DIGITALIFT10年目のバリュー改定
2012年に創業し、2022年11月に10周年を迎えるDIGITALIFT。多くの失敗も成功も経て成長を続け、昨年マザーズ市場(現グロース市場)へ上場。現在は正社員が70名弱。10年という節目である今年、今後さらに強い組織になっていくために、改めて自分たちらしさや自分たちの価値観である「バリュー」を考え直すことにしました。
もともとDIGITALIFTには「ビジョン」「ミッション」の他に、「クレド」「行動規範」という、バリューに該当する表現があったものの、量が多く覚えにくく、あまり社員に浸透していないという背景がありました。また、策定から時間が経っており、策定当時とは人数もフェーズも組織形態も変化した現在の組織にはフィットしない部分もありました。
既存のものを活かしリライトするという選択肢もありましたが、今回は改めてゼロベースで言語化し、再定義することに意味があると考えました。
早速ですが、 今回改めて言語化したDIGITALIFTのバリューがこちらです。
ひとつずつ意図を書いていきます。まず、バリューの定義について。
バリューの定義
バリューの定義は「わたしたちの価値観」とし、その背景にある「適者生存」の考えを明記しました。
「適者生存(=Survival of the fittest)」とは、ダーウィンが「種の起源」で用いた表現で、「強い」者ではなく進化に「適応する」者が生き残るという概念です。
わたしたちは、これがビジネスの世界、特にデジタルマーケティングの世界でも同じだと考えています。日常的に新しいアップデートが繰り返され、急速なスピードで進化し続けるこの世界で、その変化に適応し続けることができるプレイヤーだけが生き残るといった考えです。
今回バリューを改めて制定する上で、この「適者生存」の概念は、わたしたちの事業や、わたしたちの在り方を考える上で、欠かすことのできない前提となる考え方であるという結論となり、「わたしたちの価値観」という定義のタグラインに置くことにしました。
その適者生存の世界を生きぬくために、わたしたちが重視する価値観を、大きく2つ、それをさらに細分化した4つに定義しました。
戦略的利他
「戦略的利他」という言葉は、わたしたちが考えた造語です。そもそも、わたしたちのビジネスはクライアントとの互恵関係が可能です。その上で、利他的(⇔利己的)な行動を積極的に行うのですが、それは結果的にわたしたちの利益になるからである、という意味です。「結果的に自分の利益となる」「中長期の利益を取るために」といった意味を「戦略的」というワードで表現しています。
そして戦略的利他を分解して、2つの価値観を定義しました。
相手のコアを考えぬく
DIGITALIFTのメイン事業はクライアント企業のデジタルマーケティング戦略を担わせていただくことなので、クライアントの潜在的な課題をまず理解するといった「コアを考えぬく」力が非常に重要です。
相手のコアにたどり着くためには、ロジックも当然大切ではありますが、相手の成功を願う気持ちや、相手を喜ばせたい気持ち、それゆえに相手の立場に寄り添う想像力といった、AIに代替できない人の力が必要だと考えており、この部分を「頭と心で」と表現しています。
また、この「相手のコアを考えぬく」力は対クライアントだけではなく、仕事仲間含むステークホルダーすべてに対して重要な価値だと、わたしたちは考えます。
パフォーマンスで示す
ただの「利他」ではなく「戦略的利他」のためには、「パフォーマンスで示す」必要があります。利他の上で成果が生まれなければ、結果的にわたしたちが利益を得る「戦略的利他」は成立しないからです。
DIGITALIFTは成果主義の組織です。これはクライアントの大事な予算を預けていただく事業で成長してきたわたしたちの根源的な考え方であり、人事評価制度でも濃く反映しています。
また、DIGITALIFTが考える「パフォーマンス」の意味として、個人単位の成果だけにこだわらず、チームや組織全体のパフォーマンスが高いことに価値があり、それを助ける行動にも大きな価値があることも添えて定義しました。
そして、戦略的利他と並ぶもうひとつの価値。
ブレイクスルーを起こす
これまでいくつもの「ブレイクスルー」があり、振り返ってみると、それらがわたしたち自身の成長を加速させた転換点であったように思います。その再現性を考え、分解した2つの価値観を定義しました。
実力はスピードに現れる
「スピード」は、社内で既に浸透している価値なのですが、そこで、なぜ速い方がいいのか?どういう人がどう速いのか?分解した結果、下記のことがわかりました。
速い(+早い)人は、自分がスピードを提供することによって得られる価値をよく知っている。例えば、相手へ安心を与えられること。ときにはサプライズを提供できること。それらによって相手から自身への信頼を勝ち取ることができる、という価値です。
かつ、速い人は、そのスピードを出すためのスキルを持っている。スポーツカーで例えると、ハンドルさばきや、アクセルとブレーキ、ギアの使いこなしといった技術です。
これらのことから、実力そのものがスピードという形で現れるのだと定義しました。
ちなみに、たいていの速い人は、先天的にスピードが速かったわけではなく、スピードを速くする努力をしており、継続的にその努力をし続けている、ということもわかりました。つまり、誰でも努力次第でスピードを身に着けることができるはずだ、というのがわたしたちの考えです。
変化は作れる
現状維持でいることは、日々進化を続ける世界の中で相対的には退化。その前提に立つと、変化を続けることが必要だとわかります。そしてその変化はどう作るのか?と考えてみると、重要なのは大きくも小さくもチャレンジを続けることで、チャレンジによって「変化」と呼べるレベルの前進、成長をもたらすことができるはずだという結論に至りました。
また、シンプルにレベルアップを目指すタイプのチャレンジより、「過去事例になかった」「正攻法ではない」といった新しいチャレンジがブレイクスルーの起点になる傾向があるため、常識にとらわれない柔軟な思考を目指そうというメッセージをタグラインに置きました。
以上が、DIGITALIFTが10年目に改定したバリューのすべてです。
今回バリュー改定にあたり、どういう方法で進行するのがよいか、たくさんの方からアドバイスをいただきました。
「メンバーを巻き込んで時間をかけて策定したことで、浸透に成功した」といった事例を教えていただいた一方で、「経営陣が合宿などで、短期間で決めきるのがベストだった」という相反する事例も伺い、果たして何が正しいのか?と戸惑いました。
結果的にわたしたちの理解は、バリュー改定のプロセス自体はトップダウンでもボトムアップでもかまわないが、どういうバリューを作りたいかがすべてで、それに沿った手法を選択すればよいということでした。
どういうバリューを作りたいか?は、人数や事業フェーズ、どんな組織を作りたいか、どんなタイミングなのか、既存メンバーはどんな人たちなのか…?という無数の変数によるはずです。なので、バリュー改定のプロセスはこうあるべきだという一般的な正解はないように思います。
その中で、DIGITALIFTは「社員全員の意見を起点とし、キャッチボールを経て、最後は経営陣に決定権がある」というボトムアップ形式を選びました。
プロジェクトのスタートから5ヶ月。余白を持って引いたスケジュールでしたが、当然のように予定通りには進まず、紆余曲折の5ヶ月でした。でも、自分たちが歩んできた道を振り返りながら、自分たちという組織について深く考えた、非常に濃厚な期間でした。
バリュー改定にまつわるストーリーはまた別途どこかでお伝えさせてください!
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