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プーパッポンカリー(タイ)【旅すれば満ぷく/吉田友和】
第1回
3回の世界一周を含め各国を旅して回った吉田さん。自身を「食いしん坊」というほど食にもこだわりがあり、食を旅の重要なポイントと位置づける吉田さんが、世界各地で味わったオススメの「満ぷく料理」を紹介します!
第2、4金曜日更新
<著者:吉田友和>
自戒の意味を込めて「デブ旅」というタイトルにしようかとも思ったのだけれど、それだと切なすぎるのでやめた。まあでも、内容としてはまさにそんな感じになりそうな予感がする。一言で説明すると、本連載は旅先の美味しい食べ物に関するエッセイである。旅をして食べた話。食べるために旅をした話。理想を言えば、読んだら食べたくなる連載にできればいいなあと願っている。
そんなわけで、記念すべき第一回目である。まずは何を取り上げようか思案したのだが、最初はやはりタイに決まりだろう。というより、有無を言わせずタイに決定させていただくのである。旅はタイに始まり、タイに終わる――これが、我が家の家訓だからだ。
問題は、タイ料理の中でもどれにしようかということだった。タイ料理の世界は奥が深く、美味しいものが多いからどれか一つに絞るのはなかなか難しい。世界三大料理といえば一般的にはフランス、中国、トルコであるが、個人的にはこれにタイを加えてもいいのではないかと常々思っているほどである。
最初にひらめいた候補はカオマンガイだ。タイ風チキンライス。ただ、「ピンクのカオマンガイ」として親しまれているバンコクの「ガイトゥーン・プラトゥーナム」も、いまや渋谷に支店があって、日本に居ながらにして本場のカオマンガイが味わえるようになった。ほかにもタイスキで有名な「MK」や「コカレストラン」など、タイの人気飲食店は案外日本に進出していたりして、そういう料理だとありがたみが薄い気もする。
ここはやはり、日本では食べられないものがベターだろう。ワガママなことを言うと、旅人としては現地まで行って食べてこそ、ではないかという気持ちも強い。タイへ行ったら必ず食べたい料理、それもできるだけ幅広い層にオススメできるものがいい。大人だけでなく、子どもでも食べられそうなもの。さらに言えば、辛いのはちょっと……という人でさえも満足できる逸品。そんな料理があるだろうかと考えて、ひとつ思い当たった。
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