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目に見えないと認識しにくい「過少申告」の罠

食事指導をしていると
「この食事内容でその体重を維持しているの?」
という疑問にぶつかることが多々あります

ソフト開発に従事している時、栄養指導ソフトの開発の為、女子大生への聞き取りを行ったことがあります
どう見ても、BMI30くらいありそうな20代女子の一日の食事を聞き取った際
朝:ヨーグルト 昼:おにぎりとサラダ 夕:パスタ
という内容でした

一日を切り取って評価するものではありませんが
「その食事量でその体重は維持できないだろう!!」
と、思わずつっこみたくなりました
もちろん、栄養指導の原則として「傾聴」「受容」がありますので、その場で否定はしませんでしたが、私も若かったので
「しっかり食べましょうね」
くらいしか言えませんでした

昨今の炭水化物ダイエットに傾倒してしまっている方には、基礎代謝の低下も影響の一つとしてあるでしょうけど、それにしてもみんな摂取量が少ない

そこで、食事摂取基準2020年の総論をもう一度読んでみました

ありましたありました!!
巻末のオリジナル資料 「5、過少申告」
まさにこれです

詳細は割愛しますが
・BMIが大きくなるにつれて過小評価の程度は甚だしくなる
・エネルギーの過不足の評価は体重の変化で行い
 エネルギー摂取量では行わない
・申告÷0.8と考える
とあります

例えば
「指導に使うから写真を撮ってきてください」
と伝えても、やっぱり人間、見栄があるので食べる内容は意識しますよね
体裁を意識した食事内容では真髄のところまで指導できません

まだまだ私の食事指導の内容もブラッシュアップが必要だし、食事の聞き取りの方法も工夫が必要だなと、日々反省です

今後の聞き取りについて、ちょっと方向性を変えていこうと検討中です

体重を意識している方は、是非食べたものの記録から始めてみて下さい
写真ではなくメモでも大丈夫
可視化することは、後々見直した時にとても重要な資料になりますし、脳が意識することで改善される事が多々あります


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