平均台を渡れないのは、誰が悪いのか?

こんにちは。DIGIPROです。

今回は、スキルと仕組みの話です。

平均台があります。渡ってみて下さい。

皆さんの目の前に、幅30cm、高さ30cm、長さ10mの平均台があります。渡れますか?

懐かしい平均台


おそらく、多くの方が「渡れる」と思ったのではないでしょうか。

では、同じ幅、同じ長さで高さが10mの平均台ではどうでしょうか。


歩く部分は同じのはずなのに、途端に難易度が高くなった様に感じませんか?


別の条件で最初と同じ平均台を使ったとします。

今度は渡る人が、あなたではなく、2歳の子供と80歳の老人だったとします。この平均台は渡れますか?



最初と同じ条件で皆さんが「渡れる」と思ったものが、実行する人が変わると「無理」という回答に変わりませんでしたか?


平均台を渡れないのは、渡れない人が悪いのか?

仕事でも、まま同じ様な状況に出くわします。

他人と同じ時間でできない。

他人と同じ品質でできない。

ミスが発生してしまう。

これらは、作業者本人の責任なのでしょうか?

当然、実施者本人のスキルアップ、意識改革なども重要です。

しかし、これは大前提として、人に差が発生するのは当然という事を忘れているケースがあります。

いつもできる事がその日の体調や複数作業が重なって意識散漫になった。

といった事は熟練作業者でも起きうることです。

管理職の大きな仕事に1つとして、「誰でも同じ様に仕事ができる仕組みづくり」という事があります。

先ほど平均台のメタファーを使った様に、出来る、出来ないは状況や人によって変わります。

80歳の方に30cmの平均台を歩けと言っても無理だと想定できるなら、平均台の幅を広げる、高さを下げる、もっと言えば平均台を渡らなくても良くする、といった事を仕組みとして作ることが求められます。

個々の能力を高めるのは、「個人の努力」ですが、組織として実行力を高めるには、同じ事を実現できる人を増やす「仕組化」が重要です。

200点取れるスーパーマンは貴重な人材ですが、多くは存在しません。

60~70点の人、もっと言えば、30点くらいでもできる仕組みを作れば、出来る人が増える訳です。

「組織化する」というメリットは、こういった点にあります。

部下を持つ人は、「何でこんなことができないんだ!」と叱る前に、
「どうやったら部下が出来る状況を作れるか?」を自らに問いかけた方が生産的であり、管理職としての仕事を果たしていると言えます。



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