を使って10人が同時に作業できます。オンラインでは15カ所から同時に接続できます。この全員が同じ資料を同時に作業できるので、「遠隔」にいながら「空間」を「共有」できる(という体験ができる)という優れものです。通常のオンライン会議の資料共有のように、一方向から資料を投影するだけではないので、双方向で議論を進めたりプロジェクト管理したりする際に、効果を発揮するツールです。

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今回は、この遠隔空間共有システムも使って、「デザインシンキングのワークショップ」を実施しました。デザインシンキングとは、人間中心に課題やニーズの本質を発見し、これまでにない新たなアイディアを創出する手法として、近年注目が高まっている思考法です。システムありきではなく、ユーザーのニーズに即したサービスを設計するマインドとでもいいましょうか。…と言っても、私の説明では分からないかもしれませんね。以前、入門編として勉強会を開催しましたので、そちらを御覧になっていただいた方がいいかと思います。

冒頭にこうした概要をご説明した上で、今回はワークショップを実施しました。今回のテーマは、皆さんがとっつきやすい課題として、「山口県に住みたい・住み続けるにはどうしたらいいだろう~デジタルを活用して~」を設定しました。ペルソナは山本誠さん(49歳)です。

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架空の人です(笑)。が、具体的に設定することで、参加者の皆さんが山本さんのになったつもりになって、日々の行動や考え方が想像しやすくなります。そして、ここに課題があるのではないか?といったアイデアや思い付きが生まれやすくなります。

まずは、2チームに分かれて、ホワイトボードを使っての課題定義のワークです。たくさんの意見やアイデアを出す「発散」のフェーズで視野や可能性を広げ、その中から、今日のテーマにふさわしいものに「収束」させていきます。

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次に、遠隔空間共有システムを使ってみるのですが、まずは、使い方のガイドも含めて練習。山口県のいいところを皆さんで書き出してもらいました。事務局としては、使いにくいとか意見があるかなぁ?と想定していましたが、概ね、結構スムースに使えたよという好意的な御意見をいただきました。テーブルにも壁にも書き込んでいただきました。

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練習が終わると、いよいよ遠隔空間共有システムを本格的に使う場面です。大阪からはファシリテーターが、萩市と下関市からは参加者が、CVCAというワークに参加しました。

CVCAとは、「Customer Value Chain Analysis」の略で、製品やサービスが、どのように、どういったステークホルダーと関係しているのか、図解する手法です。これにより、今まで気づかなかったステークホルダーや関係性に気づくことができ、新しい価値創出のきっかけづくりになります。例示では、某私鉄の例を教えていただきました。私鉄としての直接的なサービスは、乗客に対して移動というサービスを提供しているのですが、乗客はそれぞれ目的があって私鉄を利用しています。その目的が増えれば、乗車の機会が増えることに気づき、例えば私鉄がデパートやエンタメなどの事業も手掛け、外出機会を増やすことで、私鉄の売り上げも上昇させたそうです。

今回は、架空のお菓子を題材に、間接的なステークホルダーを拾い出していくことで、例えば、お菓子とは直接関係のない「観光地で発信されるSNS」をターゲットにした新しい価値創出などのアイデアが出されました。ここでも、参加者の皆さん、遠隔空間共有システムを使いこなしてワークしていただきました。遠隔からも作業していただくのですが、その結果がリアルタイムでこちらに反映されるので、少し不思議な感覚です。

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ここで学んだCVCAの手法も用いながら、先ほど定義した課題を解決するためのアイデア創出を、グループで行います。ここでも、「発散」と「収束」です。

最後には、各グループでの成果発表と意見交換を行いました。

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個人的には初めてデザインシンキングワークショップを傍で見させていただきましたが、いろいろな人が集まって意見を出してみるという重要性に改めて気づきました。人の意見に「乗っかる」とか、ヒントをもらうとか、そうしたことで、普段は思いつかないようなアイデアが出るというのは、単純に面白い・楽しいという感覚だったと思います。さらに、それが課題解決につながれば、非常にうれしいことですね。

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今回は、遠隔空間共有システムも使ってみるという要素も取り込み、かなりボリュームがあったため、4時間という時間は少し短かったと思います。次回があれば、もうちょっとしっかりと時間を取ってやってみたいと思います。

皆さんも、このデザインシンキングワークショップに御興味があれば、是非、Y-BASEまでご相談いただければと思います。参加者の皆さん、お疲れ様でした。ありがとうございました。

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