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黙ってなきゃいけない場面で喋る

私はしゃべり好きです。年齢を重ねると共に、また、立場上、なるべく、しゃべらないように、努めてきましたが・・・

耐えられない「無言」

おしゃべり好きは、「自分が無言の時間」に耐えられません。相手がしゃべってる間、その話を聞くのではなく、じっと我慢してるのです(笑)。

また、相手が聞いてようが、聞いていまいが、のべつまくなくシャベり倒し、さらに、相手がまだ話してる途中だろうが、ズケズケとカットインしてきます。

いますよね、そういう人(笑)。

しゃべりながらじゃないと無能

おしゃべり好きの特徴は、「話しているうちに、言葉がどんどん溢れてくる」が、逆に話さないと、何も考えられない。

泳いでないと死んでしまうマグロ、のようなものかも知れません。

昔、テレビで久米宏さんが「僕は、話しながらじゃないと考えられない」と言っていて、大いに共感しました。

私も「話しながら、思いついてく」タイプです。そんな人が聞き役になれるのか?

私は数年前に仕事の役割上、突然「聞き役」になる機会が増え、その後、それが大事な仕事になりました。最初のうちは、やっぱり無理でした。

さて、どうしたものか?

再現性の高いメモ

自分なりに、いくつかやりました。

まず、聞きながら「真剣に」メモを取ること。当たり前のことかもしれませんが、かなり「真剣に」メモを取ります。ポイント、というより「一言一句に近い状態」で。

そうすると、話が理解できなかったら、その瞬間に「すいません、今のもう一度言ってもらえますか?」と、すぐに相手にお願いする

あるいは、「それは、●●という意味ですか?」と、自分で理解できる話に変換して問いかける。

この、相手への問いかけは、姿勢の面でも重要で「ああ、この人は話を聞いてくれてるんだ」という、相手の安心感にもつながります。こちらも、正確なメモ作成のため、結構必死になります。

こうしておくと、取ったメモを振り返った時「何が書いてあるかわからない」「どういう文脈で言ってるのかわからない」ということがなくなります。

短い質問

で、とったメモを元に、相手に質問したり話を膨らませたりするのですが、ここが難しいところ・・・しゃべり好きには相当難しいのです。

なぜなら、話さないと考えがまとまらない習性があるので「良い質問をしよう」「いい話を引き出そう」とすると、考えるために、つい、話し過ぎてしまいます。

そうすると、相手の真意や本音にたどり着けなくなる危険、に陥ります。

こちらが「本当に聞きたい話」や、相手の真意や本音というのは、そう簡単に出てこないので

話を聞いてからの「質問」が鍵を握る

のですが、しゃべり好きはここで失敗します。結局自分がしゃべって、終わってしまうのです・・・

なので、私は

1)自分がしゃべるスピードを、遅くする
2)短いフレーズの質問をいくつかする

に努めています。

しゃべるスピードをゆっくりにすると、そんなにしゃべらなくても良くなるからです。不思議なんですが。

相手の話と自分の理解が一致

・相手の話を聞く
・わからないところは途中ですぐに質問する
・話を一通り聞き終えたら、自分が気になったことや興味を持った点を短いフレーズで質問する

こうすることで、ようやく、「相手の話」と「自分の理解」が一致してきます。

人の話は、なかなか理解するのが難しいです。なぜなら、人はそれぞれ思考回路も違うからです。相手のテンポ、相手の認識、相手の文法、で喋るから

「あなたの話す内容が、私には理解できない」

は、意外とよくあることです。だから「質問」が重要なのです。人の話を聞くときには、特に。

無言ツッコミ

しかし、しゃべり好きは、話を聞いてる最中でもどうしても、喋りたくなる!

そこで「無言ツッコミ」です。

相手の話を聞きながら、心の中で、しゃべる。口には出さずに。

「それって、●●と矛盾してなくない?」
とか
「本当にそんなふうに思ったの?」
とか
「□□したほうがいい」

という相手への「ツッコミ」をメモにする。

相手の話を聞きながら、自分が感じたこと、言おうと思うことをメモにするのです。。。

私は、矢印とかカギカッコとかをつけて「これは自分の意見だ」と分かるようにメモします。

こうしていると、なんとか、相手の話を中心に場を進めることができます。

で、質問は、メモした「聞きたいこと/自分の意見・感想」の中から選んで話せばよいのです。そうすると、端的に質問できます。

聞くのが求められるとき+

さて、そうまでして、人の話を聞かなきゃダメなのか? 答えは「NOときどきYES」です。普段の会話では必要ないでしょう。「話を聞くのが求めれれる」とき、もう少し正確に言うと、

「話を聞いた上で、自分が何がしかのアクションを求められる」とき、に使う手法だと考えています。

話を聞くのが求められるだけなら、「聞くだけで、質問は不要」なことも多いからです。恋バナ(良い/悪い)や愚痴は、だいだいそうでしょう。特に、愚痴に対して質問を重ねると、ロクなことになりません。

理解しないと、聞いたことにならない。

本当のことは、ちゃんと聞かないと分からない。なかなか難しく、私もまだまだですが、自分自身がちゃんと理解しないと、相手の話を聞いたことにならない

ということは、経験から分かってきました。聞き役は本当に難しい。特にしゃべり好きには。

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