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少数意見を軽視してしまう姿勢②

前回は、司会者Xの会議さばきを会話形式でお届けしました。少数意見の取り扱いが見事でした。

満場一致は「ありえない」と考える

会議などで物事を決めるプロセスでは、複数の多様な価値観がぶつかります。よって、参加者全員が納得する結論が得られるとは限りません。むしろ得られないほうが普通

満場一致は、よっぽど単純でシンプルな解の場合か、各人の価値観を超越した余程優れた解の場合。多くは前者の場合でしょう。

そこで「意見の確認プロセス」が重要になります。特に「根拠の確認」が大事なのは、前回お話しました。

確認プロセスが存在すれば、仮に自分の意見が採用されなくても「合意」できるようになります。また、自らが進行役のときは、参加メンバーが合意してくれるようにもなるのです。

納得はできないかも知れません。しかし会議なので「今回は仕方ないか」と折れたり、「他の全員の総意ならば」と譲ったり、と、出された結論に「理解」を示せるようにはなるはず。

「理解」と「納得」

実をいうと、司会者Xが仕切る会議に参加したことがあります。そのとき私は一人だけ違う意見を出していました。司会者Xは、私に意見の根拠を説明する機会をつくり、参加者にじっくり聞かせてくれました。

しかし、意見は採用されませんでした。そのことには納得できませんでしたが、会議の結論には合意しました。私の意見に対し「一理ある反論」もあり、そして賛同も得られなかったので「仕方なし」と自分を諌めました。

「納得はいかなかったが、理解はした」これが、そのときの私の心情です。

「ご納得いただくのは難しいかもしれませんが、何とかご理解いただけませんか?」は、ビジネスパーソンの説得話法の一つ。私も社会人になって初めて上司がこの言葉を使ったとき、深く感銘を受けました。「理解」と「納得」って、こうやって使い分けるのか、と。

「お互いが納得すること」は難しい時代になりました。特に現代社会は以前に比べて価値観も多様化し、それらを尊重する社会。価値観を形成する情報や体験は、ネット社会により飛躍的に増大。意見の根拠そのものも、多様化しています。

会議をスピーディーに進めるよりも、多様な少数意見、その根拠にじっくり耳を傾ける。そして、「納得よりも理解」をゴールに設定する。

これからチャレンジしてみようと思います。



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